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ナルミの物語  作者: 仲介
2/6

最悪の受験前

 「フン♪♪〜 フフン♪♪〜」


 シャー


 楽しそうに鼻で歌いながらシャワーを浴びるナルミの姿があった。今日は受験の日だと言うのにまるで緊張していない、むしろ楽しみにしている感じだ。彼女には不安が無いのかと思えるぐらいリラックスしていた。


 タッタッタ


 廊下から誰かが走ってくる音がした。ナルミはタオルで前を隠し何故か警戒態勢にはいっていった。シャワーの音だけが聞こえナルミがシャワーを止めようとした瞬間。扉が開き誰かが浴室に入ってきた。


 「ナルミー勝負だコレ! 」


 と言ってナルミに抱きつこうと勢い良く浴室に入ったのはシュンだった。どうやら無防備な時を狙って襲いに来たようだが、ナルミは慣れた手つきでシュンの手を払い足払いをして態勢を崩れた瞬間に顔面に回し蹴りを入れた。


 「今日はいったい何のようですかシュンさん? 」


 ナルミは、倒れて鼻血が出てるシュンに対して問いかけた


 「いてて、今日は受験日だから緊張しているんじゃ無いかと思ってほぐす為に来たんだよ」


 シュンは照れながら答えた。


 「気持ち悪いんですよ変態さん。 『ほぐす為』って言いましたけど毎度毎度この時間に襲ってくる理由にはなりませんよ。いい加減にしてくださいよ! 」


 ナルミは仁王立ちでシュンに説教を始めた。シュンは両方の鼻から血が出て嬉しそうなに正座で聞いていた。すると突如シュンはさらに姿勢を低くしナルミが気をとられた隙に窓から小さな女の子が入ってきた女の子はナルミの小さな胸を触りながら必死な顔で言ってきた


 「ジュエリーがナルミのここをおっきくする」


 そう言いジュエリーは満足そうにしていた。ナルミは顔を赤くしながらジュエリーの腕を解き注意をした。


 「ダメですよジュエリーそんな事をしたらそういうのはもう少し大人になってからです」


 シュンが起き上がり鼻血を隠しながら起き上がった。


 「ジュエリーこれでいいだろうパパと認めてくれる? 」


 シュンがジュエリーに困り顔で聞いていたが、ジュエリーはナルミとの行為に夢中になりすぎて無視をしていた。仲よさそうにやり取りをしている二人に嫉妬したのか存在がない事に気がついたのか、二人に襲い掛かった

 

 「今ジュエリーと遊んでいるんですから外野はどっかに消えてください! 」


 ナルミの合気道でシュンを上空に投げ、ナルミとジュエリーは視線が合いアイコンタクトで二人ともが頷きジュエリーとナルミの回し蹴りが当たり窓を壊して吹き飛んだ。 ナルミとジュエリーは浴室から上がり、着替えて、リビングに向かった。


 「母上朝食にジュエリーも一緒にいいですか? 」


 ナルミは朝食準備をしている最中に申し訳なそうな顔をして母親にお願いをしてみた。母親はにっこりとしながらナルミの問いかけに答えた


 「いいわよ 今日はお魚だけどジュエリーは食べられる? 」


 と言いながら、ジュエリーの分も用意をしていた。


 「うん大丈夫食べられる 」


 ジュエリーは椅子に座り朝食ができるのを待っており、ナルミはできたものをテーブルに運んだり無い物を用意したりと朝食の準備をした。準備が終わり二人とも席を着く頃には、ジュエリーが食べ始めていた。


 「いただきます」


 と母親とナルミは声に合わせて合掌をしご飯を食べ始めた。母親最初の一口を食べた時にふと疑問に思いジュエリーの方向をを向いて話しかけた。


 「今日の試験はジュエリーも一緒に受けるの? 」


 母親の質問に対しジュエリーはすぐに返事を出した。


 モグモグモグ  ゴックン


 「そだよ」


 ジュエリーの返事で受ける事をしった母親は心配そうに二人ををみた。試験科目は毎回同じで受験生と在校生の戦いが試験となっている。色々と不安要素があったので母親は心配そうに話した


 「まだ9歳と11歳なんだから無理無茶は絶対にダメだよ。危なくなったら直ぐに降参しなさいよ‼︎ 」

 

 母親の忠告にナルミはしっかりと聞いたがジュエリーは話半分以上聞き流して食べることに集中していた。


 「ごっこうさま ナルミン行こ‼︎ 」


 そう言ってナルミの腕を引っ張った。ナルミは椅子に立てかけてた刀を持ちジュエリーに身を任せて外に連れ去られた。


 「ジュエリー私は少ししか食べて無いのですが、何か急用ですか? 」


 ジュエリーの急な行動に何かの理由があってはだと思い確認をした。ジュエリーは真剣の顔でナルミに答えた。


 「もうすぐ試験だから遅れたらダメ」


 ジュエリーの言葉にナルミは疑問に思い携帯で時間を見た。時刻が7時半になっていた。本来試験開始時間が9時から開始という事を聞かされてたナルミはジュエリーの行動を考えていた。


 (どうしてこんなに早く行くんでしょう? 後10分ぐらいで試験会場に着いてしまいます。予定変更なら私のところにも来るはずですし、私が時間を間違えて覚えていたのかなぁ? )そう思うとだんだんと不安になりジュエリーが知っている時間を訪ねた。


 「ジュエリー試験は何時からでしたっけ? 」


 ナルミは自分が間違えてる可能性を考えてジュエリーに確認をした。


 「・・・」


 真剣な表情をしたジュエリーを見てナルミは自分が予定を間違えてると信じてしまったのだ。数分が経ち二人は試験会場に到着したがそこには先生はおろか受験生もいなかった。会場には看板だけが立っており看板には 【連合育成学校試験会場 第一校舎      受付時間8時30分〜8時55分まで】 と書かれていた。


 「ジュエリーこれはいったいどういう事ですか‼︎? 受付まで後50分はありますよ。なんでこんなに早く来たんですか? 」


 ナルミは大きな声でジュエリーに問いかけた


 「大丈夫! おじちゃんが『この時間から待て』って言ったから 」


 ジュエリーは無邪気な顔でナルミの問いかけに答え、ナルミはジュエリーの答えに対して困った顔をした。ジュエリーは純粋すぎる故に人の言葉を信じてしまう。赤の他人ならまだしも大好きなおじちゃんの言葉ならなおさらだ。ナルミはため息をつき時間まで待つ事にした。 


 「ふぁ〜ん」


 ジュエリーが眠そうにあくびをしたのでナルミは正座で座りジュエリーに膝枕を提案した。


 「ジュエリー眠いならここを枕に寝ます? 」


 ジュエリーは眠そうに頷き、ナルミの膝を枕にして眠りについた。ナルミはジュエリーの頭を撫でながら時計を見た。受付までにまだまだ時間があり、ジュエリーが膝の上で気も強さそうに寝ていたので何もできなくなり、ナルミにも睡魔が襲った。数分後

 

 カツッカツッ


 ナルミの後ろから足音が聞こえた。(誰かが近づいてくる)そう思ったナルミは耳を傾け背後に気をくばった。よく聞くとこっちに向かっているのは三人だと確信し時間を改めて確認をした。


 「私達の他に早く来る人達がいるのかなぁ? 」


 ナルミはボソっと声を出した。


 足音が止まったのでナルミは後ろを振りむくと三人立っていた。真ん中にいるのはシュンだった。右に金髪デッキブラシ頭の男、左には三角頭の黒髪の男がたっていた。右の男が前に出た


 「イエー‼︎ ナルミお前だろシュンを血だらけにしたの⁉︎ 」


 金髪のデッキブラシ頭の名を《モテオ》がナルミに対して啖呵を切った


 「シュンさんが襲ってきたので身を守るために仕方なく攻撃したまでです。 それより何の用ですか? 三人とも受験するんですか? 」


 ナルミはシュンを倒したことを当たり前のように話をして、三人が来た理由を尋ねた。今度は三角頭の男が前に出てヤンキー座りでナルミに声をかけた


 「ナルミちゃん。シュンごとぎを倒したからっていい気になるなよ。こいつなんて俺らでも倒せるんだからな 」


 三角頭の黒髪の男名を《オニギリ》自分達もシュンを倒せるということを自慢してきてる


 「そうですか。 今はジュエリーが寝てるので静かにしてください! 」


 ナルミは二人に対して注意をした時シュンが前に出てきた。


 「モテオ、オニギリその辺にしておけジュエリーが起きるしナルミも可哀想だし」


 シュンはナルミとジュエリーの前に立ち、二人を守るようにオニギリとモテオを誘導しようとした。オニギリ達はシュンの態度にムカついたのか戦闘態勢に入った。


 「シュンお前も落ちたな。ここでお前ら三人とも倒してやるよ! 行くぜオニギリ‼︎」


 「あーそうだなモテオ。一人は豚で一人は寝てて一人は動けないただの雑魚これなら勝てるぜ」


 シュンも戦闘態勢に入ったが動けないナルミと寝ているジュエリーを庇いながらの戦闘になる。そう考えるとため息が出た。そのため息が合図になったのかオニギリとモテオが一斉に動き出した。オニギリはシュンの方に攻撃を仕掛けた


 「『ツイストスピンキック! 』」


 ボコ・


 「グハァ」


 ピューン・ドーン


 オニギリの回し蹴りでシュンが1キロぐらい吹き飛び、そのままオニギリはシュンに追撃を仕掛けようとした。

 一方モテオは動けない二人に対して


 「戦いの鉄則は動けない奴から倒す事だぜ! 行くぜぇ『コレオプト‼︎ 』  この水滴に当たれば筋力が一気に低下して使えないゴミがさらに使えないゴミになるんだぜぇ イエー‼︎ 」


 モテオは自分の体から少量の水滴を出しナルミ達の方に飛ばした。水滴はゆっくりと動いてナルミ達の方に向かっていった。  ナルミはジュエリーを膝枕から起こさないように床に置き、大きく深呼吸をしてモテオを睨んだ。


 「どんば理由で襲ってくるのかがわかりませんが、ジュエリーに手を出そうとした罪はしっかりと償ってもらいますよ。 」


 ナルミは左腰にある刀を持ち、居合術の構えをとり目を閉じた。


 「はは。なにカッコつけて目を閉じているそれでも結果は変わらないぜ 『モテキッーク』」


 モテオはナルミにコレオプトが当たりそうなのを確認してから全力でナルミにジャンプキックをしようとしたがモテオがジャンプした瞬間ナルミが動き始めた。


 「『日向流(ひゅうがりゅう)剣術(けんじゅつ)空道(くうどう)』」


 ナルミは一瞬で刀を抜き、(くう)を斬りながら体を回転させて道を作った。これによりコレオプトの軌道が変わりオニギリのいる方角にコレオプトが向かった。抜刀の勢いを利用し体を回転させながら刀を反転させてモテオの攻撃を流した


 「『日向流(ひゅうがりゅう)剣術(けんじゅつ)峰破撃(みねはげき)』」

 

  ドーン


 回転させた勢いのままモテオの顎に峰を当てた。回転した遠心力と相手が向かってくる勢いを利用したカウンターの一撃。モテオはこの一撃で上空まで打ち上げられた。

 

 ナルミはシュンのほうを確認した。シュン対オニギリではややオニギリが優勢であったが二人ともボロボロだった。


 「はは!やっぱりあの一撃が効いたみたいだな。お前が俺らを裏切るからこうなるんだぜ! 」


 オニギリがシュンを押しているため、油断してシュンに話していた。 シュンはヘトヘトになりながら何とか立ち上がり、ナルミの方を見た後にオニギリと喋った。


 「バーカ! お前の雑魚攻撃なんか効くかよ。今から本気の俺を見してやる」 


 疲れながらも構えをとるシュンにオニギリが笑いながら向かっていった。


 「ならくたばれ『ツイストスピンキック』」


 ポン

 

 オニギリは自分にコレオプトが当たった事に気づいかず、自分の攻撃力の無さにビックリしていた。シュンはその事にニヤリと笑みを浮かべオニギリに攻撃した。


 「だから言ったろ効かないって。28歳コンビは恥を知れ。『シュンキック』」


 シュンの渾身の一撃がオニギリのお腹に当たりナルミの方に飛んで行った。飛んでいく方向を確認したシュンはショックな顔をした。飛んでいく方向にナルミがいる事に気がつかなかったのだ。慌ててナルミの方に泣きながら走るシュンだが重傷を負っていて上手く走れなかった。上からモテオが落ちてきてシュンの上に乗っかり、全く動けない状態になってしまった。シュンは泣きながら大声をあげた


 「だるびおげでぐれ〜!(ナルミよけてくれー) 」


 「はぁ〜! 」


 シュンの泣き言に対し呆れた顔しため息が出た。刀を納め体技の構えをとり、タイミングを計り技を仕掛けた。


 「『日向流(ひゅうがりゅう)武術(ぶじゅつ)掌天投(しょうてんな)げ』」


 飛んでくるオニギリを掴み勢いを殺さないように体を回転させ、遠心力で勢いが増したところをシュンたちの方に山なりに投げた。投げた後も数回は体を回転させゆっくりと止まった。


 ピューン・ドーン


 「グハァ」 X3

 

 ナルミはオニギリがシュン達の所に落下をするのをしっかりと確認をした。3人が倒れている所に行き呆れた顔をしながら手を差し出した。シュンはナルミを数秒見つめた。ナルミは満面の笑みでシュンにお礼を言った。

 

 「シュンさん 手伝ってくれてありがとうございます! 」


 ナルミの笑顔を見たシュンは急に力が入り、上に乗っている二人をどかしてナルミの手を掴んだ。ナルミはシュンの手を引っ張り立たせようと動いたがシュンの力が急に抜けてナルミを押し倒して、ナルミの顔の近くに顔が当たるように倒れてしまった。

 

 二人が倒れる音で目を覚ましたジュエリーは二人の光景が、シュンがナルミを押し倒し、胸を触りながら耳に顔を当ててるかのように見えた。シュンは両手をナルミの胸に手を当て、上体を起こそうとしてナルミの顔が見えるまで顔をあげナルミを見つめた。ナルミはシュンの顔を見て今の状況を整理しようとした。シュンの手が自分の胸に乗っかっていいる事に気がつき、自分の股の間にシュンの片足がある事が分かり今の状況を理解したナルミは恥ずかしくなり顔が真っ赤になった。数秒がたっても退こうとしないのでナルミは体を動かしてシュンを退かせようとした。


 「バカ急に動かすな! 」


 シュンは慌ててナルミを注意したが、ナルミは言う事を聞かずに体を動かしてしまいシュンはバランスを崩し、もう少しで顔と顔がぶつかりそうな距離になりナルミはさらに真っ赤な顔になった。どう動けばいいか分からなくなったナルミはシュンが退いてくれるのを待つしかなかったがシュンも今の状況に困惑しており動けずにいた。二人たも動けないまま時間が経ちナルミが口を開いた。


 「シュっシュンさんそろそろどいてくれませんか? 」


 シュンは全く動く気配がなくナルミをじっと見ていた。動かないシュンを見てナルミは怒ろうとしたその時誰かがシュンの頭を踏みつけ二人は接吻をしてしまった。


 「うおぉ! 」


 ジュエリーは二人の接吻を間近で見てやや興奮気味に声を上げてしまった。シュンの頭を踏みつけたのは小さな女の子だった。彼女の髪の色は綺麗な海色のような蒼髪の短髪で瞳の色は青空の色をしていた。彼女はナルミたちの方を見て自分の所為で二人がキスをしたなんて気にする事なく二人に声をかけた


 「何や自分ら、こんな所でキスなんかしてラブラブやな 恥ずかしくないん! 」


 小さな女の子は関西弁で喋った。

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