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Addiction  作者: nirva
序章
9/14

Side:A

ーー261708061000

 「D班、持ち場につけ。」


 とある男は部下に指示を出していた。


「E班、第三防壁の防衛兵の殺害は完了したか?」

「こちらE班。既に完了している。」

「了解。B班C班、出撃用意。A班は目標捕捉次第、"ユニコーン"のセットを開始しろ。」


 当初の作戦通り、何の滞りも無く用意が進む。新装備のアンチレーダーが非常に役立った。これが無ければ、攻撃対象の一番外を囲む第一防壁に近づくことすらできなかっただろう。ヘッドセットからは準備完了の声が流れる。


「こちらA班。"ユニコーン"セット完了、55秒後に発射。」


 その報告に呼応するように、心臓が少し強く鼓動を打ち始めた。この兵器がどれほどの威力なのか、どこまで敵に痛手を負わせられるのか、未知数の結果に心が躍り始めていたからである。そのせいか、いつの間にか少し汗ばんでいた。


 よれている襟を正す。


「D班、"ユニコーン"発射後すぐに出撃し、着弾地点周辺のクリアリングを優先。B班C班はその後出撃。」

「了解。」


 カウントダウンが進む。残りの18秒が数倍にも長く感じられた。高ぶる気持ちを抑えられず、早口で最後の作戦確認をする。


「最優先事項は機密情報の奪取だ。殺す相手をちゃんと見極めること。その後、可能なら敵基地の破壊と……ゼロ・・を殺害しろ。壁に護られ完全にだらけきった敵を完膚無きまでにぶっ潰せ!」


 言っていることが何となく矛盾していると思ったが、テンションが上がっていた男は勢いでそう言い放った。


 そして、タイミング良く発射のカウントダウンが始まる。


「"ユニコーン"発射まで残り5秒! ……3、2、1……発射!」

「行くぞお前らァ!!」

「「「ウオオォォーーッ!!!」」」


 爆発に近い砲台の発射音と共に、けたたましい男達の咆哮が鳴り響いた。

・アンチレーダー:索敵レーダーを無効化する電波を出力する装置。使用すると局所的に通信障害が起こる。

・ユニコーン:大口径の最新型砲台。名前の由来は鋭い弾体や、鋼鉄も貫くことから。

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