異世界と現実
「なぁ、雪。とりあえずどうすればいいんだ?」
「そうね、とりあえず私の住む町に行くわよ。あなた強くなりたいって言っても、まずは宿を探さなきゃね。」
2人は草原を歩きながら清の今後について話をしていた。RPGの様な世界とはいえ、これはゲームではない。腹は減るし、服だって汚れる。強くなるためにはまず生活の基盤を作らねばならない。
「宿か!ってか金なんて俺持ってないぜ!てか通貨は円でいいのか??」
財布は偶然ポケットに入っていたが、持ち合せが無い。キャッシュカードはあるがATMが果たしてあるのか。あっても同じ銀行が存在するわけがない。
「円?○のこと??ここの通貨はダレルよ!あなたやっぱりお金も持ってないのね、、、」
「当たり前だろ!んなもん持ってる方が不思議だろうが!しばらくは雪に養ってもらうとするかっ♪」
「ちょ、ちょっと!なんで私があなたを養わなきゃいけないのよっ!そんな義理は無いわ!自分で稼ぐことねっ!!」
そんな会話をしていると前方に町見えてきた。そこまで大きくはないが、ちょっとした建物がいくつも並んでおり、文明は栄えているようだった。
「見えてきたわね!あれが私の住む町ノームガルドよ!」
「へぇー!こんなのどかなとこにある割にはなかなか活気がありそうじゃん!とりあえず腹が減ったから飯にしようぜっ!」
「まったく、この世界に馴染むの早すぎない?でも今日だけは私が面倒見てあげるわ!でも明日からは自分で稼ぐのよ!」
「えっ?仕事しなきゃなの?」
「当たり前でしょ!その世界の稼ぎ方を教えてあげるわっ!この刀でね♪」
「刀?で?」
こうして清のRPG風な世界での現実的な生活が幕を開けようとしていた。