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チートなステータス設定



『取得スキルを選択してください』





脳内で再生された音声は無機質で冷たい。



それは音声だけに留まらず、様々なイメージが頭に流れ込んでくる。



まるでゲームのキャラ設定画面の様だ。



スキルだけでなく身長から体重、容姿にステータスなども弄れるみたいだ。



俺は予想と全く違う展開に戸惑ったが、すぐに頭を切り替える。



取り敢えずこれで最高の人生を送れることだろう。



転生は失敗に終わってしまったが、これはこれでいいのでは無いか。



いや、寧ろ転生後にこんな好き勝手自分を作り変えるなんて、何と素晴らしいことか。




よし、張り切って取り組もうか。



まずは外見から変更していく。



勿論、目指すは高身長イケメンだ。



身長が低いことを気にしているわけではない。


断じてないのだ。


さながらイケメン俳優のような完璧な外見にしてやる。


男臭いイケメンじゃなくて、中性的なイケメンを目指す。


別に元がどうだったと言うわけではない。



そこそこ普通の見た目だったはずだ。



...たぶん。



早速外見を弄っていくが、ふと疑問が浮かぶ。



このキャラ設定はどうやって反映されるのか、いきなり変わってしまったら、整形疑惑どころの騒ぎではないだろう。



....わからん。



考えるのはあまり得意じゃない。



なるようになってしまえ。



俺はもう余計なことは考えず、自分の思う最高の外見に自分を近づけていく。



暫くすれば、そこにはイケメンが存在した。

いや、ただのイメージでの姿だが。



...これが死んだ後の妄想だったらひどく滑稽だろう。



そういうことは考えないようにしよう。



自分的に完璧な外見に仕上がったところで本題である。





【スキル】





それは、この世界の全ての人間が産まれながらに持っている先天的な異能力。



この世界は転生前の世界にファンタジー要素を詰め込んだ形で、現代と遜色ない技術力が存在する。



とはいえ、異世界要素も存分に詰まっており、様々な人種が存在し、人間と同じように生活している。



人族には獣人やエルフなどといったもの、魔族には亜人や魔物といった人族の敵まで存在する。



人族の中でも俺たち、"スキル持ち"と呼ばれる者たちは前世の人間と同じ外見をしている。



"スキル持ち"の者たちは【スキル】を駆使して職を得たり、魔族から身を守ったりする。



スキルには大きく分けて【戦闘スキル】【生活スキル】の二種類が存在する。



その名の通り、【戦闘スキル】には戦闘に役立つ【スキル】が、【生活スキル】には生活に役立つ【スキル】が、それぞれカテゴリ分けされている。



また、魔物などという不思議生物が存在するこの世界では、【生活スキル】よりも【戦闘スキル】の方が重宝され、社会的にも上の存在である。



俺は【生活スキル】持ちだった。



それもありふれたスキル【思考加速】というもの一つのみで、ちょっとだけ頭の回転が速くなるスキルである。



【スキル】は中学卒業の日に知らされる。



俺は今日知った。


つまり、今日は卒業日。



今日知って今日自殺するなんて、実行力の塊だと思うかも知れないが、俺は二回目の自殺だ。



そこに特別な覚悟は存在しなかった。



そんなことを思いつつ、【スキル】をチェックしていく。



勿論狙うは【戦闘スキル】。



【剣術】や【格闘術】、【火魔法】や【闇魔法】など様々である。



【戦闘スキル】の中でも特に、【魔法スキル】は貴重な【スキル】であり、俺もそれを取得したい。



また、【剣術】などのスキル持ちは不遇とされていたのだが、つい最近【剣術】持ちの"四桁越え"が現れた為、期待が集まっている。



"四桁越え"とはそのままの意味で、"ランク"が千を超えた者のことを指す。


"ランク"というものは所謂この世界の身分の様な者で"ランカー"と呼ばれる人間それぞれが持つ、格のようなものである。



平均的なランクは200から300程であるのだが、稀に四桁越えの化け物ランカーが存在するのだ。



雲の上の存在とであり、子供達のヒーローである。



男の子はみんな、将来の夢は"四桁越え"である。



俺もそうだった。



いや、そうなってやる。



"四桁越え"の持っている【スキル】の殆どが【魔法スキル】である。



これを鑑みても、狙うのは【魔法スキル】一択だろう。



実は、どの【魔法スキル】を取得するか心に決めている。



一応、どんな【魔法スキル】が存在するのか、ざっと目を通してみる。





【強化魔法】【念動魔法】【治癒魔法】

【光魔法】【風魔法】【土魔法】

【水魔法】【火魔法】【闇魔法】

【氷魔法】【雷魔法】【木魔法】

【召喚魔法】【時空魔法】【封印魔法】





うん?初めて見る【魔法スキル】が存在する。



【召喚魔法】【時空魔法】【封印魔法】の3つは教科書にも載っていない【魔法スキル】だ。



これは取るしかないだろう。



そもそもどんな【スキル】だろうか。



まずは【召喚魔法】を選択する。





『召喚魔法を取得しました』





え?



俺はてっきり説明が見れると思って選択してみたのだが、確認もなく取得してしまった。



そういえば外見を設定した際にも確認画面は現れなかった気がする。



得体の知れない【スキル】を取ってしまったことを後悔するがスキル取得画面は開いたままである。



もしかしてと、俺はステータス画面を確認する。

そこにはさっき設定したイケメンとステータス、そして、取得スキルには【思考加速】【召喚魔法】

の二つが存在していた。



これは...チートってやつでは。



ふむ、片っぱしからスキルを選択してしまおう。



そう考えスキル取得画面に戻る。



ふと、学校での先生の言葉が頭によぎる。





「過去に【スキル】を20程持っていた者がいました。

しかし、その全ての【スキル】が気休め程度の能力に落ち着きました。

現在の平均的な保持スキル数は2から3です。

このことから【スキル】の量と質には何らかの関係性があるのではという意見もあるみたいです。」





つまり、スキルは少なければ少ないほど効果が高まり、多ければ多いほど薄まるということだろう。



今回の様なイレギュラーがその枠に収まるのかどうかはさて置き、あまりむやみやたらに取得すべきではないのかもしれない。



【召喚魔法】なんて初めて見る【スキル】を取得してしまった手前、もう一つくらい間違いない【スキル】を取得すべきではないか。



そう結論付け【魔法スキル】の一番人気【風魔法】を選択しようして踏み止まる。



取得する【スキル】が2つとも【魔法スキル】でいいのだろうか。



他の【スキル】も見るべきではないか。



いや、もともと【風魔法】を取得する予定だったのだからあれこれ考えないで選択してしまおう。





『風魔法を取得しました』





よし、最後はステータス設定だ。



こういうのは勢いが大事だ。



ステータスを確認する。





御影繡(みかげぬい)

年齢 15 性別 男

身長 186cm 体重 64kg

取得スキル 【思考加速】【召喚魔法】【風魔法】

体力 39

知力 33

精神力 2

魔力 4





うん。



なんだろうこの不親切ステータス。



精神力たったの2かゴミめ。



精神力2なんてそりゃ二回も自殺するわな。



平均値がいまいちわからんのが痛い。



ただ俺は勉強も運動もそこそこできたし平均値は30くらいだろうと推測する。



最後の魔力ってのは魔法を使う為のものだろうか。

よくわからない。


うーん、悩ましい。



いっそ全部100で統一してしまおう。



低いよりはいいだろう。



よし、決めた。





御影繡(みかげぬい)

年齢 15 性別 男

身長 186cm 体重 64kg

取得スキル 【思考加速】【召喚魔法】【風魔法】

体力 120

知力 120

精神力 120

魔力 120





考えた結果こうなった。



高すぎてダメみたいなことにならないことを祈ろう。




意識が薄れていく。



『これで取得スキル選択を終了します』


そんな強弱のない音声が耳に届くのと同時、俺は意識を手放した。



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