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突入

「うっ…眩しい…って朝!?」

ルミナーレが起きたのはなんと朝だった。

つまり見張りを交代していないのだ。

「起きたか?」

焚き火の跡を間にして横にはザギィが居た。

「おこ…さなかったの?」

「あぁ。起こそうと思ったがお前が泣いてたもんだから起こさず俺がやった。」

「!!!!な…泣いてたの、私?ってか見たの?」

ルミナーレが顔を赤くする。

「あぁ、泣いてた。心配すんな。顔なんか見てねぇよ。声が聞こえただけだ。」

ザギィがぶっきらぼうに言う。

「ライヤナを起こせ。行くぞ。」

「うん。」

ルミナーレはライヤナの方へ行き

「ライヤナ、行くよ。起きて。」

「うぅん…。ママ…」

「!!」

ライヤナが寝言を言いながらルミナーレの服の裾を掴んだ。

それにルミナーレが反応する。

「ぅん…?あれ?ルミナーレお姉ちゃん?」

ライヤナが起きた。

しかしルミナーレは固まっている。

ゴツッ

「痛ッ!」

固まっているルミナーレの頭をザギィが刀の柄で叩いた。

「行くぞ。」

「あ…うん。」

ルミナーレがライヤナに背中を向けるとライヤナはルミナーレに乗っかった。


「後どれくらいだ?」

走りながらザギィはルミナーレに聞く。

「後…少しだと思う。森が開けたら屋敷だよ。」

ルミナーレの声が濁っている。

しかしザギィはそれを気にしないでいた。



「待って。」

「何だ?」

森が開けるまで後少しというところでルミナーレが止めた。

「……!?居る!一人、二人、……ごっ五百人以上!?」

「なっ何だと!?」

ルミナーレが精神を集中させ敵の数を読んだ。

「何で?まるで…ティーグレが…全員居るみたい…。」

ルミナーレは目を見開いた。

「これじゃぁ…ライヤナを届けられない。策を他に考えるしか……!!分かった!」

「何か思いついたのか?」

ルミナーレが何かに気付いたように手を叩いた。

「ザギィ。ザギィは正面突破よ。敵がそれに釣られて居なくなるのを見計らって、私達は屋敷内に入る。」

「俺だけって…すぐバレるんじゃねぇか?」

「大丈夫。分身を付けとくから。」

さっきの声はどこへいったのやら、ルミナーレの声は通っていた。

「分かった。だが、いいか、ルミナーレ。お前はルミナーレだ。ルミナーレ・ビジュ以外の何でもない。お前は殺し屋だ。分かったな?」

「……大丈夫!私は私。ルミナーレだよ。ルミナーレ以外の何でもないよ!」

少し間を開けてからにこりと笑いルミナーレはガッツポーズをした。

「じゃ、」

「幸運を祈る。」

そう言って二手に分かれた。




「ルミナーレみたいに情報収集するのは面倒だな。……やっぱり強行突破に限るな。」

ザギィはニッと笑い、門を目掛けて走っていった。



「…!敵を確認!!あれは…『鬼神のザギィ』と『黒猫のルミナーレ』、それにトゥロンバの娘です!!」

ザギィとルミナーレの分身を見つけた敵の一人がトランシーバーを使って誰かに情報を伝えた。

そして何かを聴くと警報を鳴らした。

《ファミリー全員へ告げる。『鬼神のザギィ』、『黒猫のルミナーレ』、トゥロンバの娘と思われる三人組みが前門へ向かってきている。手が空いているものはすぐに前門へ集合し、奴らを捕らえろ。トゥロンバの娘は傷つけるな。》

屋敷中に放送が流れる。

ザギィはだんだんと嬉しくなってきた。

久々に回りを気にせず暴れられるのだ。

いつもは自分の背中をルミナーレに預けて前だけの敵と戦っているから、ちょっと不満だったのだ。でも今回はザギィ一人。居たとしてもルミナーレの分身。こんなダミー、すぐにバレてしまう。

つまり、ザギィは一人同然なのだ。



「ザギィ…上手くやったみたいね。じゃぁ行くよ、ライヤナ。」

ライヤナは縦に首を振って答えた。

ルミナーレはライヤナを背負いながら屋敷内へ入った。

「ライヤナ、お父さんの居る所、分かる?」

「うーんと…もう一つ先の角を右に曲がった一番奥の部屋。」

「分かった。じゃ、これから先は一言も喋らないでね。見つかるから。」

ライヤナはまた首を縦に振り、答えた。

ドタバタドタバタ

「前門だ!前門へ急げ!!」

敵の急ぐ足跡と声が聞こえた。

ルミナーレは物陰に隠れ足音が止むまで待った。

サッ

聞こえなくなるとルミナーレは立ち上がり先を急いだ。


ついに突入です!

次回は、ルミナーレの戦い前半です。

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