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現実

 「まだか!?」

 二人は娘を追って廃墟となった建物のザギィは間をルミナーレは上を走っていた。

 「まだまだ。さすがにマフィアの娘だけあって結構速いよ。ザギィはこのまま走って!私は先に行って前から攻める。ザギィは後ろからお願い!」

 「挟み撃ちだな!?」

 「うん!じゃ、よろしく!!」

 ビュン

 ルミナーレは音を立てて建物の上を走った。

 やはり忍者の足はとても速い。

 (そんなに遠いのかよ。)

 ザギィはそう思い速度を上げた。

 


 ハァハァハァ……

 「どうしよう…戦わなきゃ…かな?」

 「戦ってもあんたに勝ち目はないね。」

 「だれ!?」

 上から聞こえた声に驚き、銃口を向けた。

 「あらあら、威勢の言いお嬢様だこと。でもそんなことしても私には敵わないわよ。」

 「うるさい!!!」

 娘は今にも泣きそうな目をしてルミナーレに反抗した。

 「あなたにわかるもんか!この…パパや家族全員に裏切られた気持ちは!!」

 「え…?」

 「おい!」

 そこへザギィが追いついた。

 「俺達はお前の敵じゃねぇ!テネブラの者だ!」

 娘がまだ疑っているのでテネブラのバッチを取り出すと娘は驚いた。

 

 「ごっごめんなさい!貴方方がテネブラの方だとは知らなくて…本当にごめんなさい!」

 娘は謝罪した。

 「いやいや、いいって。私はルミナーレ。ルミナーレ・ビジュ。で、こっちの仏頂面がザギィ・フェンデレ。よろしくね。」

 「あたしの名前はライヤナ・トゥロンバです。こちらこそよろしくお願いします。」

 娘はペコッとお辞儀した。

 


 この娘はライヤナ・トゥロンバ。その名の通り、トゥロンバファミリーのボスの娘だ。

 実際に見てみると凄く幼く、本人はまだ八歳だという。ザギィは十八歳くらいで、ルミナーレは十八歳だから二人から見ると十歳も年下になる。

 金髪の髪の毛やピンクのワンピースには所々汚れたところなどがあり、きっと今まで色々なヤツに追われていたのだろう。

 まだ八歳というのに可哀相だ。

 しかし、それがこの裏社会とも言える。

 


 「行くぞ。時間を無駄にするな。」

 「うん。」

 ザギィに言われルミナーレは立ち上がった。

 「行くって…どこに?」

 「そりゃ、トゥロンバに決まってるでしょ。」

 「やだ!!やだ!!やだ!!あたしパパのところ行きたくない!パパはあたしの事嫌いなんだから!!!」

 行き先を聞いたライヤナは地団太を踏んだ。

 「ちっ…これだからガキは。」

 確かにライヤナとザギィ達は十歳くらい違う。八歳のライヤナにこの状況は、把握できないのであろう。

 「…だ」

 ルミナーレが何かつぶやいた。

 「ん?」

 地団太を踏んでいたライヤナがルミナーレの言葉に反応した。

 「嘘だ、そんなの。いいか、今トゥロンバは何者かに狙われている。だからお前の父親は危険な目に合わせないために、お前を無理にでも外へ出したんだ。」

 ルミナーレの顔つきが変わった。

 「ウソよ。パパは本当にあたしの事……」

 ライヤナは必死に否定する。

 「あんた、反抗しなかった?」

 「なっ!何でそれを…!?」

 事実を言われライヤナは驚いた。

 「なら、それは本心じゃない。実の子供を嫌う親なんていない。」

ルミナーレはまるで自分のことを言うように言った。

 「…で…も…」

 「なら、騙されたと思って俺達とこい。そこで、自分の目で確かめればいい。」

 ザギィはまだ疑うライヤナに言った。

 

 トン

 ザギィはルミナーレの肩を叩いた。

 「過去を引きずるな。お前は殺し屋だ。カリネ・ムリネッロ。」

 ザギィはライヤナに聞こえないくらいの声で言った。

 「!!それは言わないはずじゃない?」

 ルミナーレはザギィに殺気を向けた。

 「要するに、さっきのお前は過去を引きずってたってことだ。そんなことしてたら…死ぬぞ。」

 「…………ごめん。」

 ルミナーレはザギィに真実を言われ謝った。

 

 「それじゃ、行くぞ。」

 「うん。…って待って!」

 早く戦いたいザギィをルミナーレが止めた。

 「私とザギィだけなら長年コンビを組んでるからいいけど、今回はライヤナもいる。だから策を立てなきゃ。」

 ルミナーレはニカッと笑った。

 

 「いい?まずはライヤナを届けるのが先。」

 「先?先って何だ。俺達の任務はそこまでだぞ。」

 ルミナーレの言葉にザギィが釘を差した。

 「何言ってんの。ライヤナを届けても敵がそれで収まるはずない。だから、ライヤナを届けたら私とザギィは敵を倒しにいく。」

 「……戦えるんだな。」

 ザギィの言葉にルミナーレは頷き、話を再開した。

 「敵はたぶんティーグレ。あそこは目を付けた獲物は決して逃がさない。だからライヤナを届けても油断は禁物。まぁまずはライヤナね。」

 ルミナーレはそういって立ち上がった。

 

 「で、どうする?」

 「は?何がだ?」

 ルミナーレの変な質問にザギィは首を傾げる。

 「ライヤナのこと。どっちが背負う?」

 それぐらい分かって。とルミナーレは付け足した。

 「そりゃ、お前だろ。ガキのお守りは性に合わん。」

 分かってんだろ。とザギィが言い返す。

 「はいはい。じゃぁライヤナ、私の背中に乗って。それと敵と遭遇したら私は戦うために手を離すけどちゃんとくっついててね。」

 ルミナーレはそう言うとライヤナを背負った。

まだまだ続きます!

ルミナーレの過去はもうちょっと、先……

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