プロローグ
少年達は過去を捨てなければならない。
でも思い出してしまう。
何故って、彼らだって人間だからだ。
マフィア ―強さと足跡―
―室内―
「ザギィ様。ボスからお手紙です。」
黒いサングラスをかけた男が、灰色の髪の少年に話し掛けた。
「ああ。」
ザギィと呼ばれた少年は手紙を受け取り、自分のソファーに座った。
そしてその手紙を開けて、読んだ。
「ふーん。こりゃ、楽しくなりそうだ。」
少年は口をゆがませ、微笑んだ。
この世界、グローボワールドは、我々の世界とあまり変わりはなかった。
変わっているのは、歴史のみ。
と言ってもそんな大げさには変わっていない。
ここはイタリーノ。そして彼は、マフィアだった。
彼の名は、ザギィ・フェンデレ。テネブラファミリーの一人だった。
テネブラファミリーとは、マフィア界で最強と謳われているマフィア組織で、ザギィはその幹部である。
そして彼は剣術を得意とし、ついたもう一つの名前は『鬼神のザギィ』。
そんな彼は今、ファミリーのボスから指令を受けた。
内容は“トゥロンバファミリーのボスの娘を捜し、送り届けろ”というもの。
トゥロンバファミリーとは、テネブラファミリーと同盟を組んでいるマフィア組織であり、力はあまり大きくない。
そしてこの頃、トゥロンバファミリーは何者かに狙われていた。
敵は誰だか分からない。つまり敵の情報はゼロ。
ザギィは、命の危機にあたるのが好きだ。
そのスリルを感じるのが大好きなのだ。
だから今ザギィは、内心うきうきしていた。
読んでいただき、ありがとうございます!
次回、ヒロインルミナーレ登場!!