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閑話:畏れられる子供
朝の淡い日の光が、窓から差し込んできた。
男の子はすぐに目を覚ます。周りの子供たちは、まだ眠っていた。
自分が近くに居ると、起きた時に怖がる。男の子は毎日、他の子供たちが起きていないうちにその場から離れ、朝の準備をしていた。
「……リュウ君? まだ寝てていいのよ……?」
そっと男の子――リュウに声をかける女性。彼女は、ここにいる子供たちの「母親」であり「父親」であり「世話係」であった。
彼女の言葉に、首を振る男の子。
「……僕がいると、皆起きた時五月蠅いから」
「そんなこと言っちゃ……」
「阿鼻叫喚、だよ。 悪魔がいるー!って」
リュウが笑いながら言ったことを聞いて、女性は眉を下げた。
―――そんな暗い顔で笑っても、だめよ。
しかし、女性には、彼の顔を明るくさせる術が無い。そのことを歯がゆく思っていた。
―――誰か、リュウ君と似たような人が来れば……
魔力というべきか、しかしこの世界に「魔力」と呼ばれるものは存在しない。リュウには、そこにいるだけで近寄りがたい何かを発している。その「何か」を子供たちは敏感に感じ取り、リュウを怖がっている。
同じ「何か」を持つ人が来れば。そう女性は願い続けていた。
女性が願う人は、もうすぐやって来る。そのことをまだ、誰も知らない。




