1:何は盲目?
今回、短めです。
焼き鳥で腹を満たしたところで、二人はこれからの相談をする。
「……まず、お金を稼がないと。 いつまでも占い師がくれたのが持つわけでもないし」
「私は、ちゃんとしたお肉が食べたいなあ……」
ムーシャは、焼き鳥の正体を知って落ち込み気味だ。……あの肉は、蛙と鳥が合体したような、化け物の肉だったのである。店主がおどろおどろしく話すものだから、震えあがって叫んでしまった。
ムーシャが第二位世界で見ていた化け物は、第一位世界では食用になっている。……ケルベロスは食わないだろうが。この世界では普通の牛や鶏もいるので、ムーシャはそれを食べたいと思っている。
……しかし現実は厳しい。
「ムーシャ、言ったでしょ。 ……鶏は貴族の食べ物なんだって」
「……うわああん!」
ムーシャはリゼリアの一言で完全に沈没した。
「……牛も豚も」
リゼリアは残酷にも追い打ちをかけた。
異世界と言えば冒険者ギルドなどといわれる。しかし、第一位世界は、特に洞窟やダンジョンがあるわけでもなく、至って平和らしい。
子供はアルバイトをして金を稼ぐ。
そういう訳で、二人はアルバイトを募集しているところに来た。……ムーシャが全く動かなかったので、リゼリアが引っ張って来た。
「牛ぃ……鳥ぃ……豚肉ぅ……」
「はいはい。 貴族にでもなりなさいな」
「決めた! 絶対貴族になる! もしくは、そんな伝統ぶち壊してやるう!」
後半部分はかなりまずい内容なので、リゼリアが口を塞いだ。
「ふがぁ……」
「……で、ムーシャ、何がいい?」
アルバイトの広告を指して尋ねると。
「……報酬が肉。 ちゃんとしたの」
食べ物の恨みは恐ろしい。そういえばムーシャは家庭部で、料理にうるさかった。
リゼリアはため息をつき、一応探してみると、なんと牛肉が報酬のアルバイトがあった。
「肉の端切れもらえるだけだけど……」
ムーシャはとたんにやる気になった。
恋は盲目、じゃなくて食欲は盲目だな……とリゼリアは思ったのだった。
恋ではございません。食欲です。食べ物の恨みは恐ろしいのです。
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☆牛の捕獲☆
バイト内容;牧場の牛が10頭逃げてしまったので探しています。牛の捜索と捕獲をバイトの方に依頼しています。
報酬;牛肉の切り落とし。全て捕獲したら報酬を渡します。
場所;北の森です!ご注意を!
依頼主;国営牧場牧場主サラド




