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30分小説

裏切り

作者: 雨月 嶽

手のひらから血が流れだす……

当然だ。

僕の手のひらには一本のナイフが刺さっている。

ナイフが抜かれ、血が派手に飛び散る

「今度は外さない」

そんな声が聞こえて、何者かが体にぶつかる。

腹が熱い。

見るとナイフが腹に刺さっている。

……痛い

心臓の音がやけに大きく聞こえてくる。

体から、離れる。

必然的に僕の体は傾いで、仰向けに倒れる。

「まだ生きているの」

声で相手が女性であることが分かる。

どこかで聞いたような声だ。

けれども逆光で顔が見えない。

「あなたのせいで私は……」

どうやら彼女は僕のことを知っているらしい。

体の痛みは当に麻痺してしまったみたいだ。

「お、お前は一体……」

口の中の血が邪魔でうまく言葉がつむげない。

体を起こそうとするが、うまくいかない。

懸命に地に手を付くが、体を支えられない。

「いい気味ね」

彼女は僕を見下ろして、笑っているようだ。

「痛い?痛いわよねぇ。でも私が受けた痛みはこんなもんじゃないのよ」

何の話だ?

彼女は僕の何だったんだ?

思い出せない?

分からない?

意識がだんだん薄れていく。

そのとき、彼女の顔が見えた。

死に行く僕のことをうれしそうに眺めている彼女。

最後に見た彼女の言葉で僕はすべてを悟った。

そのとき、僕の視界は暗転した。


う・ら・ぎ・り・も・の


僕は意識を覚醒させた。

「夢?」

何かとても恐ろしい夢を見ていた気がする。

一体あれはなんだったのか?

思い出せない、思い出したくない。

それにしてもここは一体どこなんだ?

なぜ、こんな所に……

「起きたんだ」

声が聞こえる。

目の前の扉が開く。

誰か人が入ってきたようだ。

そちらに目を向ける。

あれ?

同じ事をどこかでしたような……

人影がこちらに近づき、顔がさらされる。

僕は恐怖に顔を歪ませ、とっさに手をかざす。

手のひらに鋭い痛みが走る。

そのまま、相手は顔を上げささやく。


う・ら・ぎ・り・も・の


そういった彼女は昔僕が殺した婚約者だった。



私は、彼女(画面の向こうの)に振られたとき、(ゲーム会社に)裏切られたと思うかな~


でわ

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