テーマパークでは、まず声を出すべし!
テーマパークでは、まず声を出すべし!
国民性なのだろうか、アメリカの人は乗り物ではまず声を出す。
それが絶叫にしろ、喜びにしろ、実に楽し気に声をあげるのである。
郷に入ればなんとやら、アザとーもテーマパークで乗り物に乗ると楽しげな絶叫をあげることにしている。
実はこれ、恐怖や緊張を取り除くには効果的なようで……
今回のベストオブ絶叫は、ミニオンズのマシンで同じライドの前の座席に座っていたお父さん。まだ小さい女の子二人を連れた若いお父さんだったのだが、これが実に感情豊かに叫ぶ。
ライドタイプの乗り物でおきまりの演出といえば、高所から叩き落とされて一気に地面に向かって真っ逆さま!というものなのだが、ここでお父さん大絶叫!
「ウーオオオオオオオ! ノー! ノー! ストーップ! ノウ! オーマイゴーッド!」
それが実に大げさで楽しそう!
園内を歩き回ればジェットコースターのレール音とともに「きゃああああぁぁぁぁぁぁぁ」と、楽しそうな悲鳴が長く尾を引く。
小さな子供を遊ばせるスポットでは、必ずどの子かが「だっど!」と可愛らしい声で親を呼んでいる。
こうした心地よい喧騒こそがまさに『遊園地』なのだと実感するのである。
言葉は違えど、国は違えど、人間の感情なんてものに大きな差があるじゃなし、『楽しい』という感情は万国共通なのだ。
そして、感情は伝染する。
アザとーも、ついうっかり、普段なら出さないようなはしゃぎ声を出してしまう。
何しろ今回、アザとーが一番楽しみにしていたのは『トランスフォーマー』で、アザとーはちょっと無機質萌えする性質なので、こう……いろんな方向に盛り上がっちゃったのである。
ちなみに、英語がわかんないんだから、セリフなどは一切わからない。それでもオプティマスさんの心意気は伝わったから問題ない!
かいつまんで言うと、デストロンとサイバトロンの戦いに巻き込まれて、戦地から脱出するショートストーリーである。もちろんライドにつきものの派手に揺すられたり、高所から落下して地上すれすれで助けられる演出も盛り込まれていて、それだけでも思わず声が出る。
それに加えて、目の前に迫る勢いの3D映像で映し出されるトランスフォーマーたちがイケメン過ぎて……。
「やばいっ! やばいっ! とうと……んぐっ」
何を叫びかけたのかは、隣に座っている娘にすぐバレたようで……あとから「そういう日本文化を流出させるな!」と説教されました。
そうっすね、声を出して楽しむことはいいことだ、けど、叫ぶ言葉は選ぶべきですね(反省の色なし)。
とりあえず、テーマパークという言語の壁があまり存在しない環境を選んだおかげで、今回の旅は順調な滑り出しとなったわけなのです。




