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アザとー一家 道中記  作者: アザとー
ふぁいなるっ!
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1

さて、時の流れというのは早いもので、最初の珍道中の時には小さな子供だった娘が今年、高校を卒業した。彼女は就職組であるのだから、今春からは社会人一年生だ。

いわば子供たちが独り立ちしたということで、きっと家族そろっての旅行の機械もなくなることだろう。

だからアザとー一家の珍道中はこれがファイナル。

さて

最初の旅から六年……この六年の間に、私は父の死という大きな試練を与えられた。それも珍道中の最中に。

父の訃報を聞いたのはアメリカの地で、頼りないWi-Fi回線を伝ってのことだった。あの時、一刻も早く父のもとに駆け付けたかった私の気持ちを押しとどめたのは海を越えて十時間という距離と、母の言葉だった。


――あのお父さんが自分の葬式を子供より優先するわけないでしょ。供養だと思うなら、子供たちをしっかり楽しませてきなさい。


私は結局、父の死に顔を見ていない。

帰国すると父はすでに小さな骨壺になった後だった。

その後数年、アメリカへの旅行自体が私の中で大きなトラウマとなっていたのだが、もういい加減ふっきってもいいでしょってことで。

つまりこれはヒキコモゴモ波乱混乱大混乱の六年間の集大成!

この六年の間に子供たちは大きく育った。特に末っ子の娘など、この旅行記を始めたときには引っ込み思案で人見知りであったのに、今ではめっちゃクソ度胸があって対人スキルも高い一人前の大人に成長した。

ああ、まあ、普段が引きこもりのお兄ちゃんは、ほら、それなりに……ね?


逆に衰えが見え始めたのはダンナである。こちらはわがままと無知ばかりが成長し、最近は年によるおボケも加速して、年々子供返りがひどくなっているのである。


つまりだ、子供たちに手がかからなくなった分、旦那に手がかかるようになった今日この頃……こんなん、また珍道中なの必至でしょ?

アザとー一家道中記~ふぁいなる!~始めちゃうよ~!



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