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自業自得の解雇
瑠々は戸惑っていた
この異様なキスに
そんな事は関係ないほどの
美形な顔立ちの
ヴィーダルに
惹かれていく瑠々
見とれていると
見とれていると、
視線が合った。
低い声が、問いかける。
答えは出ない。
それでも、惹かれている。
一歩引いて、理解する。
恋じゃない、と。
なのに、
余韻だけが残った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
会社は、大騒ぎになっていた。
非常ベルを押したからだ。
警報音が止まらない。
赤いランプが、無意味に回り続けている。
瑠々は、いつの間にか
見慣れた廊下に立っていた。
さっきまで感じていた、
異世界の気配は消えている。
湿った空気。
安っぽい蛍光灯の光。
戻ってきた。
周囲の視線が、一斉に刺さる。
誰も理由を知らない。
ただ、原因が彼女だと分かるだけ。
「……こちらへ」
短い指示。
肩に触れられ、現実を思い知らされる。
事情説明。
確認。
形式的な言葉の応酬。
その場で告げられた。
瑠々は、
会社を解雇になった。
異世界よりも、
この現実の方が、ずっと冷たかった。




