表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

男女の区別はキスで確かめる

瑠々は、

目を閉じて、

手を合わせていた。


戦場の跡地で。

血の匂いが残る場所で。


「……お願いします」


その声は、

静かだった。


ヴィーダルは、

枝の上から、それを見ていた。


祈りに慣れていない。

どう返せばいいのかも分からない。


だから、

考えるのをやめた。


音もなく地に降り、

瑠々の前に立つ。


彼女は気づかない。

目を閉じたまま、

まだ祈っている。


一歩、近づく。


そして、

何の前触れもなく。


ヴィーダルは、

瑠々の唇を奪った。



瑠々は、立ち尽くした。


何年ぶりだろう。


六年。

……いや、もっと前かもしれない。


仕事が忙しくて。

キャリアを積むことに必死で。


恋愛は、

後回しにしていたわけでも、

捨てたわけでもない。


ただ、

生活の中に入らなかった。


気づいたら、

しなくなっていただけだ。


それなのに。


異世界で。

神だと言う男に。


キス。


意味が分からない。

状況も、理由も。


そもそも、

恋愛として処理していいのかも分からない。


これは、

久しぶりのときめきなのか。

それとも、

単に身体が驚いているだけなのか。


分からない。


分からないまま、

心臓だけが、

やけに正直に動いている。


——なんで、今。


——なんで、ここで。


問いは浮かぶのに、

答えは出ない。


瑠々は、

ただ立ち尽くしたまま、

その感覚を、

どう扱えばいいのか分からずにいた。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



これは、人間だ。


ここまでは、分かる。


だが、

男か女かまでは、

ヴィーダルには判断がつかなかった。


人間の性別は、

神にとって重要ではない。

戦場では、

区別する必要もなかった。


けれど、

今は戦後だ。


呼吸が、近い。


祈っている人間の呼吸は、

少し乱れていて、

感情に引きずられている。


だが、それだけでは足りない。


——確かめるか。


一番、早い方法で。


ヴィーダルは、

考えるより先に動いた。


距離を詰め、

その唇に、

自分の唇を重ねる。


一瞬。


触れた瞬間、

分かる。


反応の仕方。

身体の強張り。

息の乱れ方。


——ああ。


これは、

女だ。


確認は、

それで終わった。


意味を持たせる必要はない。

行為は、

ただの判別手段だ。


ヴィーダルは、

静かに距離を取る。


その場に残った人間が、

どう受け取るかまでは、

考えていなかった。




連載始まったばかりですが、すみません、少しストップします、今シリーズ物を書いていて、そのシリーズ2が、完結したら、こちらも徐々に進めていきたいと思います。

よろしければ、そちらのシリーズ物も恋愛が含まれてますので、読んでみて下さい(*^^*)

なろう小説のトップページから

トラ神で検索してください(*´ω`*)

ローファンタジーで、神様と人の成長と恋愛を書いてます一気読みおすすめです(*^^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ