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ほろ酔い留学記

ホットケーキミックスを用いた古早味蛋糕

作者: 大浜 英彰
掲載日:2025/12/06

挿絵の画像を作成する際には「Ainova AI」と「AIイラストくん」を使用させて頂きました。

 それはある日の大学の帰り道の事だったの。

挿絵(By みてみん)

王美竜(ワン・メイロン)さんったら、台湾カステラを売っているキッチンカーの事が気になってたでしょ?横を通る時に何度もチラ見してさ。やっぱり故郷の味には惹かれるのかな?」

 そう指摘するゼミ友の口元には、得意気な微笑が浮かんでいたんだ。

挿絵(By みてみん)

「やっぱり蒲生さんには分かっちゃうか…地元じゃ『古早味蛋糕グーザオウェイシエンカオタンガオ』って言うんだけど、夜市でよく食べたもんだよ。とはいえ夜市で買うよりも割高だから手が出なくてね。かと言って自分で作るのも手間だし…」

 何しろ台湾の夜市なら、同じ金額で日本のキッチンカーの倍の量を買えるんだから。

 台湾では気安く食べていた古早味蛋糕グーザオウェイシエンカオタンガオなのに、日本だと海外スイーツとして希少価値が付けられているんだから、何とも変な感じだよ。

「そうでもないよ、美竜さん。台湾カステラってホットケーキミックスで簡単に作れるらしいよ。炊飯器を使えば更に楽になるらしいし。」

「えっ!それって本当、蒲生さん?」

 手作りなら安上がりだし、炊飯器ならオーブンに比べて遥かに手軽だからね。


 ネットのレシピサイトを参考に試してみたんだけど、驚く程に簡単だったの。

挿絵(By みてみん)

「卵にサラダ油に牛乳に砂糖、そしてホットケーキミックスか…これだけで出来るのかな。」

 何しろ私がやった事と言えば、レンジで加熱した材料を混ぜて炊飯器で炊いただけなのだからね。

「ははあ、見事に円柱型だね。問題は味なんだけど…」

 炊き上がった黄色い円柱を切り分け、私は恐る恐る口に運んだんだ。

すると…

「成る程、こう仕上がるんだ…」

 最初に感じたのは、シットリしたフカフカ感だったの。

 夜市で食べた古早味蛋糕グーザオウェイシエンカオタンガオの蕩けるような食感とは違うけれど、これはこれで捨て難い良さがあるね。

「えっ、甘い…」

 そして次に感じたのは、砂糖や香料のしっかりした甘味だったね。

 材料が材料だから当然だけど、ホットケーキによく似ていたんだ。

 夜市の古早味蛋糕グーザオウェイシエンカオタンガオは薄力粉を使っていたから、もっと卵の風味が効いてて素朴な味だったよ。

「本式の古早味蛋糕グーザオウェイシエンカオタンガオとは少し違うけど…雰囲気は良い感じだし、何より簡単に作れるのが有り難いね。」

 細かい違いはあるけど、「古早味蛋糕グーザオウェイシエンカオタンガオっぽい台湾カステラ」として日本で食べるなら普通に有りって具合だよ。

 今度の留学生同士の集まりに持っていったら、お国自慢にもなりそうだね。

 とは言え他国の子達に、「古早味蛋糕グーザオウェイシエンカオタンガオはこういう食べ物なんだ。」って先入観を持たれちゃったら、それはそれで複雑だけど…

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― 新着の感想 ―
拝読させていただきました。 台湾カステラ、いろいろなところで見受けますが、食したことはないです。 他国に導入されるとアレンジされるものかもしれません。 カリフォルニアロールとかもそうですしね。
台湾カステラ、業務スーパーで買ったことあります。 ま~た珍妙なもの買ってきたって変な顔されたけど。 おいしかったんで、評判良かったですねぇ。 ホットケーキミックスで作る味じゃ無かった?(^_^; 近…
するりとレシピの存在を口にする蒲生さん。蒲生さん自身も「台湾」の文字を見ると、友人の故郷だと気になってしまうのかもしれませんね。 少し違うけれど、美竜さんにとってはこれはこれで思い出の味になったのかな…
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