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GUEST:5
いかんせん、ぼんやりとした存在であることは…否めません。
記録として残すことができない…、そういう仕様に生まれついてしまったのだからどうしようもない。
解ってはいるのですが、自分の不遇を呪いたくなることも多々ございます。
記憶をたどり、私の姿をふり返っていただく…それしか相まみえる事はできませんのでね。
朧気な私の姿を思い浮かべているうちに、全てがふわりと消えてしまう事も珍しくはございませんし。
ただ…脆弱であるからこそ、ご自身で補完し、良いものに変える事もできるのだとは思っております。
私を追い求め、新しい物語を紡ぐ方も少なくないと伺っておりますので。
…あ、申し遅れました。
私、夢というものでございます。