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GUEST:1
本日の湯も、大変心地の良いものでした。
沸騰する湯というのは、実に癒されるものです。
コトコト、ブクブクと揺れる湯に身を任せ柔らかくなってゆく時、私はこの上ない至福を感じるのです。
色白で味気ないこの身に、海や山の幸の面影、調味料などが染み込んでゆく…贅沢な事です。
この身をそのままお求めになる方との邂逅も、楽しみにしております。
すり下ろされるのは少々刺激的ですが、素材の上にほんわり乗せられたり、出汁の効いたつゆに混じるのは実に気分が良いのです。
漬けていただく際は、己の矜持を忘れぬよう心がけております。パリパリとした心地の良い咀嚼音が自慢ですので。
…あ、申し遅れました。
私、大根というものでございます。