「追求」
「それは間違っている!」「そんなものはおかしい!」と言う人はよく居ると思う。そういう発言をすること自体は全く否定しないが、では「何故間違っているのか、おかしいと感じるのか」を追求する人はあまり多くないように感じる。
大抵は感情に任せて怒り狂っているだけで大した根拠も持たない。大抵のものはある側面では間違っているしおかしいかもしれないが、またある側面では正しいものだ。この世の物に善悪どちらかで「100対0」なんてものは存在しない。そんな簡単な事実にも気づけない者のなんと多いことか、はっきり言うとそんなやつは全員端から端までくたばってしまえばいいと思う。
少し例え話をしよう。私の家の近所に安い焼き鳥屋があるんだ。1本100円くらいで食べられるんだが、もちろん格別に美味いというわけも無く、まあ今のご時世で1本100円ならこの程度のクオリティだろうというレベルだ。そしてその店ではどうやら料理の提供が間に合っていないようで、不満のある70才程度の女性が店員に対して(あくまで私は冗談を言っていますよ)と言うように半笑いで「鶏肉でも買いに行ってんの?」としつこく店員に話しかけていた。店員は困惑していてなんと返事をすれば良いのか分からない様子で返事を濁してキッチンの方に帰って行く、こんな事が数回繰り返されているようだった。そしてその客にとっては焼き鳥のクオリティも低く感じたらしい、しょっちゅう「なんで待ったのにこんなに冷えてるんだ!」とか「美味しくない!」とか文句を言いながら食べていた。近くのテーブルにバッシングに来た店員に聞こえるように文句を言ったりしていた。そうしていると他のテーブルからもクレームが出始め、ようやくその客は店員を呼んで店員に声を荒らげて「なんでこんなにクオリティが低いんだ」みたいなクレームを言ってるようだった。ただ店員もその場をやり過ごすような返答しかしないもので、少しすると我慢の限界が来たのか「二度と来るもんか!最悪だ!」と客は怒って帰ってしまった。もちろん帰り際に、席に着くのを待つ客に伝えるように吐き捨ててだ。
まあそのような事があったのだが私としては何故そんなに怒れるのか不思議なもので、少しでも納得出来ない点があるのなら、わざわざ怒鳴り声を上げてキレるのでは無く静かに退店すればいいのではないのだろうか、そして二度と来店しなければ良いだけの話では無いだろうか。そもそも1本100円の焼き鳥屋にどのレベルの味のクオリティを求めているんだとも思うし、提供が遅いのも店員の少なさを見ればまあ仕方ないと思う程度だ。そもそも安い店なんだから店員がまともに受け答えしてくれるはずも無いだろうに。安い店っていうのは何かしらを犠牲に価格の低さを実現しているのだから、安い焼き鳥を食べに行ったのなら安い焼き鳥を味わうしかないんだよ。いいサービスが受けたいなら相応の金額を支払って相応の店に行けば良い、安い店に行っていいサービスが受けたいなんて傲慢極まりない。どれだけ甘えた環境で生きてきたらそんな思考になるんだろうなと、ほとほと呆れてしまった。
このように世間には利己的な偏った主張のみしか持たないものが多いように感じる。まるで駄々をこねればお菓子を買ってもらえる5歳児じゃないか。端から端までくたばってしまえ