Sランクダンジョン
次の日の朝、オレ達は冒険者ギルドに向かった。
封筒の手紙に書いてあった内容はこうだ。七宮龍牙、遠山来綺、篠原宏太、赤羽瑠璃、リリスの五名にSランク昇格の資格を与える、ついては明日の午前中にギルドへお越しいただきたい、と。
「Sランク昇格か、でもオレ達はまだCランク、リュウガはBランクだろ?」
オレ達は全員Sランク冒険者以上の実力を持っている。宏太の言うようにランクはまだまだだがその実力に見合ったランクをギルドは与えてくれると言うことなのか。
「まあ行けば分かる」
「そうだな」
そうこう話しているとギルドについた。中に入ると多くの冒険者から注目を集めた。まあ無理もないオレは創造神としてリリスは治癒神としてこの街で顔が知られている。それに来綺、瑠璃、宏太も総合トーナメントで目立っていた為、顔は知られていた。
「よう、エルナ」
「リュウガさんに皆さんもお待ちしていました」
ギルドの受付嬢、エルナと話したのちオレ達はギルドマスターであるアイクの所に連れていかれる。
「久しぶりだなリュウガよ」
「そこまで久しぶりでもないだろ」
アイクと会うのは前回の昇格試験の時以来、まだ一ヶ月も経っていない故、久しぶりではない。
「で、こんな手紙よこしてオレ達をとっととSランクに上げようってとこか?」
「その通り、お前達をいつまでも低ランクに止めさせるわけにはいかなくなった」
大体予想はしていたがアイクの言葉で確信した。明らかにCランク、Bランクの域を越えているオレ達をすぐにでもSランクに上げたいようだった。
「魔族襲来の時は随分と活躍したそうじゃないか」
「まあな、予想外の事が起きたが何とか死者はゼロにできたしな」
予想外の出来事、色々とあるがやはり一番読めなかったのはリリスが殺され治癒神として蘇った事だ。そして死んでしまった者達を蘇生魔法により生き返らせた事。
「リリスも聞いたぞ、治癒神になったそうだな」
「うん、私自身も驚いた」
「まあ、あの治癒能力ならいずれはそうなると思っていたがな……しかしこうもはやいとは」
アイクは前回の昇格試験の時にリリスの治癒能力を目の当たりにしている。その時に神職者になり得る可能性があると思っていたのだろう。
「宏太、瑠璃、来綺も総合トーナメントでは素晴らしい成績を上げたようだな」
「当然です、まあ手強い相手も何人かいましたが」
「ええ、ギリギリの戦いもありましたし」
「私は自分の強さを改めて確認できました」
来綺の言う手強い相手はおそらくルビオ、宏太の言うギリギリの戦いはおそらくリーナだろう。瑠璃もあの戦いで自分の強さを知れたようだ。
総合トーナメントの成績はオレが優勝、宏太が準優勝、瑠璃が三位、来綺はベスト8とアイクの言うように実にいい成績と言える。
「さっさと本題に入れ」
「ああ、お前達にはSランク冒険者になってもらう」
「確かこのギルド所属の冒険者にはSランクはいなかったな?」
「ああ、そうだ我がギルドには高ランク冒険は少ない」
ここルーベルクの冒険者ギルドにはSランク冒険者が一人もいない、それどころかAランク冒険者もまだ三人しかいないのだ。つまりオレ達がこのギルドで初めてのSランク冒険者になると言う事だ。
「で、何か試験があるのか?」
「ああ、お前達にはSランクダンジョンを攻略してもらいたい」
アイクはそう口にした。SランクダンジョンはAランク以上の冒険者でなければ入る事も許可されないダンジョン、オレ達が前に挑んだダンジョンはAランクだったが今回はそれよりも高難易度のダンジョンだ。
「無条件で昇格させてくれないのか?」
「これはルールだからな」
「オレ達の実力はもう分かってるだろ?」
「ああ、もちろんお前達は全員Sランク冒険者以上の実力をもっている事も承知だ」
アイクもオレ達の実力は分かっている。そしてオレ達ならSランクダンジョンだろうが余裕で攻略するとも思っている。
「まあルールなら仕方ない、で?そのダンジョンはどこにある?」
「街を北に二十キロ進んだ所にある全五層で構成されたダンジョンだ」
全五層、これならば一日で攻略可能だろう。前にAランクダンジョンに挑んだ時は数日かかってしまったがあの時とは全員格段に強くなっている。余裕で攻略できるに違いない。
「それじゃあ今からいってくる」
「今から行くのか?」
「ああ、とっとと終わらせたいんでな」
オレ達は今忙しい故にSランクダンジョンはとっとと攻略したいのだ。
「お前らいくぞ」
オレ達はギルドを後にして早速ダンジョンに向かう。街の外に出て空間収納から車を出した。
「早速こいつの出番だな」
「誰が運転するの?」
「今回はオレが運転する」
オレが運転席にリリスが助手席、瑠璃と宏太が二列目に来綺が三列目に乗り込む。
「それにしてもSランクダンジョン、どれくらいの難易度なんだろうな?リュウガ」
「所詮しれてるだろう、今のオレ達で挑めば一日もかからないだろ」
宏太の質問にオレは答える。少し前のオレ達ならば苦戦を強いられただろうが、今の実力で挑めば苦戦はしないだろう。オレは勿論の事、皆んなも余裕で攻略できる難易度であるとオレは考える。
「でも、Sランクダンジョンを余裕でクリア出来ちゃったらもうダンジョンには期待できないわね」
「いや、Sランクが最高難易度ではないらしい」
「そうなの?」
「ああ、以前エルナに聞いた事があるがSランクの上にEXランクさらにその上にGODランクというのがあるらしい」
瑠璃にオレは答える。ダンジョンはSランクが一番上ではない。EXランクは世界に十数ヶ所存在しており難易度もSランクとは段違い、今のオレ達で挑んでも攻略できるか分からない程の難易度だ。その上のGODランクはさらに難易度が上がる。世界に三ヶ所だけあり神職者数人で挑んでようやく攻略出来る程と言われている。実際にGODランクを攻略した例は過去に一度だけだ。
「まあGODランクに関しては神職者以外は立ち入る事は出来ないらしいがな」
その理由はGODランクダンジョンに神職者以外が入れば確実に生きては帰れないと言われているからだ。
「いつかは挑戦したいな」
「そのダンジョンはどこにあるんだ?」
「場所は公表されてないんだ」
GODランクダンジョンの場所は公表されてない。そして攻略されたのは数百年も前の事でその攻略した者達は全員死んでしまっている。現在の神職者の中には知っている者がいるかもしれないがそれも分からない。
「おっと、ついたぞ」
数十分程話しながら運転をしていたが目的のダンジョンに到着した。
「ここがSランクダンジョンだな」
「どんなダンジョンかしら?」
車から降りてオレ達は早速ダンジョンの中へと入っていった。




