復興
魔族襲撃から三日が経った。秋達はあの翌日にこの街を出て王都に戻っていき、現在オレは街の復興作業を行なっていた。
「創造神様、次はこちらをお願いします」
「分かった、いこう」
オレは創造の力で次々と建物の修復作業を行なっていた。最初の一日はコロシアムの修復に丸々かかり、二日目からは街の方に足を運んだ。
「創造神様、一旦休憩に入りましょう」
「そうだな、もう昼だしな」
時刻は正午、朝から三時間程休みなく続けて流石にお腹の方も空いている時間だ。
「リュウガ、よかったら一緒に食べましょう」
「ええいいですよ、クレアさん」
昼飯を食べに行こうとしたらクレアが声を掛けてきた。今リリス達四人とは別行動していて一人だったので特に断る理由はなくそのまま近くのレストランに一緒に足を運んだ。
「街の方もだいぶ元通りになってきましたね」
「ええそうね、これもリュウガのおかげね」
オレとクレアは魚料理を食べながら話しを始めた。この魚は近くの川で釣れたものらしく油が乗っていて塩もきいており大変おいしいのだ。
「ところで今日は一人なの?他の四人は?」
「ああ、リリス達は今無限タルタロスで特訓してます」
オレはリリス達四人とは別行動をしていた。リリスは新たに神職者になった事で力を試す為に、宏太、瑠璃、来綺は実力を上げる為に無限タルタロスにて特訓を頑張っている頃だろう。
「それにしても僅か三日でもう殆ど街は元通りとは創造神として頑張っているようね」
「当然です、オレの力ならこのくらいは」
魔族によりコロシアムや街の建物は大きく崩れてしまっていたがオレはそれを三日で殆ど元通りにした。創造神の力があってこそだが街の人達も復興を頑張ってここまで元通りになったのだ。
「クレアさんはまだしばらくはこの街にいる予定なんですか?」
「いいえ、二日後には出ようと思ってるわ」
「そうなんですか、まあクレアさんも忙しいでしょうしね」
クレアは火炎神でもあるため色々と忙しいのだろう。この街にいつまでもとどまってはいられないようだ。
「まあ、あなたもいずれ忙しくなると思うわ」
「それは神職者としての任務が与えられるという事ですか?」
「ええ、まあ詳しい内容は次の神職者会議でって事で」
次の神職者会議は今から二十日後に行なわれる。それは全神職者が集まる大事な場のようでクレアはもちろん、オレやつい三日前に治癒神となったリリスも参加しなければならない。
「神職者会議ですか、実に楽しみですね」
「リュウガらしいわね」
神職者会議、そこには神職者という強者しか集まらない。それはもう楽しみ以外の言葉では表せられない、一体どんな強い奴がどんな神職者がいるのか今から待ち遠しい。
「その件についてリリスも含めて話しがあるの、今日の夜にでも時間取れるかしら?」
「ええいいですよ、せっかくですし今晩俺たちの家でご飯も食べていってください」
「いいの?ならお言葉に甘えさせてもらうわ」
オレは今晩、家にクレアを招き入れる事にした。
それからしばらくしてクレアと分かれてオレは復興作業の方へと戻った。作業の方は順調に進んでいき四時間後ついに街が完全に元通りとなった。
「創造神様ありがとうございました、おかげでこんなにはやく街が復興できました」
「ああ気にするな、それより例の物は?」
「はい、忘れずに用意しておきますのでまた揃ったら取りに来てください」
「分かった、助かる」
オレは街の人にある物を頼んでいた。それはオレが前々から造りたかった物の材料だ。鉄や銅、鉛などの金属、それからプラスチックやゴム、ガラスなども頼んでいて揃う日が楽しみだ。
それからオレは今晩の食事の材料を買ってひと足先に家に帰り夕食の準備を始めた。
数十分で全ての料理を作り終えた。作ったのは刺身や野菜の盛り合わせや肉料理など日本の料理を出来るだけ再現したものばかりだ。
「ただいまリュウガ」
「おう、帰ったか」
オレがちょうど料理を作り終えた所でリリス達が帰ってきた。
「上手そうな飯が出来てるな」
「もう腹ぺこよ」
「はやく食いたいだろうがちょっと待ってくれ客が来るからな」
「客?誰か来るのか?」
そうこう話しているとドアのノックがなった。
「お邪魔するわ」
「お待ちしてましたクレアさん」
クレアが来たことに四人とも驚いていた。そもそもこの家に客が来る事事態初めて、そして初めて来た客がクレアなのだ。
「美味しそうな料理ね」
「ええ、オレ達の世界の料理を出来るだけ再現して作ったものです」
クレアはオレが作った料理に興味深々だった。おそらくどれも見た事がなかった料理なのだろう。
それから全員が席につき「いただきます」と言い、食べ始める。
「美味しい、やっぱりリュウガの料理は最高」
「そうかリリス、よかったよ」
「ほんとに美味しいわ、魚を生で食べるのは初めてだけどこんなに美味しいとはね」
「お口にあってなによりです」
この世界では魚を生で食べる事はないらしく魚料理は基本的には焼くか煮るかのどちらからしい。それ故にオレはこの世界の人達はこんな美味しい食べ方をしらなく勿体無いなと思う。
「おっと大事なものを忘れてた」
オレは席を立ち冷蔵庫の中に酒を取りに行く。
「クレアさん、お酒飲みますか?」
「そうね、じゃあベールをいただこうかしら」
「オレもベールくれ」
「オレも」
「私は果実酒を」
「ったく、分かったよリリスはいらないか?」
「うん大丈夫」
オレはベールを4本、果実酒を1本持って席に戻る。やはりこういう場に酒は欠かせない。
それから俺たちは話しながら料理と酒をつまんでいた。クレアはかなりの酒豪でオレ以上に飲んでいた。もちろん美味しく酒をいただくためにオレもクレアも毒無効の能力は消していた。
「クレアさん、聞きたい事があるんです」
「何かしら?瑠璃」
「クレアさんはいつから神職者になったんですか?」
「そうね私が火炎神となったのは十五年前、二十三歳の時だったわね」
それからクレアは自分が神職者になった時のことを話し始めた。クレアは師匠であるビヨンドには十歳の頃から稽古をつけてもらっており十三年による特訓の末に火炎神として認められたようだ。
「なるほどつまりクレアさんにとってビヨンドさんは師匠でもあり育ての親でもあるということですね」
「ええそうなるわね」
それから料理を食べ終わりしばらく経った、クレアはオレが能力よって造った日本の漫画を読んでいた。どうやら気に入ってくれたようで真剣な表情で読んでいた。
「リュウガ、オレはそろそろ寝るわ」
「私もおやすみ」
「それじゃあオレもおやすみ」
「ああ、おやすみ」
来綺、瑠璃、宏太はそう言い、二階の自分達の部屋に入っていった。
「さてと……リュウガ、リリス本題に入りましょうか」
「はい」
「本題って?」
「二十日後に行なわれる神職者会議についてよ」
神職者会議についての事は神職者以外に他言してはいけない。三人が寝に入ったタイミングでクレアは話しを始めた。




