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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第二章 総合トーナメント編

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クレアvsエゾット

「……なぜ、元火炎神がここに!」


 時は現在に戻る。ビヨンドを前に上級魔将(アークデーモン)は強張っていた。ビヨンド・サルマキアの名前は魔族の間でも有名だ。数百年前の戦争で初代剣神とともに戦場を駆け巡った人物だからだ。


「そりゃ、弟子に頼まれたのだからな、来ないわけにはいかないだろう」


 ビヨンドは昨日の夜にクレアに協力を頼まれていた。クレアの説得にビヨンドは頷き、この戦場に馳せ参じたのだ。


「だが元火炎神、お前の力は全盛期と比べれば大幅に低下していると聞いているぞ」

「ああ、なんせ神職者としての力を失っているのだからな」


 確かにビヨンドは十五年前、クレアに神職者としての力を譲渡してから大幅に低下した。しかしそれでも十分な力を持っている。


「さて、長々と話している暇はないすぐに終わらせてもらうぞ」

「ちっ!″血黒真死砲(レディッシデスヘル)″」


 魔族が闇属性最上級魔法を放った。魔法は血に滲んだ真の黒い闇の巨大な魔力砲のようなものがビヨンドに向かっていく。


「″炎帝(アヴァロン)″」


 ビヨンドの前に巨大な魔法陣が展開され赤く輝き出し、巨大な炎が放たれた。その炎に触れればただでは済まない、温度は二千度以上、まともにくらえば骨すら残らない。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「かぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 両者の魔法はぶつかり合う。しかし数秒のうちにビヨンドの魔法が魔族の魔法を押し始める。


「くそっ!神職者としての力を失ってなおこれだけの力を!」

「終わりだ!はぁぁぁぁ!」

「くっ!やばい!」


 魔法が直撃する寸前に魔族はなんとか避ける事に成功する。当たっていたら間違いなく散りも残らず消滅していただろう。


「はぁはぁ……危ねぇ、後少し遅れてた……なに!」

「そう来ると分かっていたぞ…″炎牙炎熱(ブレイズスネーク)″!」


 魔族が避けた先に先回りしていたビヨンドは火属性最上級魔法を放つ。魔法陣からは巨大な炎を纏った蛇が現れ魔族の肉を喰いちぎり体を締め付ける。


「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 最終的に魔族の身体は業火で燃やし尽くされ跡形もなく消滅した。


「終わったな、さてと次にいかねば」


 ビヨンドは次の敵の元へと向かう、一体でも多くの魔族を倒すため。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 同時刻、コロシアムの遥か上空にて私クレアはエゾットと交戦していた。


「さすがは師匠」

「まさか元火炎神が出張っていたとはな」


 私とエゾットは激しい攻防を繰り広げていた。エゾットは魔剣グラムを手にし、私に攻撃を繰り返す。


「どうした?火炎神、その程度か!」

「″獄炎インフェルノ″」


 放たれた業火がエゾットに向かうがそれを魔剣グラムでいとも簡単に防ぐ。


「″真紅の波動(クリムゾンウェイブ)″!」


 私は火属性最上級魔法を放つ。放たれた炎は真っ赤に燃え上がり波のうねるような動きを見せエゾットを襲う。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!おりゃ!」


 少し傷を負ったもののエゾットは魔剣にてそれを空高くに打ち上げる。


 エゾットの実力は本物で剣の腕は魔族随一、火炎神である私と互角に戦える程の腕を持っていた。


「さすがは魔剣神、簡単にはいかないわね」

「当然だ、貴様に負けるわけにはいかん……今日こそ息の根を止めてやる!」


 私とエゾットが戦うのは今日が初めてではない、前に二度戦った事があるが勝負はつかずにいた。


 近距離戦闘ではエゾットが有勢、遠距離戦闘は私が優勢、エゾットは距離を近づけて、私は距離を離す事を徹底して戦っていた。


「くらえ!でりゃ!」


 エゾットは斬撃を無数に飛ばしてくる。私はそれを魔法で防御し続ける。しかし飛んでくる斬撃は多方からそれも数えきれない程で防ぎきれずに数ヶ所、傷を負ってしまう。


「くっ!」

「どうだ!火炎神、この無数の斬撃!いくら貴様でも捌ききれまい!」

「″超爆撃発スパーキングエクスプロード″!」

「なっ!」


 私は火属性特級魔法を放つ。エゾットの下に半径二百メートルになる魔法陣を展開し大爆発が起きる。反応が遅れたようで避けきれず瞬時に全力の魔力障壁を貼ったが下半身が消え去っていた。


 全力を出せば半径六百メートルにまで広げられたがそうすると私も巻き添いをくらうので二百メートルに絞った。


「はぁはぁ、危ねぇ」


 エゾットの下半身は一瞬にして再生した。やはり一撃で消滅させなければ殺す事は叶わないようだ。


「今ので死んでも加護があるんじゃない?」

「そうだが、貴様もあるだろ?だから加護を使うなら貴様の加護を発動させてからだ!」


 エゾットの言うように私も加護の発動が可能となっている。先程の攻撃も全力を出して自分諸共死んでしまっても勝負は五分になるだけなので全力を出してもよかったが一番理想なのはエゾットだけ先に加護を使わせる事なのだ。


 加護には強化上限がある。何度か加護を発動すると上限に達し加護による強化はなくなる。そして私の加護はその強化上限に達している。加護を発動したとて強化はなくただ生き返るだけとなっている。それはおそらくエゾットも同じだろう。


「勝負はここからだ!我、魔剣神スラッシュ様より力を与えられし神職者なり」


 エゾットがそう唱え始めると身体が闇に覆われ始める。


「その力を持って悪の神職者として人々を恐怖に落とし入れよ!神装第一形態展開!」


 その瞬間、エゾットの身体が黒く輝き黒の衣を纏っていた。


「なら、私も…… 我、火炎神フレイ様より力を与えられし神職者なり」


 私がそう唱え始めると身体は光始める。


「その力を持って善の神職者として人々を導かん!神装第一形態展開!」


 その瞬間、私の身体は輝き赤の衣を纏っていた。


 互いに神装を展開し、力は更に膨れ上がる。ここからが本当の勝負だ。


 エゾットは高速で私に接近し斬りかかる。その速さは先程までの速度を遥かに超えている。しかし私はそれを避けて素早く距離をとる。


「″炎纏剣伸フレイムフランベルジュ″!」


 私は火属性最上級魔法を放った。魔法は腕から炎が噴出し、一瞬で凝縮され剣の形を模り、さらなる炎を纏ってエゾットの方へと伸びていった。


「くっ!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 エゾットは私の魔法を剣にて防御するがその魔法はどんどん伸びていく。エゾットは徐々に後方に押されていく。


「ぐぐぐぐ……はぁっ!……はぁはぁ」

「″白魂炎熱スフィア・ティル・ブレイク″!」

「しまっ!」


 エゾットはなんとか私の魔法を受けきるが、私はすかさずエゾットの背後に周り込み火属性特級魔法を放つ。この魔法は特大の火属性の魔力を収束・圧縮し、白色の小さい太陽のような凄まじく熱い球体を作る。直径はおよそ三十センチ程だが少しでも身体に触れようものなら触れた箇所から徐々に全身に熱さが行き渡る。


「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」


 エゾットは悲鳴を上げていた。身体は徐々に溶けていき最終的に全身が消えてなくなる。この魔法の温度は七千度以上、例え耐性があったとしても耐えられるものではない。


 エゾットは死んだが三十秒後、加護を発動させ肉体が再生され戻ってきた。


「くそーー!くそがーー!」

「これであなたの残機はイチ、私が有利ね」


 エゾットが一度死んだ事によりもう一度殺せば私の勝利、対して私はまだ加護が残っている状態、状況は最高だった。

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