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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第二章 総合トーナメント編

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獣人達の戦い

 少し前、宏太と来綺が|上級魔将(アークデーモン)と対峙していたように獣人のバリスとルビオも別の上級魔将(アークデーモン)と対峙していた。


 この魔族は身長百六十センチメートル程で百八十センチメートル近くあるルビオとバリスから見れば小柄でまるで子供のような見た目をしているが溢れ出す魔力は強大だ。


「いきなり強敵だね、バリス」

「ああ、厄介な相手だ」


 二人は冷静に相手の力を分析していた。二人とも鑑定は持っていないが敵から溢れ出る強力な魔力を察知しとてつもない強敵だと言う事を認識した。


「僕の相手は獣人か、しかしこれはかなり楽しめそうだね」

「最初から全力でいくよバリス」

「ああ、全力でいかなきゃやられるのはこっちだ」

「かぁぁぁぁぁぁぁ!」

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」


 ルビオとバリスは獣化を発動した。身体は大きな変貌を遂げ、身体全体が獣の姿となった。


「面白い獣化か、両者ともその若さでそこに辿り着くとは」

「いくぞ!」

「ああ!」


 それから二人の猛攻が始まる。獣化したルビオとバリスの攻撃は凄まじく息のあったコンビネーションで魔族に攻撃を繰り出す。


(なかなかのものだね一人ならともかく二人、しかもコンビネーションが抜群だ、油断すればくらってしまうかもね)


 二人の攻撃を避けるか受け流していた魔族だが内心では二人のコンビネーションを高く評価していた。


「見事なコンビネーションだよ!うらぁ!」

「くっ!」

「ちっ!」


 魔族は二人に一撃を入れようとしたが二人ともガードに成功し大きなダメージには至らなかった。


「素晴らしいよ、まさかこれほどとは」

「よくいうよ」

「全部避けるか受け流すかしてるくせに」


 バリスは既にかなりの体力を消耗している。常に全力を出しているせいか体力の消耗が速くなっている。しかしルビオの方はまだまだ体力に余裕がある。なぜならルビオには体力の消耗がない、そういう能力を持っているからだ。


「バリス、大丈夫かい?」

「ああ、まだまだいけるぜ」

「″炎煌龍(ヒュドラ)″」

「「な!」」

「油断大敵」


 魔族は二人に目掛けて火属性上級魔法を放った。魔法は龍の形に変化し炎の龍となって二人に向かっていった。


「くっ!″風拳″!」


 咄嗟の判断でルビオは拳に風の魔法を纏わせ魔族の放った魔法に向かって拳を放った。拳から突風が吹いて火の龍に直撃したが少し威力が弱まっただけで魔法はまだ生きていた。


「避けきれない!」


 魔族の放った魔法は威力は少し落ちたが二人に直撃した。二人はかなりのダメージを受け身体からは血が出ていた。


「はぁ……はぁ…」

「くっ……あっ……」


 獣化していて耐久力は上がっているものの、上級魔将(アークデーモン)級の上級魔法を威力が下がっているにしてもまともにくらえば大ダメージは免れない。


「油断してしまった」

「目を離したせいで」

「戦闘中に敵から目を離さないのは基本だよ」


 二人はほんの一瞬、およそ一秒にも満たない時間だが敵から目を離してしまった。その一瞬の隙を魔族は見逃さなかった。魔族はこの時点で勝利を確信していた。


「やばいね」

「ああ、非常にまずい」


 二人は危機を感じていた。そして後悔した、一瞬でも敵から目を離してしまったことに。


「残念だよ、もう少し楽しめるかと思ったけ……」

「なに?これは……」

「身体の傷が癒えていく……これは」


 二人が振り返るとリリスが遠距離による治癒を施していた。今の出来事からリリスが凄腕の治癒師である事をルビオ、バリス共に理解した。


「助かったね」

「ああ、まさかあれ程の治癒師がいたなんてな」

「へぇ〜あれ程の治癒師がいたとは想定外だね」


 魔族はリリスの治癒能力を高く評価していた。身体の全身の傷を数秒で、しかも遠距離から治すとは想像できなかったのだろう。


「これでまだ戦える!」

「ああ、いくぜ!」


 二人は再び魔族に飛びかかり攻撃を始める。二人の攻撃は回数を重ねるごとにどんどん速くなっていき、ついにルビオの拳が魔族の腹に直撃した。


「まだまだ!」


 徐々に攻撃が当たるようになり始めた。時間が経つごとに二人の攻撃は研ぎ澄まされていった。その事に魔族は当然気付いたが顔は焦っているどころか笑っているように見えた。


「なぜ笑っている?」

「いやいや、久しぶりに楽しい戦いが出来て嬉しいのさ」


 この魔族は戦いが好きなようだ。しかしただ戦うのが好きというわけではない、強者と戦うのが好きなようだ。特に実力が拮抗している相手との戦いは最高のようだ。


(この二人どんどん動きが速くなっているね、特にルビオという者は素晴らしいね)


 魔族は内心、二人の事を認めていた。特にルビオへの評価が高く期待が高まっている。ルビオの手数はバリスの倍、必然的にバリスよりもルビオの方が強いと考えるだろう。


 実際にルビオは強い、トーナメントでは来綺にも勝っており油断さえしなければリーナにも勝てていた程の実力を持っておりトーナメント出場者の中で実力は三本の指に入る程だ。


「さぁ、もっと僕を楽しませて!」

「まだまだこっからだよ!」

「上等だ!」


 二人の激しい攻撃が再び始まるが、先程まで当たっていた攻撃がいっさい当たらなくなっていた。


「当たらない!」

「どういうこと?」

「そんな事もわからないの?今まで僕は全力じゃなかったんだよ」


 魔族はこれまでの戦い、本気を出していなかったのだ。そしていざ本気を出すと、二人の攻撃は全く当たらなくなってしまったのだ。


「こっからは本気で行くよ!」

「な!」


 魔族は一瞬にしてバリスの前まで距離を詰めた。そして次の瞬間バリスの急所に強烈な一撃を叩き込んだ。


「がぁっ!」

「バリス!」


 バリスは大きく後方へ吹き飛ばされ壁に激突し、血反吐を吐き、致命傷になりかねない大ダメージを負い、バリスは完全に意識を失っていた。


 後方で治癒を施していたリリスだがここまでの傷を遠距離で治癒するのは難しくさすがに治療は難しかった。そこで治癒師達の護衛をしていた者達がバリスを治癒師達の元へ運ぼうとバリスの元に駆け寄った。


「そうはさせないよ!」


 魔族は邪魔しようとバリスの方へと向かおうとする、しかしその行手をルビオが阻む。そのおかげでバリスは安全に運びこまれた。


「行かせないよ」

「二人がかりで勝てなかったのに一人で戦う気?」

「そのつもりだよ」


 ルビオは正直勝てるとは思っていない。だが他の強者達は他の魔族の相手で手一杯、ここで引いてしまえば多くの犠牲が出てしまう。それだけは何がなんでも避けたかった。


(やるしかない!例えこの身がどうなろうともここで奴を止める!)


 ルビオは覚悟を決めた。


「死ぬ覚悟は出来たようだね、ならすぐに殺してあげ…!」


 魔族が攻撃に入ろうとした瞬間、後ろから火の魔法を纏った矢が飛んできた。魔族はそれを素早く手で握った。


「ルビオ・サーマル、私も手を貸すわ」

「君は確かトーナメント第三位の赤羽瑠璃か、助かるよ」


 矢を放った本人、瑠璃が姿を現した。瑠璃はこの戦いで主に下級魔族レッサーデーモン中級魔族ミディアムデーモンの相手をしていたが緊急事態という事で駆けつけたのだ。


「この矢を放ったのは君か?」

「ええそうよここからは私も相手してあげるわ」

「いいね、君もかなりの実力者と見たよ、さあ始めようか」


 こうして瑠璃が加わり絶望的な状況から形勢を立て直した。

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