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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第二章 総合トーナメント編

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2度目の加護

 次の瞬間、オレの背後に大きな緋色の鐘が現れた。緋色の鐘が鳴るとオレは自分の意志とは関係なく相手に剣を振りかざし鐘が鳴るたびに攻撃は速くなっていく。


「これはあなたが準決勝で使った技ね」


 カーーーーーン


 一回目の鐘がなりオレは自分の意志とは関係なく身体が勝手にクレアの方に向かっていった。しかしクレアはその攻撃を余裕の表情で避ける。


 カーーーーーン

 

 カーーーーーン


 カーーーーーン


 カーーーーーン


 鳴った鐘の回数は既に50回を超えていた。リーナを倒した時は24回で終わっていた今はその倍以上続いていた。鳴ってからクレアに攻撃を振りかざすまでの時間は既に0.01秒を切ろうとしていた。


 だがまだクレアに攻撃は当てられていなかった。50回を超えてなお、クレアはオレの攻撃を避けるか受け流していた。


「さて、私はまだまだ余裕よこの技の速度に限界はあるのかしら?」


 カーーーーーン


 クレアは言葉を発しながら余裕の表情で攻撃を受け流す。


(まずいな、そろそろ攻撃速度の限界に達する)


 オレのこの技非緋色鐘(ひひいろかね)は鐘が鳴るたびに攻撃速度が上がるが限界はある。その限界はオレのレベルが上がれば上がる程高くなるが今のオレの実力では120回が限界といったところだ。


 カーーーーーン


 そろそろ、その限界に達しそうだがクレアには一度も攻撃が当たらない。


「やめだ」

「あら、技を解いたの?やっぱり限界があったようね」

「ええ、このまま技を展開してても無意味だと思ったんで」


 オレは技の展開を解いた。あのまま限界まで速度を上げたとてクレアには擦りすらしない、技を解いた時点で攻撃の速度は0.004秒、限界まで上げれば0.002秒に届いたがそこまであげたとて無意味だろうと気付き技を解いた。


「しかし本当にすごいわね、短期間でここまでの成長、ただ成長速度が速いってだけじゃここまではならないわよ」


 クレアの言うように何も成長速度が速いだけではない、創造の能力はもちろんのこと、様々な戦い方を考えてここまでの成長に至っているのだ。


(このまま負けるのは確実、だが降参は絶対しない倒れるまで戦い続けるそれがオレの戦い方だ)


 この後の事も考えればここらでやめるのが正解だがそれについては問題ないのだ。クレアに関しては数分もあれば全開するだろしオレの方も大丈夫なのだ。


 オレは残りの全魔力を込め両手を前にし魔法陣をクレアの前、後、上、下に展開した。


「これで最後です!″紫電豪乱雷(しでんごうらんらい)″!」


 オレは雷属性の特級魔法を放った。紫色の巨大な雷が四方からクレアに向かっていく。これほどの威力の魔法をまともにくらえば常人ならひとたまりもないだろう。


「素晴らしいわ、あなたの最後の攻撃避けはしない全力を持って迎え打つ」


 クレアは自身の前、後、上、下にそれぞれ魔法陣を展開させる。なにかとんでもない魔法を繰り出すのだろうか。


″真紅の波動(クリムゾンウェイブ)″」

「なっ!」


 クレアは四方のオレの魔法に向かって火属性最上級魔法を放った。その炎は真っ赤に燃え上がり波のうねるような動きを見せオレの魔法にぶつけてきた。


 これをやってのけるのは途方もなく難しい事はオレにもわかる。本来この魔法は一方に向かって放つ魔法、オレが放った魔法は四方から狙う魔法だからそこまで難しくはないが一方に向けての最上級魔法を四方に同時展開するのは至難の技だろう。


 放たれた魔法はオレの魔法をいとも簡単に掻き消しそのままオレに直撃した。


「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 オレは大きく悲鳴をあげた。苦しい、痛い、熱い、そしてオレは地面に倒れた。もはや自動治癒では追いつけないほどの傷を負ってしまい数秒後、オレは命をたった。


「あなたの約束通りにしたわ」


 そうこれはオレが望んだ事、一度死に加護を発動させる事で魔族の襲来に備えるため。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 時は少し遡り昨日、コロシアムに潜んでいた二体の魔族を始末した後、オレとクレアはテレパシーによる会話をしていた。


(クレアさんにはお願いがあるんですが)

(いいわよ、何かしら?)

(決勝の後オレと戦いますよね?)

(ええもちろんよ)

(その戦いの最後にオレを殺してください)

(え?)


 クレアの疑問は最もの事だ、突然殺してくれと頼まれて首を立てに振るやつなどいるはずがない。しかしオレには考えがあった。


(加護ですよ、魔族の襲来に備えて)

(なるほどね)


 そう、創造神の加護を発動させる事に意味があったのだ。


(でも今のあなたの実力でも魔族皇(デーモンロード)クラスと互角に戦えるわ)

(いえおそらく魔族皇デーモンロードは最低でもニ体もしかしたら三体や四体程くる可能性もあります)


 確かに魔族皇(デーモンロード)一体ならなんとか対処は可能だ。しかし二体三体となってくれば対処出来なくなってくる。そんな状況下で一度死ねば蘇生までに確実に死人が出る。魔族皇(デーモンロード)に対抗できるのはオレかクレアだけなのだから。


(それもそうね、私は敵の四天王の相手で手一杯になるでしょうし)


 この魔族襲来の指揮をとるのは敵四天王の魔剣神エゾットであることは先程の魔族達の会話を盗み聞きして知っていた。


 その四天王の相手でさすがのクレアも他に手が回らなくなるのは確実、ならば魔族襲来前に加護を発動させておくのがよいと考えたのだ。


(……分かったわ)

(ありがとうございます)

(でも、それを頼むって事は)

(ええ、悔しいですけど結果は分かってますから)



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 そして時は戻り現在、死んで肉体から抜けたオレの魂は雲の上にあり、身体を見れば全身透けていた。


 オレが辺りを見渡して数秒すると見覚えのある銀髪の女性が姿を現した。


「久しぶりですねリュウガ」

「お久しぶりですねアフラ様」


 この女性の名はアフラ、創造神であり実在する神であり全三十ニ柱の一柱である。


「あなたの事はずっと見てましたよ、この短期間で幾度となく強敵達と戦い強くなりましたね」

「いやオレなんてまだまだですよ、上には上がいますし」


 オレの実力は確実に成長しているがクレアや他の神職者に比べればまだまだだ。


「肉体の蘇生は始めています、向こうの時間で一分程で完了します」

「そうですか」


 地上の時間で一分という事は地上の十倍の速さで時間が進むここの時間でいうと十分という事だ。


「今回の加護ではステータスの上昇は微量です、しかし神装の発動が可能になります」

「神装!」


 神装、それはクレアが使っていたものだ、神装を使った神職者はステータスが大幅に上がり多数の能力を得られるという神職者だけの力だ。


「しかしながらすぐに使えるわけではありません、神装を使うには精密な魔力操作、そして意志の力がひつようになってきます」


 つまり神装の使用は相当難しいという事だろう。クレアでさえ詠唱を必要としている事からそれは明白だ。


「神装は第一形態、第二形態、最終形態の三段階あります」

「三段階」

「しかし、最終形態に達した者は歴代の神職者の中ではたった三人です」

「三人だけですか!」


 今回の加護では第一形態が解放されるようで第二と最終形態は何度目かの加護で解放されるようだった。


 しかし加護により最終形態の解放がされてもそれを展開できた者はほとんどいない為、それがどれ程難しいものなのかがわかる。


「さあ、そろそろ蘇生の方が完了します」

「ええ、ありがとうございます」

「次の加護発動ができるようになるのは三百時間後です、くれぐれも気をつけて」

「ええ、それではまた」


 そういった直後オレの魂は肉体に戻っていった。

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