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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第二章 総合トーナメント編

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騎士団の隠し玉

 現在、オレ篠原宏太は予選決勝にて騎士団員リーナと相対している。相手の才職はおそらく剣士だろう。


 開始の合図とともにリーナはオレに向かって全力で向かってきた。だがオレはそんな接近を許す筈もなく火属性中級魔法の炎嵐(ファイアストーム)を放った。放たれた魔法は炎の嵐となってリーナを襲ったがリーナはそれを上手く避けたようだ。


(なかなかやりやがる)


 オレは休む事なく次の魔法を放つ。


「くらえ!”獄炎(インフェルノ)”」


 オレは火属性上級魔法を放った。リュウガ程の威力はもちろんないがそれでもリーナを倒すには十分な威力だった。


「ふぅー、危ない危ない」

「な!」


 オレの魔法は確実に直撃したはず無事でいられるはずがない。それに顔に軽い傷があるだけでそのほかに目立った代償がなかったのだ。


 冷静になりリーナの周りをよく見てみるとバリアのような物が展開されていた。あれでオレの魔法を防いだのだろう。


(いや、おかしいだろ!奴程度のバリアでオレの上級魔法を防ぎきるなんて、リュウガの情報では……まさかステータスを隠蔽してやがった上に実力も隠して嫌がったのか!)


 オレは今の一連の流れでそう確信した。おそらくこのリーナは今まで実力を隠してきたのだろう。本来の実力は騎士団長のルドラや魔術師団長のアルテミスよりも上なのだろう。


「やるじゃねぇか、正直驚いたぜ」

「今のは危なかったけどね、次は私からいくわよ!」


 リーナは凄まじい速度でオレに向かってきた。そしてそのまま剣を振り下ろした。


(危ねぇ!めちゃくちゃ速いぞ!)


 オレは間一髪の所で攻撃を避ける事ができた。予想以上の速さでかなり驚いている。


「”炎煌龍(ヒュドラ)”」


 すかさず火属性上級魔法を放った。その魔法は龍の形となってリーナに襲いかかった。


 しかしリーナは躱す動作に入らず魔法に向かって腰を下ろし剣を構え始めた。そして……


「レイブン流……”一撃跳返し”」

「馬鹿な!」

「くっ!かぁぁぁぁ!」


 リーナはオレの放った魔法を跳ね返したのだ。全ては跳ね返せておらず多少のダメージは負ったようだがほとんどを跳ね返していた。


 そしてその跳ね返した魔法は再びオレの方へと向かってきた。


「やばい!”氷壁(アイスウォール)”」


 オレは咄嗟に自身の前に氷の壁を張った。だがその氷の壁が徐々に砕けていった。


「くそっ!」


 多少威力は弱まったもののオレはその攻撃をまともに受けてしまった。


 正直かなり厳しい状況だ。まさかリーナがここまで強いとは思ってもいなかった。さらにオレは手痛いダメージを負ってしまった。


「あんた……実力を隠して嫌がったな」

「ええ、そうよ」

「やっぱりそうだったのか」


 リーナは実力を隠していた事を認めた。


「じゃあいくわよ!」

「上等だ!」


 オレはそれから魔法を放ち続けリーナを接近されないようにしていた。もちろん初級魔法や中級魔法では意味を成さないので上級魔法を放っていた。かなり疲労しているだろうがオレも魔法の連発でかなり疲れていた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 そして現在に至る。


(まさかあの騎士団員がそこまでやるとはな)


 オレ、七宮龍牙はリリスの記憶を読み取ってこれまでの戦闘でリーナがかなりの猛者だという事を理解した。


―――――――――――――――

リーナ 27歳 女 レベル 90

才職 剣帝

攻撃力  1960

体力   2012

俊敏性  2399

魔力   2410

魔法耐性 2100

物理耐性 2390

能力:超剣術・火風属性適性・火水風属性耐性・剣作成(強)・ステータス隠蔽(絶)•身体能力強化・魔力強化・俊敏性向上・気配感知・魔力感知・言語理解

―――――――――――――――


 ステータスを見てもあのルビオ•サーマルクラスの猛者だという事が理解できた。才職はまさかの剣帝、剣王の上に位置する才職だ。


 しかし宏太が劣勢である理由はそれだけではなかった。リーナは火と水と風属性の耐性を持っていた。宏太はその三属性を扱うトリプル魔術師、これを見れば非常に相性が悪い事が分かる。


「はぁ……はぁ……」

「はぁ……はぁ……」


 両者ともに体力的に疲れているのが分かる。だがダメージで見れば宏太の方が酷い事が分かる。


「くそ!俺は負けられないんだ」

「それは私も同じよ」


 両者ともに負けられない戦いなのは分かるが宏太には勝ってもらわなければ困る。


(まじで頼むぞ宏太)


 宏太が万が一にでも負ければオレ達は王城に戻る事になってしまう。それだけは絶対に避けなければならないのだ。


「この魔法にかける!」

「何をする気?」


 次の瞬間、宏太は跳躍し地面に向かって獄炎(インフェルノ)を十発程連続で放った。地面からは大量の煙が上がっていて周りの状況が分からなくなっていた。


「なるほどね、視界を見えにくくするのが狙いね」


 宏太は地に両手を着けて全力で魔力を込め始めた。しばらくするとステージ上の地面を殆ど埋め尽くす程の巨大な魔法陣が現れた。


 本来ならこれ程巨大な魔法陣が現れれば確実に気付かれてしまうが今は煙のせいで周りが見えにくくなっておりそれ故にリーナは攻撃を警戒して下になど目を置いていなかった。


(宏太の奴、まさか……まああれをくらっても奴なら死にはしないだろう)


 オレは宏太が何をしようとしているのか理解した。おそらくオレが初めて使用した最上級魔法を放つ気だろう。魔力的にオレよりも威力は劣るだろうがそれでも十分だ。


 オレはこの魔法を改良し手のひらからでも打てるようにしたが宏太にはまだ出来ないようだ。


 しばらくすると巨大な魔法陣が赤く輝き出した。どうやら発動の準備が完了したようだ。そして宏太は自分自身が魔法に巻き込まれ無いようにステージの端、魔法陣が無い場所へと移動した。


「な!いつのまに!」

「気付いたようだがもう遅い!”炎帝(アヴァロン)”」


 次の瞬間、フィールド全体が炎に包み込まれていた。炎の中は約二千度になっておりこれをまともにくらえば死んでもおかしくないくらいだ。


「はぁ……はぁ……くっ!」


 どうやらリーナはギリギリの所で自身に身体強化と強力なバリアを施しダメージをできる限り抑える事に成功したようだ。


 だがそれでも受けたダメージは甚大で立っている事は出来ずその場で倒れた。


「勝負あり!勝者篠原宏太!」


 次の瞬間、会場から大きな歓声が聞こえてきた。

 

 この試合は今日の試合の中でも上位に入る良い試合だったといえるだろう。オレ達は宏太が負けるのではないかとひやひやしたが勝てたのでよかった。


「クレアさん、最後の魔法は」

「火属性最上級魔法ね、実に見事だったわ」


 宏太が最上級魔法を使えるようになっていたとは思いもしなかった。最上級魔法を扱える者はこの世界で二百から三百程度、その殆どが魔族やエルフだと聞く。それを使えるようになったとは相当練習したと見える。


「はぁ……何とか勝った」


 宏太もかなり疲れきっていて魔力も殆ど空の状態のようだ。そのままステージを降り会場を後しオレ達の所に帰ってきた。


 リリスは宏太に治癒魔法を施した。先程までの疲れきった顔がみるみる戻っていった。


「助かったリリス」

「これくらいなんて事ない」

「それよりあいつも治癒してやってくれ、あれをくらって身体がぼろぼろなはずだ」

「ああ、あのリーナとかいう奴ならさっきクレアさんが治してくれた」

「そうか、ならよかった」


 宏太はリーナの事を心配していたようだ。まああの魔法を最低限威力を抑えたとはいえまともに受けたんだ、心配もするだろう。


「とりあえずよくやった宏太」

「ああ、かなりギリギリだったがな」

「まあこれで予選は終わりね、リュウガ」

「そうだな」


 瑠璃の言う通り、これで予選の全試合が終了し今日の全試合が終わった事になる。オレにとって今日はただのお遊び、本番は明日だ。強くなった来綺達と戦うのももちろん楽しみだが何よりクレアと戦うのが楽しみで仕方がないのだ。

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