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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第二章 総合トーナメント編

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宏太の初戦

 一足先に試合を終えたオレは少し歩いて入り口近くで他の試合を見ていた。試合を見て思ったがやはりどの選手もレベルが低かった。


「終わりだ!」


 どうやらDブロックの試合が終わったようだ。勝利を収めたのは真希だった。真希は火魔術師、最後は火属性中級魔法で留めを刺したようだった。


「少しは成長したようだな」

「ああ、準決勝まで行けばおそらく宏太と当たる、そこで必ず勝ってみせる」

「そうか、まあせいぜい頑張れよ」


 試合を終えた真希と少し話した後、オレは観覧席の方に戻り始めた。観覧席に着いた頃には第一試合は全て終わっていたようだった。


「おつかれ、リュウガ」

「つまらん試合だった」

「リュウガにとっては殆どがつまらない試合でしよ」


 リリスの言う通り、オレにとっては殆どがつまらない試合となるだろう。オレの目的はあくまでクレアとの戦闘、このトーナメント自体、その目的の為の過程に過ぎない。


 だが、有象無象の雑魚はともかく来綺達と戦うのは楽しみにしている。無限タルタロスでどのような成長を遂げているのか楽しみだ。


「リュウガ、このトーナメント賭けが行なわれてるみたいだぞ」

「賭けだと?」

「ああ、選手は参加出来ないが観客なら賭けられるらしい」


 来綺が言うには一日目に行なわれている賭けは各ブロック本戦に勝ち進むのは誰かというものだ。


「リリス」

「言われると思って賭けておいたよ」


 リリスはこのトーナメントには参加しないので賭けへの参加権利があった。リリスが賭けたのは全ブロックの一位通過を当てるものだ。それ以外には一・二位通過予想があったが二位まで当てるのは難しい為ほぼ確実に当てられる一位だけを予想するものにした。


 もちろんAブロックは来綺、Bブロックはオレ、Cブロックは瑠璃、Dブロックは宏太に賭けていてそれぞれ金貨5枚賭けていた。


「まさかこんな簡単に稼げる賭けがあったとはな、変装してきて正解だったな」

「そうだな、普段のまま来てたら大した勝ち額にはならなかっただろう」


 宏太の言う通り普段の格好でこの場に来ていた場合、顔が知れているオレに賭ける者が多く倍率などたかが知れていただろう。


 今日は変装してきているおかげで今の倍率は6.1倍となっていた。他には来綺が6.2倍で瑠璃が7.5倍、宏太が5.9倍となっていた。だがこの賭けの締め切りは第一回戦が全て終わるまでなので今後どうなっていくかは分からない。手持ちが少なくなってきたのでこの機会に大儲けしたい所だ。


 それから時間が経ち第二試合、第三試合と終わり次は第四試合が始まろうとしていた。


「さて、そろそろいくとするか」

「頑張ってね」

「油断せずに行けよ」

「ああ」


 宏太はオレの言葉を聞き、控え室に向かって歩いていった。


 およそ十分後、第四試合が終わり宏太が出場する第五試合が始まった。宏太の相手は風魔術師、ステータスを見ても大した事はなかった。


「それではDブロック第五試合、風魔術師レイン・ナスカ対冒険者篠原宏太、試合始め!」


 審判の合図により試合が始まった。宏太は相手と少し距離を取り様子見をするようだった。


「風よ、目前の敵を切り裂きたまえ”風刃(エアカッター)”」


 相手は詠唱を行ない風属性初級魔法を放った。放たれた魔法は風の刃となって宏太めがけて向かっていった。


「やはり詠唱を使うのが一般的のようだな」

「ええ、そうみたいね」


 オレは宏太の試合を見ながらそう呟いた。今まで一般的な魔術師の魔法を見る機会がなく詠唱を使って魔法を打つ者など周りにはいなかった。


 オレ達以外では魔族やクレアの魔法を見た事があるが勿論それらも無詠唱だ。そのせいか詠唱を行なって魔法を打つのが一般的だという事を忘れかけていた。


「お返しだ、”風刃(エアカッター)”」

「何だと!」


 宏太は相手と同じ魔法を無詠唱で返した。その事に相手は驚いていた。しかし驚いていたのは戦っていた相手だけではなかった。試合を見ていた観客達も驚いていたようだ。


「おっっと!Dブロックの篠原選手は無詠唱で魔法の発動を行なったようだ!」

「実に見事ね、初級魔法とはいえ無詠唱魔法を使える者はそうそういないのだけれど」


 クレアも宏太の試合に見入っていたようだ。おそらくステータスを見てかなりの実力がある事を見抜いて目をつけていたのだろう。


「なに!」


 宏太が放った魔法は相手の魔法を消し去り相手にもろに直撃した。


「ぐわぁ!」


 相手はかなりのダメージを負ったようだ。例え同じ魔法だったとしてもその威力は扱う者によって違ってくる。今回の場合、宏太の方が魔力が強い事から撃ち合いに勝てたのだ。


「くそっ!風よ目前の敵を打ち抜け”風弾(ウィンドバレット)”」


 相手はまたまた詠唱を行ない風属性初級魔法を放った。だが威力は先程の魔法とそれ程変わらず大した事はなかった。


「終わりだ、”炎煌龍(ヒュドラ)”」

「嘘だろ!上級魔法、しかも無詠唱だと!」


 宏太は相手目掛けて火属性上級魔法を放った。次の瞬間、魔法は龍の形に変化し風の魔法を軽々と飲み込み相手に向かっていった。


 その光景に相手は驚いていた。上級魔法を無詠唱で使うのは初級魔法で行なうよりも遥かに難しいそれをやってのけた事に驚いていた。観客達も同様に驚いた表情を浮かべていた。


 相手は避ける間もなく魔法に直撃しなすすべなく倒れた。


「勝負あり!勝者篠原宏太!」


 次の瞬間、会場中から大きな歓声が聞こえてきた。この試合を終え宏太の名前は知れ渡っただろう。無詠唱魔法を使えるかつ少ない人間として。


「見事でしたね、しかし上級魔法を無詠唱で使えるとは」

「そうね、最後の魔法は火属性上級魔法の中でもコントロールがかなり難しい魔法よ、あれを使いこなせる技量、彼はまだ若いし将来が楽しみね」


 それからおよそ十分後、全ての第五試合が終わり宏太も観覧席の方に戻ってきた。


「余裕だったな」

「まあな」

「だが中級魔法でも十分だったんじゃないか?」

「おそらくいけてただろうな」


 宏太もさすがに上級魔法はやり過ぎだと思ったようだ。相手は初級魔法しか使えないような小物、中級魔法でも余裕で倒せただろう。


 その後、第六試合から第八試合まで順当に行なわれていった。その間、秋と騎士団のエルミスの姿も見受けられた。二人ともこの短期間でかなりの腕を上げてきたようで難なく一回戦を勝ち進んでいた。


 ちなみに秋がCブロック第七試合で勝ち進んでいけば決勝で瑠璃と当たる事になる。エルミスの方はBブロック第八試合で準決勝でオレと当たる事になっている。


 次はいよいよ第一回戦の折り返しの第九試合となっている。ついに瑠璃の出番となった。


「さて、瑠璃はどのくらい強くなってるかな」

「でもまさか一回戦で当たるとはな」

「ああ、あいつもくじ運が悪いな」


 瑠璃の一回戦の相手は何と梨花だった。来綺の運が悪い、という言葉は梨花に向けて言った言葉だ。


 オレはこの試合、瑠璃が余裕で勝つと踏んでいる。確かに銃士と魔弓士では銃士の方が速度が速く有利と思われるがそれは実力が拮抗している場合だけだ。この二人の場合瑠璃の方が圧倒的に実力があり梨花の勝ち筋は少なくともオレには見えなかった。


「では第九試合に出場の選手は入場して下さい!」


 司会の声とともに瑠璃の姿が見え始めた。瑠璃はCブロックのリングへと足を運んだ。


「瑠璃、手加減はいらないわ」

「ええ、そのつもりよ梨花」


 今、瑠璃と梨花の試合が始まろうとしていた。

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