クラスメイトside:3
時はさらに遡りリュウガ達五人がダンジョンの第8層を攻略していた頃、王都ナーベラルでは勇輝達がルドラとアルテミスの指導の下、訓練場にて戦闘訓練を行なっていた。
「はぁっ!」
「いいぞ勇輝、剣の腕もかなり上がってきたな」
「ありがとうございます」
勇輝は勇者としてかなりの成長を見せていた。剣技に関しては騎士団の中で敵う者は既に極小数となっていた。
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星宮勇輝 17歳 男 レベル 23
才職 勇者
攻撃力 421
体力 400
俊敏性 389
魔力 470
魔法耐性 388
物理耐性 390
能力:全属性適性・全属性耐性・剣術・先読・自動魔力回復・気配感知・魔力感知・身体強化(中)・魔力強化•俊敏性向上・言語理解
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勇輝のレベルは着実に上がっていた。レベルはクラスの中で一番高く能力の数も最初より少しだが増えていた。
これまで訓練用ダンジョンでは数回、訓練を行なっていた。最初の頃は一から十のFランクの層でも苦戦していた。ステータス的には余裕で攻略出来るはずなのだが実践経験がなかった事から攻略に苦戦していた。それも今となっては三十一から三十五のCランクの層でも上手く連携が取れさえすれば攻略出来るようになっていた。
ルドラとの模擬戦を終えた勇輝は少しばかり休憩をとっていた。
「勇輝!ちょっと相手になってくれない?」
「ああ、分かった」
勇輝が休憩を終えて立ち上がろうとした所、七香から声が掛かった。彼女の才職は剣士、上級職ではないが剣技は勇輝に匹敵する程でダンジョンでの実践時は常に前衛を任されている。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
「やぁぁぁぁぁぁぁ!」
それから数分間、二人は剣を打ち合っていた。剣技だけでいえば互角、どちらも一歩も譲らない試合となっていた。
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西園寺七香 17歳 女 レベル 20
才職 剣士
攻撃力 366
体力 350
俊敏性 399
魔力 405
魔法耐性 361
物理耐性 349
能力:剣術・先読・光属性耐性・俊敏性向上・身体強化(弱)・魔力感知・気配感知・言語理解
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七香も勇輝同様に能力の数が最初よりも増えていた。さらに俊敏性に関しては勇輝を少しだが上回っていた。
「ありがとう、いい鍛錬になったわ」
「こっちこそいい試合が出来て何よりだ」
お互いに礼をして試合は終わった。
「いいぞ、次は中級魔法を打って見ろ」
「はい、やってみます」
別の所では一人の生徒がアルテミスの指導の下、魔法を打つ練習をしていた。
彼の名前は南雲晴彦、身長は百六十四センチメートルと少々小柄だが運動神経はクラスの中でも上位に入ってくる。
晴彦は言われた通り中級魔法を発動する為の詠唱に取り掛かった。
「” 我が手に炎よ、嵐となりて周囲の敵を焼き払え”炎嵐”」
詠唱が終わった次の瞬間、手から発せられた炎が嵐となり自身から半径1メートルに燃え盛った。しばらくの間、その炎は燃え盛り次第にその炎は消えていった。
「よし!上手く出来たようだな」
「ええ、詠唱も簡単ですし中々使えそうですね」
晴彦は今回初めて中級魔法の発動に成功した。今まで何度か挑戦していたがいずれも上手くいっていなかった。晴彦の才職は火魔術師、その才職から火属性の魔法を得意とするが決して他の属性を扱えない訳ではない。だが他の属性は火属性に対して格段に精度、威力が落ちる。
「この調子でどんどん覚えて、上級魔法も扱えるようにしたい所だな」
上級魔法は覚えればAランクのモンスターとも戦えると言われている。もちろん中級魔法でも戦えない事はないが決定打に欠ける為、厳しいとされている。ただしステータスがそれだけ高ければ話しは別になってくる。
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南雲晴彦 17歳 男 レベル 20
才職 火魔術士
攻撃力 350
体力 353
俊敏性 360
魔力 400
魔法耐性 330
物理耐性 371
能力:魔術・火属性適正・光属性耐性・俊敏性向上・身体強化(弱)・魔力強化・魔力感知・気配感知・言語理解
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晴彦はアルテミスの教えが終わり休憩しようと端の方へ移動しようとした。するとそこへ駆け寄ってくる生徒が現れた。
「よっ!魔法の練習は終わったのか?」
「ああ涼介、たった今な」
駆け寄った生徒は涼介、晴彦と同じ火魔術士だ。涼介は最初はこの上位戦闘職ではないこの才職が判明した時残念そうにしていたが今ではすっかりそんな事も忘れるくらいこの才職でよかったと言っている。
「中級魔法、出来たようだな」
「ああ、ここからどんどん覚えていきたい所だ」
涼介は既に中級魔法を二つ程使えるようになっている。
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霧雨涼介 17歳 男 レベル 20
才職 火魔術師
攻撃力 357
体力 366
俊敏性 350
魔力 406
魔法耐性 355
物理耐性 366
能力:魔術・火属性適性・風属性耐性・攻撃力上昇(中)・魔力強化・魔力感知・気配感知・言語理解
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それから数分後、皆んなが訓練をしていると城の兵士が姿を現しこの場にいる全員に言葉を告げた。
「報告です。国王様が玉座の間に来て欲しいとの事です」
「分かった、今日の訓練はここまでだお前達はすぐに玉座の間に迎え」
ルドラの言葉を聞いて生徒達は皆急いで国王であるゼガルドが待つ玉座の間へと向かった。
玉座の間に着くと国王のゼガルド、それから王妃であるレイナの二人が待っていた。
「よく来てくれた皆の者」
「それでここに呼んだのは?」
「うむ、お前達学院に入学する気はないか?」
「学院ですか?」
勇輝が尋ねるとゼガルドは答えた。
ゼガルドは話し始めた。勇輝達を学院に入学させたい理由は若い世代を強く育てたいという事らしい。その学院に通っている生徒達はどうせ神職者達がいるのだから自分達が頑張る必要はないとやる気を示さない生徒が多いらしい。そこで同世代の勇輝達を入学させてやる気を出させようという事だ。
「皆んな、俺は学院に入学してもいいと思っているがどうだ」
「ああ、賛成だ」
「いいんじゃないかしら」
勇輝が皆んなに意見を聞くと龍弥、由衣それに続き他の生徒達も賛成の声を上げた。
学院に入学するという事は元の世界でいつものように通っていた学校での生活を行なえるという事だ。無論、元の世界の学校とは大きく異なってくるがそれでも学校に通える事を嬉しく感じる生徒も多い事だろう。
「それでは学院の方に伝えておこう」
「それは少し待ってもらっていいですか?」
「何故だ?」
「今、数名がこの王都にいないのでその帰りを待ってからにしてもらってもいいですか?」
王都にいない数名というのはリュウガ達を探しに出た秋達五人の事だ。五人はいつ帰ってくるかは分からないが勇輝達の意見は全員揃ってからでないと入学は出来ないとの事だった。
「ふむ、ならそのようにするか」
「ありがとうございます」
勇輝は礼をした。ゼガルドの様子から察するに早く勇輝達を学院に入学させたいようだった。何故だか分からないがおそらく学院の生徒の意欲が相当悪いのだろう。
この時は誰も知らなかったこの裏で密かに最悪な計画が進められている事を。




