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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第二章 総合トーナメント編

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リリスの才能

「おはようリュウガ」

「おはよう、もう起きてたのか?」

「うん、目が覚めちゃってね」


 オレが下に行くと既に瑠璃が起きて朝食の準備をしていた。普段の料理当番は料理の出来るオレ、リリス、瑠璃が交代で行なっている。料理の出来ない来綺と宏太は食器洗いを担当している。


 オレは瑠璃が朝ご飯の準備が終わるまでソファーの上でくつろぎながら漫画を読んでいた。


 数分後、来綺と宏太がそしてさらに数分後にリリスが下に降りて来た。


「なあ、リュウガ、リリス」

「何だ?宏太」

「何?」


 オレが朝食を食べていると宏太が話しかけてきた。


「いや、なんつーかだ……お前ら昨日やってただろ?」

「ぶっーーーー!」


 オレはその言葉に思わず口に含んでいた水を吹き出した。

 

 何故ばれたのか分からなかった。下に降りてきてからはいつも通り平静を装っていたにも関わらずだ。それにリリスだっていつも通りにしていた。


「な、何の事かよくわからない」

「宏太、嘘はよくないよ」

「そんな事いったて昨日の夜トイレに行こうとお前達の部屋の前を通ったら聞こえて来たんだよ」


 宏太のその言葉を聞いてオレとリリスは誤魔化しようが無くなってしまった。


 この家の壁は外に音が漏れないようにかなり分厚く構造していた。だがドアに関していえば全く防音性能がなかった。


(くそ!こんな事なら音が漏れないように結界を張っておくべきだったな!)


 その準備を怠ったせいで宏太にバレてしまう事態が起こってしまったのだ。


「……そうだよ、なんか悪いか」


 オレは否定のしようが無い事を悟り正直に答えた。


 それから数十分が経ち無限タルタロスに向かう準備が整ったオレ達は家を出て、目的地へと向かい始めた。


「ねえリュウガ、無限タルタロスってどこにあるの?」

「もう着いたぞ、ここだ」


 オレがそういうと三人は驚いてた表情しているように見えた。ここはギルドのすぐ隣、それに何も特別な感じもしない普通の建物だからだ。


「じゃあ入るぞ」


 オレが最初に入って行くとそれに続き四人も建物の中へと入っていった。


「これは転移門か?」

「ああ」


 来綺の質問にオレは答えた。それは二メートル程の大きな転移門、これを潜れば無限タルタロスに挑戦できるという訳だ。


「それじゃあここからは別行動だ」

「ああお前は百一フロアからだもんな」

「集合時間は何時にする?」

「夕方6時くらいでいいか?」


 瑠璃の質問にオレが答えると全員その提案に納得した。


 オレ達は転移門を潜った。オレとリリスはセーブデータがあるので入った瞬間に百一フロアへと転送された。


「さてとじゃあ今日も二人で頑張るか」

「うん」


 このフロアのモンスターはAランクの赤鬼(レッドオーガ)、ひとつ前のフロアと同じモンスターだったがステータスはほんの少しだけ高かった。


 オレは軽く上級魔法を放ち、一瞬にして勝負を決めた。やはりこの程度のモンスターでは何の面白みも無かった。


「次行くぞ!」


 オレとリリスはすぐに次のフロアへと進んでいった。


 それから数時間が経ち時刻は午後二時、昼ご飯も済ませたオレ達は現在百七十フロアまで来ていた。ここまでの戦闘、百五十フロアまでは全て一撃で終わらせていた。それ以降も一分もかからず倒していた。


 昨日は新しい魔法の試し撃ちなどもしながら進んでいたが今回はそのような事はせずに進んでいる事から昨日よりも段違いに速いペースで進んでいる。


「ようやくSランクモンスターのお出ましか」


 ここに来て初めてSランクモンスターが現れた。Sランクモンスターはさらに三つに分類されている。このモンスターは一番下の災害級となっている。


 災害級は一体で一つの街を滅ぼす事の出来るモンスターとして分類される。


―――――――――――――――

巨大象(ヘビーモス) レベル 73

種族  象

攻撃力   1499

体力    1400

俊敏性   769

魔力    1555

魔法耐性  1275

物理耐性  1500

能力:風属性適性・水光属性耐性・魔力感知・気配感知・重量操作・透過・攻撃力強化・自動治癒

―――――――――――――――


 絶対鑑定を使ってステータスを見た感じ大した事の無さそうな相手だった。確かに今までで見てきたステータスの中では上位に位置するだろうがこの前の上級魔族(グレーターデーモン)と比べると大した事が無かった。


「リリス!こいつも大した事がないしさっきいった通りでいくぞ」

「分かった」


 オレがそういうと敵が物凄い勢いで突進して来た。油断していたが余裕を持って避ける事が出来た。


 オレは氷属性中級魔法の”氷菓聖天(アブソリュートヘブン)”を使用した。


 すると次の瞬間、敵は凍り付き周りも一面が凍り付いていた。いつもなら全力を出してもここまでの威力はない。ここまでの威力が出たのはリリスによる支援魔法のおかげだった。


 リリスはオレに魔法の威力を底上げする支援魔法を掛けていたのだ。


「今の支援魔法なかなかだったぞ!」

「そう?それならよかった」


 オレはリリスの頭を撫でて褒めた。リリスは嬉しそうな表情を浮かべていた。


 並大抵の支援ではオレの魔法の威力を上げる事は不可能なのだ。オレの魔法の威力は本来あるべき物とはかけ離れ過ぎている。故にレベルの低い者では威力の底上げをするのは不可能となってしまっている。


 だがリリスは難なくそれをやってのけた。それだけでかなりレベルアップしている事が分かる。


「それじゃあこの調子でどんどん行くか」

「リュウガ、一つ頼みがあるんだけど」

「何だ?」


 リリスが頼み事をしてくるなんて珍しかった。


「次のフロアの敵だけど少し動きを止める事って出来る?」

「まあ出来ると思うが、何でだ?」

「ちょっと試したい事があるの」

「分かった」


 その言葉を聞いてオレは何かの魔法を試したいんだろうと悟った。


「”鎖縛 (チェーンレスト)”」


 次のフロア、第百七十一フロアに到着したオレは早速敵の動きを封じた。このフロアの敵は先程と同じくモンスターだった。


「言われた通り動きを封じたぞ、これから何をするんだ」

「まあ見てて、少し時間が掛かると思うけど」


 リリスはそう言うと右手に魔力を込め始めた。オレは約五分の間それを見守り続けた。


 その間、敵は何とかオレの魔法から逃れようと脱出を試みたが鎖が取れる事は無かった。


「もし失敗したらお願い」

「分かった」

「”魔力増幅(マジックエンファイ)”」


 リリスが唱えた次の瞬間、敵の魔力が増幅し鎖の束縛から無理やり脱出した。そして敵は大きな鳴き声を上げたままオレ達の方に突進して来た。さらに魔力は上がっていた。


(失敗か?リリスは何で敵の魔力を増福させた?)


 オレでもリリスのやった事が何を意味するのか分からなかった。


「……これは!リリス、お前のやりたい事ってのは」

「うん、多分リュウガが思っている通り」


 オレはようやくリリスの考えが分かった。こちらに突進してくる敵は徐々にスピードを落としていき、ついには倒れた。よく見ると目が赤く腫れており完全に死んでいた。


 この状況を見るにオレの予想は当たっていた。リリスが敵の魔力を増幅していたのは相手に許容範囲以上の魔力を与え身体がそれに耐えられなくする為だったのだ。


 あまりの魔力量に耐えられなくなった敵は体の内部が完全に破壊され死んでしまったのだ。


「こんな事よく思いついたな」

「うん、でもまさかここまでなるとは思ってなかったけど」


 どうやらリリスもこれは予想以上の結果だったようだ。


(もしかしてリリスの奴、四人の中で一番才能があるんじゃないか?)


 オレはリリスの隠れていた才能を目の当たりにしてそんな事を思っていた。

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