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クラスメイトの才職

 ルドラの呼び掛けに、最初に前に出てきたのは学級委員の勇輝だ。そしてみんなにステータスを見せた。


―――――――――――――――

星宮勇輝 17歳 男 レベル 1

才職 勇者

攻撃力  200

体力   200 

俊敏性  200

魔力   220

魔法耐性 200

物理耐性 200

能力:全属性適性・全属性耐性・剣術・先読・自動魔力回復・気配感知・魔力感知・身体強化(弱)・言語理解

―――――――――――――――


 勇輝のステータスが公開され、生徒達は驚いていた。自分のと比べて勇輝のステータスがすごかったのだろう。才職が勇者と言うことに関してはみんなさほど驚いた様子はなかった。勇者の職を与えられるとしたら間違いなく勇輝だと全員が分かっていたようだ。


 しかし、オレは全く驚いた様子を見せていなかった。それもそのはずリュウガのステータスはどれも1000を上回っているのだ。勇輝の五倍以上だ。


(勇者でもステータスはこのくらいなのか?そうなると他の生徒はこれより下になるはずだ。やはりレベル1で1000越えは規格外なようだ)


「ほう〜、さすがは勇者だな。レベル1で全てのステータスが平均の十倍あるとは…能力も普通は二つか三つなんだがな。頼もしい限りだな!」

「そうだなレベル1でこのステータスはまさに規格外だな。俺達のステータスも直ぐに追い越されるかもな」

「いや〜、あはは……」

 

 ルドラとアルテミスの称賛に照れたように顔を掻く勇輝。ちなみにルドラのレベルは70、アルテミスはレベル72。ステータスの平均は二人とも900前後だ。この世界でも神職を除けばトップクラスの実力だ。しかし、勇輝はレベル1ですでに全て200台、成長次第では直ぐに追い越しそうだ。


 次に前に出て来たのはクラスの人気者の由衣だ。そのステータスは……


―――――――――――――――

神崎由衣 17歳 女 レベル 1

才職 聖治癒師

攻撃力  100

体力   150

俊敏性  105

魔力   180

魔法耐性 150

物理耐性 150

能力:治癒術・高速詠唱治癒・闇属性耐性・毒無効・魔力感知・治癒力向上(弱)・言語理解

―――――――――――――――


「なるほど、聖治癒師かそれは上位職だぞ。能力も七つもあるとは頼もしいな!」

「我が国の治癒師は今、数が不足しているからな貴重な存在だな」


 ルドラとアルテミスがそう言い渡すと、由衣は喜びの笑みを浮かべていた。どうやら由衣の才職は上位職のようだ。更にステータスも全て100を上回っており、平均を遥かに上回っている。


 生徒達が盛り上がっている中、オレは計画の準備を始めていた。まずは来綺、宏太、瑠璃の三人を部屋の後ろの方に集めた。


「昨日言っていた話しだが、今日この場で決行することにした」

「ちょっと本気?この場でって?今ここから抜け出そうなんて不可能よ!」

「状況が変わった。まずは俺のステータスを見てくれ」


 そう言うとオレは三人にステータスを見せた。三人は驚愕の表情を浮かべていた。


「え!これまじかよリュウガ!創造神、神職じゃないか!」

「ああ来綺、俺も正直これを見たときはよく分からなかったが神職について説明を聞いた時にすげぇびびったな」

「ステータスも全部1000越えとか完全にチートじゃねぇか!」

「やっぱ宏太から見ても異常だよなこのステータスは!」

「ちょっと、リュウガも来綺も宏太ももうちょっと声抑えてよ!他の人に聞かれたらどうするのよ」


 瑠璃の言う通り、先程から三人とも他に聞こえてもおかしくないくらいの声で話してしまっていた。


「わりー、つい興奮して声が抑えられなかった」

「俺も迂闊だった」


 瑠璃に注意され、来綺と宏太は謝った。


「あっ、それなら心配いらねぇーよ。さっき創造の能力で魔法を造った。今俺ら四人の周りには目では見えないが遮断結界が張ってある。しかもこの結界は中から外に音は盛れないが外の音は中に入ってくるようにしてある」


 さぞ当然のようにオレはついさっき判明した能力を既に使いこなしている。これには流石に三人も驚きを通りこして呆れた様子だった。


「なーんだそれならよかったわ。じゃなーい!なんで訓練もしないでいきなりそんな能力使える訳?」

「ああ、瑠璃の言う通りだぜ!いくらなんでも規格外すぎるぞ!」

「いくら神職だからってそんな直ぐには使いこなせないだろ!おかしいぞ!」


 瑠璃、宏太、来綺がさぞ当然のように能力を使ったオレに向かって各々規格外だのおかしいだのと言う。


「いやー、俺も何となくやっただけなんだけどよ、頭の中でこんな魔法が使いたいってイメージしたら造れたんだよ」

「ほんと、才職もステータスも能力も本人さえも規格外だな」


 そう言えばこいつ天才だったわ、と三人とも思い返し納得したようだ。


「なるほど、この力がバレたらここから抜け出すのは難しくなるから今抜け出そうってことね」

「ああ、そう言うことだ。それとその前にお前らのステータスも見してくれよ」


 オレがそう言うと、三人はステータスを表示させた。


―――――――――――――――

遠山来綺 17歳 男  レベル 1

才職 聖剣士

攻撃力  190

体力   175

俊敏性  185

魔力   200

魔法耐性 170

物理耐性 170

能力:剣術・光属性適性・闇属性耐性・聖剣作成(弱)・剣作成(中)・気配感知・言語理解

―――――――――――――――


―――――――――――――――

篠原宏太 17歳 男 レベル 1

才職 トリプル魔術師(火・水・風)

攻撃力  170

体力   155

俊敏性  115

魔力   200

魔法耐性 180

物理耐性 120

能力:魔術・火風水属性適性・光属性耐性・能力向上(弱)・魔力感知・気配感知・言語理解

―――――――――――――――


―――――――――――――――

赤羽瑠璃 17歳 女 レベル 1

才職 魔弓士

攻撃力  160

体力   140

俊敏性  100

魔力   180

魔法耐性 135

物理耐性 135

能力:弓術・火風属性適性・水土属性耐性・能力向上(弱)・視力強化・魔力感知・気配感知・言語理解

―――――――――――――――


 三人とも中々良いステータスをしていた。来綺は聖剣士、宏太はトリプル魔術師、瑠璃は魔弓士と全員が上級職だった。


「三人とも上級職じゃねぇか!ステータスに関しても来綺は最低が170だし、宏太と瑠璃も全部100以上あるしな」

「まあな、上級職の聖剣士だったのは素直に嬉しいがリュウガと比べると凄さが薄れるな」

「私はかなり嬉しいかったわ、弓道部だしこの才職には満足しているわ」

「俺もどうせなら魔法を使ってみたかったからな。魔術師で大満足だ」


 三人とも自分の才職には充分満足している様子だった。ちなみに上級職は戦闘職の約千人に一人しか持っていないそうでかなり希少だそうだ。


「さてと、今からここから抜け出そうと思うが少し待ってくれ時間が掛かりそうだからな」


 オレはそう言うと遮断結界を解除し、目を閉じてここから出るための魔法を創造するために集中し始めた。


 オレが集中している中、他の生徒達は次々とステータスの発表を行っていた。


「次は、俺が行くぜ」


 彼の名前は霧雨涼介(きりさめりょうすけ)、身長は百七十センチメートル程でクラスのムードメイカー的存在だ。


―――――――――――――――

霧雨涼介 17歳 男 レベル 1

才職 火魔術師

攻撃力  120

体力   110

俊敏性  90

魔力   150

魔法耐性 100

物理耐性 100

能力:魔術・火属性適性・風属性耐性・攻撃力上昇(弱)・気配感知・言語理解

―――――――――――――――


 一見、勇輝や由衣達と比べてみると大した事ないようにも見えるが、平均は余裕で越えているので十分すごいと言える。


「はぁ〜、まじか俺はあんまりだな。上級職でもないし、ステータスもそこまで凄いって感じじゃないしな」


 ルドラとアルテミスは平均も余裕で超えててかなり凄いと言っているが、本人は満足していない様子だ。


「じゃあ次は私が行くね」


 彼女の名前は西園寺七香(さいおんじななか)、身長は百六十九センチメートルと女子にしては高身長だ。由衣の親友でもある。


―――――――――――――――

西園寺七香 17歳 女 レベル 1

才職 剣士

攻撃力  140

体力   150

俊敏性  170

魔力   180

魔法耐性 130

物理耐性 140

能力:剣術・光属性耐性・俊敏性向上・魔力感知・気配感知・言語理解

―――――――――――――――


 七香の才職は普通戦闘職だったものの、ステータスと能力数に関して言えば平均を遥かに上回っていて、十分に高ステータスと言えるほどだった。七香も満足そうな笑みを浮かべていた。


「じゃあ次は先生が行ってよ」

「私?まあいずれは発表しないといけないしね、わかったわ」


 秋先生はそう言うと前に出た。そのステータスは、


―――――――――――――――

大森秋 24歳 女 レベル1

才職 召喚士

攻撃力  80

体力   190

俊敏性  100

魔力   220

魔法耐性 195

物理耐性 180

能力:召喚術・魔物召喚・闇属性適性・光属性耐性・魔物鑑定・契約・以心伝心・魔力感知・気配感知・言語理解

―――――――――――――――


 生徒達はそのステータスに驚いていた。魔力は勇者である勇輝と同じで、能力数に関していえば上回っていたのだ。


「ふー、待たせたなようやく準備が整った」


 他の生徒達が盛り上がっている中、オレは魔法創造に成功した。


「で、どうやってここから抜け出すつもりだ?」

「いま造った透明過の魔法を使ってここから出る」

「この短時間でよくそんな魔法造ったわね」

「ああ、だが透名過時間は十分が限界だ。その間にこのバカでかい城から出なくてはいけない」

「かなり厳しいな」

「ああ、最悪間に合いそうになかったら俺がお前らを担いで全速力で走る」

「もしもの場合はそれに頼るしかないな」


 オレの俊敏性は1100、おそらく三人の何倍も速く走ることが可能だ。ちなみに転移魔法も造ろうとしたが創造に失敗していたようだ。さすがのオレも直ぐにはそんな高度な魔法は造れなかった。


「じゃあいくぞ」


 そう言うと魔力を込め透名過魔法を掛けた。すると見る見る体が透明になっていった。ちなみに魔力を使ったことがバレないように透明過魔法と同時に魔力隠蔽も行っていた。


「これ、俺からは三人共見えるけど他の奴らには見えてないんだよな」

「ああ、大丈夫だ。俺達が見えなかったら不便だから見えるようにしておいた。それじゃあ時間もないし、いくぞ」


 オレの合図と共に三人は部屋を出て走り出した。まだ見ぬ未知の世界の冒険を求めて。

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