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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第一章

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神職者

 魔族が放った魔法はクレアに目掛けて一直線に向かっていった。しかしクレアは全く焦っている様子がなく余裕の表情を浮かべていた。


「威力……速さ共にかなりのものだけど私に言わせればまだまだね」

「ちっ!舐めるな!」

「お返しよ!”獄炎(インフェルノ)”」


 クレアは火属性上級魔法を放った。だがそれを見たオレは首を傾げた。クレア程の実力者であるならば最上級魔法を扱えるはず、何故この場で出さないのか分からなかった。


 対して敵の魔法は最上級魔法、幾らクレアが強いからといってもそれでは撃ち勝てると思えなかったのだ。


「はっ!上級魔法だと!幾ら何でも舐めすぎだ!」


 両者が放った魔法は衝突し激しいぶつかり合いとなると思われたが始めから一方的な展開となった。


「馬鹿な!何だこの馬鹿げた威力は!」

「地力の差よ!」


 何とクレアが完全に押していたのだ。その光景を見ていたオレ達は驚愕の表情を浮かべていた。まさかクレアの実力がこれ程とは思っていなかったのだ。


 魔法を放っているクレアは力を振り絞っている様子は無くそれどころか余裕の表情だった。対して魔族は焦っていた。


 幾ら何でも最上級魔法が上級魔法に負けるとは微塵も思っていなかったのだろう。焦った魔族は限界まで力を振り絞るがそれでも戦況は全く変わらなかった。


「ちくしょう!ちくしょー!」


 撃ち合いは呆気なく終わり魔族は直撃した魔法により跡形もなく消えた。


 戦闘が終わりクレアはオレ達の下に歩み寄った。


「大丈夫だったかしら?」

「ええ助かりました、あなたは何者ですか?」

「では改めて……私はクレア•ファーレンローズ……あなたと同じ神職者で火炎神よ」


 クレアの正体は火炎神だった。前に聞いた話しによると火炎神の火属性魔法は世界一、つまり火属性魔法に置いてはクレアを超えるものはいないという事だ。それならば先程の圧倒的な力も頷けるというものだ。


「でも何でこんな所に?」

「何、私もたまたま今日このダンジョンに入ってね。そしたら下の方から魔族の気配と人間五人の気配がしたから急いで駆けつけたってだけよ」

「え……今日ですか?つまり一日も掛からずにここまできたって事ですか?」

「そうなるかしらね」


 その事実にオレ達は信じられないというような表情を浮かべた。オレ達はここに来るまでかなりの時間を掛けてようやく辿り着いた。それをたった数時間で最下層まで来たとなると本当かどうか疑いたくもなってしまう。


 だが先程の圧倒的な力、魔力を見てしまえばそれも可能になって来るのだろう。


 早い話しクレアのステータスを見ればいいだけの話しなのだが鑑定を使ってもエラーと出るだけで見ることが出来なかった。おそらくステータスが離れすぎて見れないのだろう。


「こんな所で話すのも何だし後は外に出てから話しましょう」


 それからクレアとオレ達は外に出る為に歩き出した。ボス部屋の奥には先程まで閉まっていた扉が開いておりその中に入ると転移陣が設置されていた。


 まず最初にクレアが転移陣の上に立つと突然と姿を消した。おそらくダンジョンの外へと転移したのだろう。それに続いてオレ達も順番に転移を始めた。転移先はダンジョンの入り口となっていた。


「さてと、じゃあ歩きながら話しましょうか」

「そうですね」


 それからオレ達は街に戻り歩き始めた。


「改めて先程はありがとうございました」


 オレはクレアに助けてもらったお礼をした。それに続いて来綺、宏太、瑠璃、リリスも自己紹介をかねてお礼をした。


 クレアは「気にしないで」と言ったがオレ達は本当に感謝していた。もしクレアが間に合っていなければオレは死に四人も無事では済んでいなかった。


「悪いけど四人共少し離れてくれないかしら今から神職者にしか教えられない話しをするから」

「分かりました」


 それからクレアはオレに神職者について色々と教えてくれた。オレが神職者について知っている事といえば世界に十二人しかいない事、加護の効果ぐらいなものだ。


 まず最初に教えてくれたのは神職者達にはランキングがあるという事だ。オレ以外にはそれぞれランキングがつけられており実力が高い者程上位のランキングとなっている。ちなみにクレアの現在のランキングは三位だそうだ。つまりクレア以上の実力者が二人もいる事になる。


 しかしこのランキングは人類側の神職者だけのランキングとなっていて魔族側の神職者も入れるとなればどうなるかは分からなくなってくる。ちなみに人類側がオレを入れて七人、魔族側が五人となっている。


「つまり、これからは俺もランキングがつけられるという事ですか?」

「ええそうね。このランキングは年に数回、神職者達が集まって決められるの」


 この年に数回の集まりは神職会議と呼ばれ神職者達は絶対に集まらなければならない義務がある。次の会議は一月後にあり勿論オレもそれに参加しなくてはならない。


 開催場所は毎回違う場所になっておりこれは秘密裏に行なう為で関係者以外は近づけさせない為だ。


 それからもオレが知らない事を軽く教えてもらったがそれは次の会議でも話される内容らしく詳しくは聞かなかった。


「クレアさん……お願いがあるんですが」

「何かしら?」

「後で手合わせの方、お願いしてもいいですか?」


 オレはクレアに手合わせを願った。勿論オレも勝てるなどとは微塵も思っていない。それ程までにクレアの力と今のオレの力は開きがあるのだ。


 だが強い者と戦う事に喜びを覚えるオレは敵わなくとも一度戦ってみたいと思ったのだ。


「手合わせね……私もあなたとは戦ってみたかったのだけれど今は忙しくてね」

「そうですか」

「……そうだ!総合トーナメントに出てみない?」

「総合トーナメント……ですか?」


 クレアは総合トーナメントに出てみないかとオレを誘った。総合トーナメントはルーベルクにて年に一回開催される魔法、剣、弓など多種多様な戦い方で競い合う格闘大会だ。


「そう、そこで優勝すれば私と戦う権利を得られるわ」

「成程……興味深い話ですね」


 何でもクレアは毎年その大会に呼ばれていて優勝者は賞金と火炎神である彼女と戦う権利を得られるのだという。


「その大会はいつから開催されるんですか?」

「一週間後よ」

「一週間か……もうそこまで日がないですね」


 大会は来週、今のままでは戦ったとしても一瞬で倒されてしまうのが見え見えだ。実際今までクレアと戦った者達は五秒と持たずに敗れていった。


 そうならない為にも少しでも強くなろうと考えていたが日があまりなく強くなった所でたかが知れているだろう。


「分かりました。その大会出てみます」

「あなたならそう言うと思ったわ」

「そうだ!お前らも出てみるか?」


 オレは後ろで途中から話しを聞いていたであろう四人に対して大会に出てみないかと聞いた。


「俺達がか?」

「そうだ、お前らならかなりいい線までいくと思うんだが」


 格闘試合となっている事からリリスは参加できないが他の三人は問題なく参加できる。この三人の実力は既にかなり高いレベルまで来ていて参加すれば結構いい所までいくと確信していた。


「そうだな。俺は出てみようかな」

「俺も自分の実力を試してみたいし出るとするか」

「私はやめておくわ、ルールを聞く限り遠距離攻撃だけだと不利になりそうだし」

「私も出てみたかったけど格闘試合だと出れないしね」


 考えた結果、来綺と宏太は出る事にし瑠璃は出ない事にした。確かに団体戦ならともかく個人戦では遠距離攻撃しか扱えない者は瑠璃の言うように不利になってしまう。


 そうこうしている内にクレアとオレ達はルーベルクへと帰ってきた。大会や神職会議などやる事が増えたがまずはダンジョンでの依頼達成をギルドへと報告しに行かなければならなかった。

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