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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第一章

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上級魔族

 現在、オレと敵の魔族は剣で打ち合っていた。オレは聖剣デュランダルを、魔族は魔剣エクリプスを手に持ち両者共に一歩も譲らない戦いとなっていた。


 数分間打ち合っていたがしばらくすると両者共に十分に距離を取り相手の様子を伺っていた。そして魔族はオレに話し始めた。


「やるな!神職者とはいえあなたはまだこの世界に来てそう日も経っていないはず……正直驚いているよ!」

「お前……何故俺達が召喚者だと知っている!?」


 どうやら魔族はオレが召喚者だという事を把握していたようだ。オレ達が召喚者と知っている者はごく一部の者だけのはず、それを何故魔族が知っているのか疑問でならなかった。


「私はただあの方々に聞かされただけだ。情報源がどこからだとかは知らない」

「あの方々?そいつらは一体何者だ!」

「あの方々とは……暗黒軍四天王の方々の事だ!」

「四天王……だと」


 魔族が口にしていたあの方々というのは暗黒軍四天王の事だった。暗黒軍四天王は魔族のトップである暗黒神の次に権力を持つ四人の魔族の事だ。


 その四人の実力は計り知れない程に強大で今目の前にいる魔族よりも遥かに格上の存在らしいのだ。


 そんな四天王はオレの成長速度に危険を感じ今の内に対処しておこうと考え魔族を送り込んで来たようだ。ちなみに前回の昇格試験中に正体を現した魔族も四天王が送り込んでいた魔族だったらしい。


「つまり私の目的は今この場であなたを殺す事だ」

「成程、つまりお前は上からの命きよってここに来た……という事か?」

「そうなるな」

「そうか……だが俺を簡単に殺せると思うなよ!」


 次の瞬間、オレは全力で上に飛びだした。そして手を前に構えて全力で魔力を込め始めた。


「喰らえ!”獄炎(インフェルノ)”!」


 魔族に向けて火属性上級魔法を放った。しかし魔族の方も黙ってその魔法がただ自分に直撃するのを見ているだけのはずも無く。


「上等!ならこちらも!”獄炎(インフェルノ)”」


 魔族もオレと同じ魔法を向かってくる魔法に向けて放った。両者が放った魔法が衝突し激しいぶつかり合いとなった。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「かぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 両者共全く譲る気配が無く数十秒程ぶつかり合っていた。だが魔族は本当に全力を出しているのか、オレは考え始めた。


 魔族のステータスは確実にオレを上回っている。さらに攻撃力強化、魔力強化がありいくらリュウガが支援によって力が底上げされているからといっても同じ魔法で互角になるとは思えなかった。


「てめぇ、まだ全力を出してないな?」

「流石にバレてしまったか」

「何のつもりだ!俺を舐めてるのか!」


 魔族がまだ全力で戦っていない事を認めオレは怒りの声を上げた。自分は全力で戦っているのに相手が手を抜いて戦っているそれが許せないのだろう。


「いやいや、舐めているつもりは無い」

「じゃあ何で手を抜いた?」

「最初から本気でやってしまえばあなたが絶望してしまうのでは無いかと思ってね」

「……てめぇ……それを舐めてるって言うんだよ!」


 怒りが爆発したオレは次の瞬間、全力の爆発魔法を魔族に向けて放った。突然の事に魔族も対処出来ずにそのまま直撃し辺りが煙に覆われた。


 数秒後、煙が薄くなり始め魔族の姿が見えた。しかしその姿を見た瞬間オレは驚愕の表情を浮かべた。


「無傷……だと!」


 何と魔族はダメージを負っている気配が一切なく無傷だった。オレの爆発魔法は確かに直撃したはず、では何故無傷でいられたのか、ふと目を凝らして見ると魔族の身体には何やらバリアのような物が展開されていた。


「……!成程……バリアか」

「正解!そう攻撃が当たるとほぼ同時に私は自分の身体にバリアを展開させた。まあ突然の事でかなりギリギリだったけど」


 魔族曰く、バリアの展開はかなりギリギリだったらしい。後ほんの少し展開が遅ければかなりのダメージを喰らっていただろうに。


 そしてオレは次の瞬間、再び上に高く飛んだ。魔族もそれを追うようにして宙を飛び始めた。


「次は何をする気だ!」

「さて、何だろうな?」


 そしてオレは敵の攻撃を何とか紙一重の所で躱しながら魔法発動の準備を行なっていた。そして数秒後、魔法が完成した。


「これでも喰らいやがれ!”炎帝(アヴァロン)”!」

「……!しまった!」


 オレは自身が持つ火属性の中で最強の魔法を魔族に向かって全力で放った。隙をついて放った事によって避ける暇も無く魔法は魔族に直撃した。


 この魔法は中級魔族(ミディアムデーモン)蒼龍(ブルードラゴン)に留めを刺した魔法、例え敵がSランクモンスターであっても耐える事は難しい。


 魔族の身体が燃え始めて数十秒経つが未だ悲鳴が聞こえて来ない。おかしいと思ったオレは魔法を解いて燃え尽きたであろう魔族の死体を見に行った。するとその死体は突如として姿を消した。


「なっ!どう言う事だ!」


 今目の前で起きた事に理解が追いついていなかった。だが冷静に考えて見るとおそらく燃えていたのは本体では無く何らかの魔法で作られた偽物だと考える事ができる。


 本体を探す為に辺りを見回していると後ろから声が聞こえてきた。


「隙だらけだぞ」

「……!なっ!……っぐ!」

「リュウガ!」


 オレはすぐさま避けようと距離を取ろうとしたが時は既に遅く攻撃が当たってしまった。その身体には大きな傷が出来てしまい血が溢れていた。


 だが魔族は魔力感知にも気配感知にも引っかから無かった。となると魔族は魔力も気配も完全に消す事が出来るという事なのだろう。


「お前、あの一瞬で何をした!」

「私もあの攻撃には肝を冷やした!もう少し遅ければ死にはしないものの大ダメージを喰らっていただろうからね」


 魔族によると攻撃が当たる瞬間、オレにも見えない速さで分身体を造り出し、さらには透過能力を使い気配と魔力を消しオレの背後に周り込んでいたと言うのだ。


 先程と同じようにバリアを使用する手もあったがあれ程高威力の最上級魔法を防げるバリアは展開出来ないようだった。


「しかし何故だ!お前は分身の能力なんて無かったはずだろう!?」


 そう、戦闘が始まる前に見たステータスでは分身の能力は持っていなかった。


「ああ、あなたは鑑定が使えるのだったな?」

「ああ、そうだ」

「それなら目に見えるものが全てと信じるのはやめた方がいい」

「どう言う意味だ!?」

「私は常に最低でも二つ、能力を隠しているのだよ」


 魔族は相手が雑魚ならともかく強者であるならば能力隠蔽という能力を使い常に能力を隠していたのだ。今回の場合は能力隠蔽と分身の能力を隠して戦闘を行なっていたのだ。


「ちっ!そう言う事か」

「では仕切り直しと行こうか!」


 相手はまだ余裕がありそうな様子に見えるが対してオレはかなり追い込まれている状況にあった。


 リリスの回復魔法によって先程の傷はかなり回復しているがそれでも疲労の方が溜まっていて戦いを長引かせるのはまずい状況となって来ている。


「来い!聖剣デュランダル!」

「いでよ!我が魔剣エクリプス!」


 両者共に剣を取り出し前に構えて相手の様子を伺っていた。最初に攻撃を仕掛けたのはオレだった。


「創造神流、壱の型……”暁闇(ぎょうあん)”」


 明るかったボス部屋が暗闇に包まれた。はっきりと目に見えるのはオレの姿とその後ろに現れた上限の月だ。


 そして次の瞬間オレの姿は消えた。これは目に見えない程の速さで動いているからそう見えてしまうのだ。今まで数回この技を使っているが見切れた者はいなかった。


 だが次の瞬間、オレの動きが止まり部屋が明るくなり上限の月も消えてしまった。何故動きが止まったのか、それは魔族の仕業だったからだ。


「馬鹿な!」

「その程度の速度で私を倒せるとでも思ったか?」


 オレも勿論これで倒せるとは思っていなかった。だがかなりのダメージを与える事は可能だと踏んでいた。それはこの技がオレの持つ攻撃の中で最高の速度を誇るからだ。


 動きを止められたオレは驚愕の表情を浮かべ、止めた魔族は笑みを浮かべていた。

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