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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第一章

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新居

 時刻は朝の十時過ぎ、オレは昨日購入した土地に足を運んでいた。千里眼である程度の広さは把握していたが実際に見ると更に広く感じた。


 周りには他の家は一軒も無くのびのびと暮らせそうな場所で、高地にあるとは聞いていたが想像よりも高い場所にあり街を見渡せる程だった。


 リリス達は昼から合流するとの事で朝は一人で作業を行なう。


「さてと早速始めるか」


 オレは今日一日でここに五人で暮らせる家を建てるつもりだ。本来は家を建てるには何十日もかかるものだが、オレが力を使えば一日で終わらせる事も可能となってくる。


 それから空間収納から木材や鉄を取り出して作業を始めた。


 作業に取り掛かって二時間程経っただろうか。家の三割程は既に完成している状態となった。


 ここらで一時休憩をしようかと思い腰を下ろそうとした瞬間、丁度リリスが昼ご飯を持って来た。


「リュウガ!」

「リリス!こっちだ!」

 

 オレは空間収納から椅子二つと小さな丸机を取り出した。リリスは机に昼ご飯が入っていると思われるバッグを置きそっと椅子に腰を下ろした。


「三人はどうした?」

「何かやる事があるって言ってたからここに来るのは遅くなると思う」

「そうか。あいつらも気を遣ってくれてるって事だな……」


 オレとリリスは昨日から付き合い始めた。その事は来綺達も知っているので付き合い始めたばかりで二人の時間を邪魔しては悪いと思ったのだろう。


 オレとしては作業自体は基本一人でも行なえるのでリリスとの時間が増えるのはありがたかった。


「これはリリスが作って来てくれたのか?」

「うん。リュウガの為に朝から頑張って作って来たの」


 リリスはバックから昼ご飯を取り出した。中には美味しそうなサンドイッチが入っていた。色々な種類があり中には日本でもよく口にしていた物に似たのもあった。


「上手そうだな」

「じゃあ食べようか?」

「そうだな。頂くよ」

「はい。リュウガ、あ〜ん」


 オレが食べようとサンドイッチに手を伸ばす前にリリスが口にサンドイッチを運んできた。


「……え?……じゃあ……あ〜ん」


 少し戸惑ったが照れた表情を見せ、口の前まで運ばれていたサンドイッチを食べた。


 それは日本でも食べた事があるようなカツサンドと同じ食感、味だった。


「どう?リュウガ、美味しい?」

「ああ、凄く美味しいよ」

「それならよかった」


 リリスは顔に笑みを浮かべていた。自分が朝から一生懸命作った物を美味しいと言って貰えて嬉しかったようだ。


 それからサンドイッチを全て食べ終わり再び作業に戻った。


「リュウガ、何か手伝う事ある?」

「うん?そうだな……じゃあ壁を白く塗りたいからペンキを塗ってくれるか」

「分かった」


 リリスは置いてあったペンキを取り壁を端から順番に塗って行った。流石に一人で塗るのは大変なのでオレは身体強化と俊敏性向上の能力をリリスに掛けた。これならば本来の数倍のスピードで作業を行なう事が可能となる。


 作業を再開してから数時間経ち、時刻は四時過ぎ休憩を挟みながら行なっていたものの全体の八割程は完成していた。


 二人が腰を下ろして休憩しているとようやく来綺達がやって来た。


「おい!リュウガ、リリス」

「遅いぞ!お前ら、もう八割は完成しちまってるぞ」

「悪い悪い、家具を買う為に簡単な依頼を受けてたからよ」


 話しによると来綺達は低ランクの簡単な依頼をそれぞれ一件ずつ受けていたそうだ。


 宏太と瑠璃は新しく出来た飲食店の手伝い、来綺はゴミ屋敷の掃除をしていた。冒険者の依頼にはこう言った雑用的な仕事も少なからずあるようだ。


 二つの依頼を受けて手に入れた報酬は金貨一枚と銀貨五枚だそうで一人銀貨五枚を稼いだ事になる。


「おいおい、今日は一応休暇日のはずなのに受けて来たのかよ」

「別にいいでしょ?簡単な仕事だったし。それにリリスと二人の時間が出来て嬉しかったでしょ?」

「まあな」


 オレはリリスと二人きりの時間が出来て嬉しかったのは事実だ。


 確かに残りの所持金の額は少なく家具を全て買う程は残っていなかった。それを見越して少しでも稼ごうと依頼を受けたのだろう。


「それよりも昨日言ったように家具はまだ買っていないだろうな?」

「ああ、言われた通りまだ買ってないぜ」


 オレは土地や家を建てる材料を買う時、本来の値段の半額で購入する事が出来た。それは魔族を倒した功積としてこの街の物なら何でも半額に買えるとこの街の長が与えてくれた物だった。


 なので何か購入する際は他の四人に任せるよりもオレが直接買いに行った方が安く済むのだ。


「それじゃあ来てそうそう悪いんだが後ちょっとで完成するから手伝ってくれ」

「何をすればいいの?」

「それじゃあ宏太と来綺は屋根に赤のペンキを塗ってくれ。瑠璃はリリスと一緒に壁に白のペンキを塗ってくれ」

「分かったわ」

「了解」


 瑠璃と来綺は言われた通りにペンキを持ちそれぞれ作業を開始した。


「なあ、リュウガ」

「どうした?お前には屋根の方を頼んだはずだぞ」

「その前に一つ聞かせてくれ」

「何だ?」

「俺のアドバイスはちゃんと役に立ったか?」

「ふっ、そんなの決まってるだろ。リリスと付き合えたのはお前のおかげだ、本当に感謝している」

「そうか、それならよかった」


 オレは宏太には心の底から感謝していた。宏太に相談に乗ってもらっていなければ今こうしてリリスとも付き合えていなかったかもしれない。


 それを聞いて宏太は安心したようだ。自分の言った事がちゃんと役に立っているか心配だったのだ。


「リリスの事、ちゃんと守ってやれよ」

「言われるまでもない」


 リリスの事は命に変えてでも守る、そう固く決心していた。


 それからは五人で作業を行なった事もあって時刻は夕方の六時過ぎ、ようやく新居が完成した。


「しかしまあ、よく一日でこんなにも立派な家が出来たもんだな」

「ええ、リュウガで無ければこんな事は不可能ね」

「リュウガは本当に何でも出来るよな」


 来綺、瑠璃、宏太は改めてたった一日で何も無い場所に家が建ってしまった事に驚いていた。


 瑠璃の言う通りこんな真似はオレ以外には出来ない芸当、どんな職人でもこれ程立派な家を建てるには少なく共ひと月は必要となってくる。


「流石リュウガね」

「これくらいは当然だ」


 オレとリリスは手を握りながら完成した家を眺めていた。完成した家は二階建ての木造建築となっている。


「それじゃあ中に入って見るか。今日からここが俺達の家だ」


 五人はオレに連れられて家の中へと入っていった。


 まず中に入って玄関を上がると中央廊下が広がっておりその廊下の奥には二階へと続く階段があった。廊下の左右にはいくつかの部屋があり全てにドアが付いていた。


「ねぇリュウガ、ちょっと見て回ってもいい?」

「ああ好きに見て来い」

「ありがとう。じゃあ宏太、行こ」

「おう」


 そう言うと瑠璃と宏太は二人で家の中を見回りに行った。


「じゃあ俺も見て来る」

「ああ……そうだお前の為に武器部屋も用意しておいた」

「まじかそいつはありがてぇ。どこにあるんだ?」

「二階の一番右奥だ」

「分かった」


 来綺は二階へと上がり再びリリスと二人きりとなった。


「じゃあ俺達も行くか?」

「うん」


 それからオレはリリスに家の中を案内した。家具は殆ど買っていなく家の中にはちょっとした小物があるくらいだった。


 部屋の数だが一階には大部屋、キッチン、風呂、客間など計八部屋、二階には先程言っていた武器部屋、作業部屋、それから各自の部屋がそれぞれあり計六部屋で合計十四部屋となっている。それからお手洗いは一階と二階にそれぞれ一つずつとなっている。


 それぞれ部屋を見回り始めてから数十分後、五人は二階の廊下に集まっていた。


「瑠璃と宏太は一緒の部屋でいいのか?」

「ええ、そっちの方がいいわ」

「俺も構わない」

「二人部屋は二部屋あるがどっちがいい?」

「……じゃあ左の方で」

「おーけい、そんじゃあ俺とリリスは右だな来綺は俺の隣の部屋を使ってくれ」

「分かった」


 どうやら部屋の割振りが決まったようだ。部屋が決まるとオレは空間収納にしまっていたベッドを取り出しそれぞれの部屋に配置した。このベッドはオレが前もって造っておいた物だ。それはよく出来ており市販の物と比べて何の遜色もなかった。


 それから五人は一階の大部屋に移動して来綺が買って来てくれたバンバーガーを夕食に食べた。オレと来綺は一度食べていたが初めて食べた宏太と瑠璃は懐かしい味に感動していた。


「それじゃあ今日はもう遅いから家具は明日買いに行く事にしよう」

「ええ、そうね」


 夕食を食べ終え風呂から上がった五人は「おやすみ」と言いそれぞれの部屋に戻りベッドに入り眠りについた。


 今日はもう遅いので家具などは明日に買いに行くことにした。しかし一つ問題があった。今の所持金は金貨八枚くらいしかないのだ。半額になるとは言ってもこれだけで家の物を全て揃える事は難しいだろう。


 そうなって来るとまた依頼をこなして稼いでいくしかない。オレは既にBランク、他の四人はCランクだがパーティで挑戦する分にはAランクの依頼まで受ける事が可能となってくる。高ランクの依頼を受ければ確かに稼げるだろうがそれと同時に危険も伴ってくる。それに現状まだオレの創造神の加護はまだ復活していない。


 オレは、どうするか考え悩みながら眠りに入った。

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