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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第一章

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デート

 時刻は十一時過ぎ、昨日は皆あれだけ酔っていて二日酔いが心配されたが誰もそうならずに済んでいた。今日から三日間は休暇と言う事もあってオレは予定が埋まっていた。


 今日はリリスと二人きりで出かける為朝早くから準備をしていた。つまりはデートだ。オレは今までデートの経験は一度もなくどうすればいいのか分からなかったが幸いにも近くに経験者がいたので色々とアドバイスを貰っていた。


(はぁ、ちゃんと上手くリード出来るか心配だ)


 オレは今、宿の外に出て来ていた。しっかり身なりを整えてリリスの到着を待っていた。宏太にアドバイスは聞いてきたが頭の中で想像しているのと実際に行動するのでは多少異なってくる事もあるので心配していた。


 いつもは冷静な判断で仲間達を導いているオレだが恋愛の方はからっきし駄目だ。しかし一度覚えた事は絶対に忘れない記憶力を持っているので不安になるのも最初の方だけだろう。


「リュウガ!お待たせ」


 しばらく待っていると宿からリリスが出て来ていた。オレはその姿を見た瞬間、胸が高鳴った。


「!……リリス……似合っているよその服、とても綺麗だ」

「ありがとう。そう言うリュウガもかっこいいよ」


 まずは宏太に教わったデートが始まる前に相手の服を褒める、を実行した。そう褒めた瞬間、リリスの表情は少し赤くなって照れていたようだった。


 今日のリリスの服装は朝早くに起きて瑠璃と一緒に買いに行ったばかりの物だそうだ。その服は日本で言う所の白いワンピースのような物だった。


「取り敢えず、どっか昼飯でも食いに行こうか」

「うん、そうね」


 オレ達は手を繋いで街を歩き始めた。街を歩いていると多くの者達がオレ達に目を向けていた。どうやらたった一晩の内に魔族を倒した事が街中に知れ渡ってしまっていたようだ。


 だが昨日のように群がってくる者はいなかった。どうやら皆、オレとリリスが二人で手を繋いで歩いている事で事情を察したらしかった。


「リリスは何が食べたい?」

「何でもいい。でも普段あんまり食べた事がない物があったらそれもいいかも」

「分かった。それじゃあ良さそうな店があったらそこに入ろうか」


 しばらく歩いていると右手に飲食店が見えて来た。実に綺麗な店で外の看板には『バンバーガー』と書いていた。


(え、バンバーガー?この名前、まさかとは思うが)


 オレはバンバーガーと言う名前から日本でよく食べていたファーストフードを思い出していた。偶然にしては名前が似ていて少し気になったようで立ち止まっていた。


「気になるならここにする?」

「いいのか?リリスはここで?」

「うん、私は基本何でも食べられるから」

「悪いな。ならここにしよう」


 昼はここに決まり店の中へと入って行った。店に入ると中は外壁と同じく綺麗になっていた。オレ達は案内されて窓側の席に着席した。


「何にするリュウガ?」

「そうだな……」


 オレとリリスはメニューを見て注文を選び始めた。そこには美味しそうなバンバーガーがいくつも載っていた。


「それじゃあ俺はこのオススメのルーベルクバーガーのセットにする」

「じゃあ私はこのエッグチキンバーガーのセット」


 本来なら何種類か食べてみたい所だがお腹いっぱいになってしまうとデートに支障が出てしまうので今回は一つだけにして他の物はまたの機会に頂く事にした。


 それから注文して数分後、実に美味しいそうなバンバーガーが席に届いた。見た目は完全に日本でよく口にしていたファーストフードと一緒だった。サイドメニューのポテトも全く同じだった。


 もしかしたらこのバンバーガーを最初に作った人は召喚者だったのかもしれない。オレはそう考えた。


「美味しそうだな」

「うん、結構大きいね」


 大きさも日本で食べていた物と同じくらいだった。一口食べると肉の旨みが口の中に広がって来た。味も日本のとよく似ていた。


 それから十数分後、オレ達は食べ終わって次行く所について話し合っていた。


「それで次はどこに行くの?リュウガ?」

「それなんだが少し俺の買い物に付き合って貰ってもいいか?」

「いいよ。私はリュウガと一緒ならどこに行っても楽しいから」

「!……そうか俺も同じだよ」


 リリスにそう言われてオレは少しばかり顔が赤くなっていた。


「ちょっと家を建てようと思ってな。土地と木材に鉄、それからペンキも欲しいんだ」

「家を?結構掛かるんじゃない?」

「ああ、おそらく金貨二十枚程掛かるだろう。だが普通に家を買うよりかは断然安い」


 ルーベクにある家は基本安くても金貨百二十枚から百五十枚くらいは掛かる。しかし一から家を建てる分には相当安くなる。この街の土地は安ければ金貨十五枚程で買える所もある。材料費を合わせても今の持ち金で何とか買える金額だった。


「分かった。じゃあ行こう」

「ああ、まずは土地を買いに行こう」


 店を出る前にお会計をしたオレ達だったが何故か店員が「半額にしておきます」と言って値下げしてくれた。二人は何故安くして貰えたのか分からなかったが後ろに次の客が待っていたのですぐに店を出た。


 それからオレ達は土地を買いに行く為に不動産に向かって再び手を繋いで歩き始めた。この街の不動産は二店舗あるがここから歩いて数分程度の距離にある方に向かった。


「いらっしゃいませ」


 その不動産には女性の店員が二人だけいた。オレは中に入るなり早速本題に入った。


「土地を買いたいんだが。予算は金貨十ニ枚って所だがあるか?」

「それなら二件程御座います」


 それからその二件について詳しく話しを聞いた。一件目は金貨十枚と銀貨八枚で買える土地で広さは約三十五坪と五人で暮らすには多少狭く感じた。


 二件目は金貨十ニ枚で買える土地で広さは一件目よりも大きく約四十ニ坪と五人で住むには十分の広さだった。だがオレはこれでも満足しなかった。


「この二件だけか?他には無いのか?」

「他になって来ますと結構値段が上がってくるんですが……ん?その白い髪、青色の瞳、まさかあなたリュウガさんですか?」

「そうだが何か?」

「それなら早く言ってくださいよ!それでは土地の料金は半額とさせていただきますね」

「半額?こちらとしてはありがたい話しだが何故そうなる?」

「あれ?ご存知無かったですか?リュウガさんは魔族を倒した功績でこの街の物を何でも半額で買えるようになったんですよ」

「は?」


 そう女性の言う通り、オレは魔族を倒した事でこの街で買い物をする時何でも半額で買える特権を手に入れていたのだ。これは街の長が決めた事なのだ。だがオレ自身は何も聞かされていなかった。


 これで何故先程、バンバーガー屋で半額にして貰えたのかの理由も分かった。


「リリスは知っていたか?」

「私も知らなかった」

「まあいい、俺としては好都合だ。それなら本来金貨二十四枚以内で買える土地を紹介してくれ」

「かしこまりました」


 それから数十分程、土地の紹介をして貰った。いくつかあった中でオレが特に気に入った土地があった。


 その土地は周りには他の家や店などが無く高地にあり、面積も約六十四坪とかなり広かった。値段の方は金貨二十ニ枚となっているがこれが半額になり金貨十一枚となる。オレはこの土地を購入した。


「ありがとうございました」


 不動産を出たオレ達は再び手を繋いで歩き出した。


「リュウガ、よかったの?土地を見なくて?」

「問題ない。さっき千里眼で見ておいた」

「またいつの間にそんな能力造ったの?」

「不動産に着く前に造った」


 オレは一々土地を見に行く手間を省く為に新たな能力である千里眼を造っていたのだ。千里眼は遠くの場所を見通せる力を持っている。


 それからしばらく歩いていると出店がいくつか並んでいるのが見えて来た。殆ど見た事のない食べ物だったが中には見た事のある食べ物もあった。


「リリス、少し疲れてるだろ。ここで休んでてくれ。俺が何か買って来てやるから」

「ありがとう。じゃあ少し休ませてもらうね」


 オレは出店の方に向かい、リリスはその場に腰を下ろして座った。


 ほんの数分座って待っていると二人の若い男がリリスに話し掛けて来た。


「ねぇ君、今一人?」

「よかったら俺達と遊ばない?」

「人を待っているから無理」

「っち、じゃあそいつの事ほっといて俺達と遊ぼうよ」

「ちょっと、離してよ」


 その男達はリリスが嫌がっている事を知りながら強引にその手を掴んだ。


「おい!てめぇら俺の連れに何手出したんだ!ぶっ飛ばされたいのか?」


 するとそこに丁度、オレが出店から帰って来た。オレはもの凄い形相で男二人を睨み付けていた。


「あ?何だおま……!」

「!その髪、その瞳まさかお前……七宮龍牙か!」

「ああ、そうだが。それよりお前ら覚悟出来てるんだろうな」


 オレの事を見るなり男達の表情は恐怖へと変わっていった。それもそのはず目の前にいるのは魔族を倒した男なのだ。


「……すいませんでした!」

「どうか勘弁してください!」


 男達はオレに向かって土下座した。相手に絶対勝てないと分かり全力で謝ったのだった。


 しかしそれでもオレはまだ怒ったままだった。


「謝って済むと思ってるのか?と言いたい所だがお前達は運がいい。今日の俺は機嫌がいい。今回はこれで許してやるが次は無いぞ!分かったらさっさと消えろ!」


 オレにそう言われると男達は「はい!」と言い全力で逃げて行った。


「ありがとう。リュウガ」

「おう、気にするな。ほらアイスクリームだ」

「ありがとう」


 それから二人はアイスクリームを食べた後、次の目的地に向けて歩き始めた。横から見るリリスの顔は照れていたのか少し赤くなっていた。

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