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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第一章

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リュウガVS中級魔族

 オレと魔族は両者共にそれぞれ一瞬で剣を作成し、剣を交えていた。オレの手には聖剣デュランダル、魔族の手には魔剣ダーインスレイヴが握られていた。


「ふん、流石にこの程度の攻撃は見切られたか」

「当然だ。だが魔族よ、ここまで速い攻撃を見たのは貴様が初めてだ」


 両者はそれぞれ言葉を交わすと一旦距離を取った。そして両者共に剣に魔力を込め始めた。


 数秒後、両者は再び攻め始めた。その攻防は凄まじく、フィールド外でその戦いを見ていた者達には到底視認する事は出来なかった。


 この戦いの中では一瞬の隙が命取りとなる。オレはそれを重々承知していた。


”氷菓聖天(アブソリュートヘブン)”」

「ちっ!」


 オレは相手から少し距離を取り氷属性中級魔法を全力で放った。前方は一面氷付いていた。


 しかし、魔族は間一髪の所で魔法を避けていた。おそらく下級魔族(レッサーデーモン)ごときならば今ので決まっていただろう。だが、中級魔族(ミディアムデーモン)が相手では決まらなかった。


 ちなみに魔族は下から順に下級魔族(レッサーデーモン)中級魔族(ミディアムデーモン)上級魔族(グレーターデーモン)上級魔将(アークデーモン)魔族皇(デーモンロード)の五つの階級がある。


「やってくれたな。ならお返しだ!”獄炎(インフェルノ)”」

「くそ!”氷壁(アイスウォール)”」


 魔族が放った火属性魔法はまるで地獄の業火のような炎だった。これを喰らってしまえばただでは済まないだろう。


 オレは咄嗟に氷の壁を張った。しかし、壁は徐々に崩れていき数秒程で完全に破壊されてしまった。その後、間一髪の所で何とか避ける事に成功した。


「今の攻撃を凌ぐとは中々だな」

「かなりやばかったがな」


 オレは正直焦っていた。自分と相手のステータスの差はほぼ互角だった。しかし技術と経験の差がリュウガを上回っていた。


(仕方ない。これは後で身体が悲鳴を上げるから使いたくなかったんだがやむを得ん)


 次の瞬間、オレの魔力が高まった。そして数秒後、魔力が限界を超えた。


 そうオレの取った手段は限界突破だ。この能力を使えばリュウガの全てのステータスは一時的に上昇させる事が出来る。しかしデメリットとして、使った後に全身が悲鳴を上げ動けなくなる程に痛くなる。


「いくぞ」

「来い!もっと俺を楽しませろ」


 オレは先程よりも更に速いスピードで魔族に向かって攻撃を仕掛ける。そして至近距離で何度も拳を全力で振るった。


 魔族も何とか避けるがオレのスピードが徐々に加速していきついに拳が顔に直撃した。


「ぺっ!やるじゃねぇか。さっきよりも更に良くなってやがる」

「そりゃどうも」


 魔族は口から血を吐き、リュウガの攻撃を褒めていた。


「次はこれでも喰らいやがれ」


 オレはそう言うと右手に魔力を込め始めた。それを見た魔族は危険と判断し同じく右手に魔力を集中させた。


 その光景を見ていたアイクと試験官達は「なんて魔力だ」と口を揃えて呟いていた。


「俺の最強の水魔法を喰らいやがれ、”神秘海洋(ネプトゥヌース)”」

「悪いがそれはこちらのセリフだ。”細氷(ダイアモンドダスト)”」


 オレは水の上級魔法を放った。右手から放たれた魔法は巨大な渦を撒きまるで渦潮のようだった。


 対する魔族は氷の上級魔法を放った。その魔法は鋭い氷の刃を無数に発生させ、その周りは全て凍り付いていた。


 互いの魔法はぶつかり合い両者共に一歩たりとも譲らなかった。少しでも気が抜けて仕舞えばその隙を突かれて押し負けてしまうだろう。そのためどちらも真剣な表情をしていた。


 しかし数十秒程、ぶつかり合っていると互角だった状況に変化が徐々に訪れ始めた。


「なっ!」

「ふっ、勝負は決まったようだな」


 そう押され始めたのはオレだった。オレの水魔法が魔族の氷魔法の影響を受けて徐々に凍り始めたのだった。


 負けじと全力を出し続けるがそれでもこの影響を止めることができなかった。このままでは後数秒後にはオレ自身まで凍り付いてしまう。そうなれば勝負が決まってしまう。


(くそ!こうなれば……しかしあれはまだ未完成……今の俺に出来るのか?……いや出来なければ俺はここで死ぬ、やるしかない)


 そして次の瞬間、オレは左手にも魔力を込め始めた。そうオレがやろうとしているのは二つの魔法を同時に使用する事だ。


 しかしこれはまだ未完成で確実に出来る保証はない。これは言うなれば賭けだ。失敗すれば待っているのは死。


(頼む!発動してくれ)


「”獄炎(インフェルノ)”」


 次の瞬間、先程魔族が使用していたのと同じ魔法を左手から放った。どうやら上手く成功したようだ。


 更に獄炎(インフェルノ)を発動した数秒後、神秘海洋ネプトゥヌースを解除し火属性中級魔法の真炎(アグナ)を放った。


「なっ!ダブルマジックだと!」


 それを見ていたアイクはオレが二つの魔法を同時に使用した事に驚いていた。なぜなら二つ以上の魔法を同時に扱う事の出来る者はこの世界には十数人程度しか存在しないからだ。


 劣勢だったオレは火魔法で相手の氷魔法を徐々に溶かしていき何とか互角の状況まで立て直した。


「馬鹿な!この俺が押され始めている!しかもダブルマジックだと!」


 後ほんの少しで押し切れた所から今の状況まで立て直されて魔族は焦っていた。


「残念だがこのまま押し切らせてもらう!はぁぁっ!」

「くそ!何故だ!押し切られる!」


 オレの魔法は止まる事なく魔族の魔法を溶かしていき後数秒で完全に押し切れる所まで来ていた。


 魔族も負けじと力を振り絞っているが少したりとも押し返せないでいた。


「これで終わりだ!」

「ちくしょう!こんなはずでは、こんなはずではなかった!」


 オレの魔法は魔族に直撃し、大爆発を起こしていた。辺りは一面、煙に覆われていた。


 オレは勝利を確信したのか、フィールドを後にし外へと出た。そして近くにいたアイクに念のためまだフィールド内に入らないように伝えた。


「お疲れリュウガ」

「凄い戦いだったな!」

「初めて見たぜ!リュウガが苦戦してるの」

「ちょっと心配した。でも流石リュウガ、魔族に勝つなんて」


「そうだな、今回ばかりはマジで死ぬかと思っ!っち!」


 オレの戦いを観戦していた瑠璃、来綺、宏太、リリスがそれぞれ労いの言葉を掛けた。


 四人共、オレが負ける事など考えてはいなかったが今回は相手が相手なだけにかなり心配していた。


 実際オレも今回は死にそうになった場面がいくつもあり終始ギリギリの戦いをしていた。最後のダブルマジックなど正直賭けでしかなかった。だがオレは一度覚えてしまった事は絶対に忘れない。今後はダブルマジックの失敗はあり得ないだろう。


 そして、やはり限界突破を使用した反動が襲ってきた。全身に痛みが走ってきた。常人ならば動く事すらままならないだろう。しかしオレは何とか堪えていた。


「で、ギルドマスター。俺の昇格試験はどうなるんだ?」

「あ…ああ、昇格試験は受けなくていい。お前は魔族を倒した。試験免除でC級昇格だ。」

「そうか。それならよかった」


 試験は受けずに昇格という事になった。別に不思議な事は一つもないオレは中級魔族を倒したのだ。当然の処置と言えるだろう。


 そうこうしているとフィールド内を覆っていた煙が無くなり中の様子がはっきりと見えるようになってきた。目を凝らすとそこには倒れている魔族の姿があった。


「それでは死体の確認にい…」

「待て、先に俺が行く。もし生きていたらあんたらじゃ対処出来ないだろ?」

「そ……そうだな。では頼む」


 そう言うとオレは再びフィールド内へと入っていった。魔族が倒れている所まで歩み寄ると生死を確認し始めた。


(見たところ完全に死んでいるな)


「おい!大丈夫だ!この魔族はもう死んでいっ!」


 魔族が死んでいる事を報告しようと死体に背を向けた瞬間、後方から攻撃が仕掛けられた。


 オレは背中に重傷を負ってしまい血が大量に出ていた。その痛みは今まで感じた事がない程だった。


「油断したな」

「っ!何故だ、お前は確実に死んでいた筈だ」

「確かに貴様から見たらそうだっただろう。だが俺は自らの肉体と魂を一時的に切り離す事により他人から完全に死んだと思い込ませる事が出来るのだ」


 そう、最悪な事にこの魔族は肉体と魂の分離を可能としている。これは生まれ持った力であり能力ではないのでオレが気づかなかったのも無理はない。


 そして死んだと思い込んだオレは敵に背を向けてしまい深いダメージを負ってしまった。


「さあどうする?貴様ならばその傷を癒すのは容易い事だろうが時間が掛かるだろう?この状況で勝てるとは思わない事だな」

「くそ!まじでやばいな」


 一瞬の油断で最悪の状況に追い込まれてしまった。オレは傷を癒し始めるが完治するには少し時間がかかる。その間、敵の攻撃を防ぎきらなければならない。

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