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異世界召喚された俺は最強職を得て無双する  作者: 鬼丸海
第一章

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ランク昇格試験

「ランク昇格?俺達はまだ一つの依頼しかやってないぞ」


 アイクから告げられた言葉にオレ達は疑問を抱いていた。まだ冒険者になったばかりだというのにもう昇格の話しが出てくるとは思ってもいなかったのだ。


「まあ、確かにそうだがお前達の実力は確かだ。それにリュウガに関しては神職だ。ランク昇格に文句を言う連中は入るまい」

「と言うことは俺達五人共が全員ランク昇格という事か?」

「ああ、だが昇格試験は受けてもらう事になる。こればかりは決まりだからな」


 どうやらアイク曰く、実力がある者は早い段階でランクを昇級させておきたいそうだ。その方が高ランクの依頼を受ける事ができ、ギルド側としてもありがたいのだろう。


 しかし、昇格試験は受けなければならない。この試験に合格したなら晴れてランク昇格となる。


「それじゃあ私達はその試験に合格すればDランクに昇格という事ですか?」

「ああ、その通りだ。だがリュウガだけは別だ」

「別?」

「リュウガにはDランクを飛ばしてCランクの昇格試験を受けてもらう」


 アイクが言うには、来綺、宏太、瑠璃、リリスの四人には本来の規定通りDランクの試験を受けさせ、リュウガにはCランクの試験を受けさせると言う事だった。


 本来はランクを飛ばしての昇格試験は不可能なのだが、神職であるリュウガは特例で許されるそうだ。


「だが、それだとメンバー同士でランクが異なりパーティが組めなくなるんじゃないか?」

「大丈夫だ。ランクが一緒でなければならないのはパーティ結成時と加入時のみだ」


 どうやらパーティ結成時と加入時以外はランクが別でも問題がないそうだ。また仮に新たなメンバーが加入する時はそのメンバーがパーティ内の一番下のランクの者と同じかそれ以上ならば加入出来るそうだ。


「なるほど。それなら安心だ」

「それで試験の内容は何ですか?」


 宏太がアイクに尋ねた。アイクはそれに応え試験内容の説明を始めた。


「ああ、それでは説明する。試験内容はランクで異なってくるがDランクの試験もCランクの試験もお前らの実力があれば楽勝に合格すると思うぞ」


 アイクの見立てではオレ達の実力ならば五人全員が確実に合格すると踏んでいる。


 しかし、オレを除いた四人からは少し不安な表情が見受けられた。そんな中でオレ余裕を露わにした様子を浮かべていた。


 それもそのはずオレの実力は既にSランク冒険者に匹敵する。自分で言うのも何だがこのギルドでは現時点で最強と言えるだろう。


「試験はこの後行なってもらうが、試験内容はどのランクも攻撃職と支援職のニ種類存在する」


 話しによるとDランクは攻撃職の試験はギルド側が用意したモンスターを倒す事。支援職は怪我をしている試験官を治療する事となっている。


 オレが受けるCランクの試験はギルド側が用意した試験官を倒すかCランク相当の実力を見せる事となっている。


「もし、不合格の場合でも五日以上開けてからまた挑戦する事が可能となっている」

「オーケー、試験内容は理解した。早速始めるのか?」

「いや、少し準備があるから少々待っててくれ」


 そう言うと、アイクは準備に取り掛かる為に部屋から出て行った。


 ちなみに試験は例え何回不合格になってもその挑戦権を失う事は無いそうだ。しかし、殆どの冒険者は大体三回以内には合格しているそうだ。


「まあ、気楽にやろうぜ。ギルドマスターも俺達の実力なら楽勝だって言ってただろ?」

「……まあ、そうなんだけど、なあ宏太」

「ああ、こんな早くに試験受けて本当に受かるのか心配でよ」

「私も少し不安よ……」


 オレが不安げな表情を浮かべている皆に声を掛けて少しでも表情を和らげようとするが来綺、宏太、瑠璃は自身無さげな言葉を発した。


「私は自信ある。午前中はリュウガに色々教えてもらったし」

「流石だなリリス」


 そんな中、リリスは自信満々の表情をしていた。


 それもそのはず試験内容は回復魔法。リリスの回復魔法はオレも目を見張る。回復魔法に関して言えばオレに匹敵する程なのだ。


「来綺も宏太も瑠璃も少しはリリスみたいに自信つけろよ。お前らの実力は既にBランク近くはあると俺は見ている。Dランクの試験ぐらい楽勝に合格出来るさ」

「そうか。お前がそう言うなら大丈夫だな」

「俺も何だか自信ついてきたぞ」

「絶対合格するわ」


 オレに言われて宏太、来綺、瑠璃の三人共自信がついたようだ。


 それからしばらく五人で雑談をしながら待っていると部屋にアイクが戻ってきた。


「五人共準備が整った。ついてきてくれ」


 オレ達はアイクの後に着いて行った。


 少し歩くと下へと降りていく階段が見え、アイクはその階段を下った。オレ達も後に続いた。


 階段を下った先には訓練場のような設備が広がっていた。どうやらここで試験を行うようだ。


「試験は一人ずつ行う。先にDランクの試験から行うのでリュウガは最後で頼む」

「分かった」

「一番手、俺から行っていいですか?」

「よし、じゃあフィールドに入ってくれ」


 まずは宏太から挑戦するようだ。フィールドに入ると五匹のモンスターが待ち構えていた。黒狼(ブラックウルフ)だ。


「それではDランク昇格試験始め!」


 試験官が試験開始の合図をしたと共に黒狼(ブラックウルフ)が宏太へと襲い掛かった。


 宏太はまず先に襲いかかったて来た二匹の攻撃を危なげなく躱した。そしてすぐさまその二匹に向けて魔法を放った。


「”熱火(フレア)”」


 宏太は火属性初級魔法を放った。その魔法は見事に敵に命中しなす術なく倒れた。


 しかしすぐに残りの三体も宏太の方へと迫って来た。宏太は少し距離を取り右手を上げた。


「”風槍(ウィンドスピア)”」


 そう唱えると三つの風の槍が現れた。宏太が右手を振りかざすと三匹の敵に向かってそれぞれ槍が飛んでいった。その槍は敵に全て直撃し倒れた。


「そこまで!」


 するとここで試験官が手を挙げ試験は終了した。


 結果は後で全員終わってから告げられるそうだが、この結果ならまず間違いなく合格したと言っていいだろう。


「宏太やったわね」

「結果はまだ分からないがリュウガの言ってた通り楽勝だったな」

「まああの結果なら間違いなく合格だろう」

「そうか、なら安心だ」


 オレにそう言われて宏太は安心したようだ。


 次に試験を受けたのは瑠璃だった。瑠璃は魔弓士、常に距離を保ちながら戦闘を行なっていた。こちらも危なげなく試験を終えた。その後の来綺も難なく試験を終えた。


 最後にDランクの試験を受けるのはリリスだ。リリスの才職は聖治癒師なので試験内容は前の三人とは違い怪我をしている試験官を制限時間で何人治癒出来るかだ。


 用意されている試験官は五人。制限時間は三分で何人治療出来るかが試される。つまりこの言い方だと五人全員治癒出来れば合格は確実ということになる。しかし今までに全員の治癒を出来た者はいないそうだ。


「リリス頑張れよ」

「うん、行ってくる」


 リリスはそう言うとフィールドに入った。フィールド内には既に傷を負っている五人の試験官が倒れていた。ちなみにこの試験官達は傷で痛みが出ないように痛覚無効の能力を使用しているので無理に急いで治療しようとする必要はない。


「それでは始め!」


 リリスは始まると同時にまず近くに倒れている二人を同時に治療し始めた。


「ほう、二人同時に治療出来るとは大したものだな」


 リリスの治癒能力を見てアイクは感心していた。


 僅か二十秒程で二人の治療が完了した。本来治癒師は一人の治癒に平均三十秒程掛かるのだが、リリスの治癒能力はその比ではなかった。


 そして次の二人の治療も終えて残り時間を二分も残して最後の一人となった。


「流石だな、リリスは」

「これだけ時間が残ってるなら楽勝ね!」

「いや、最後の一人はそう簡単にはいかないだろう」

「どう言う事だ?」

「まあ、見れば分かる」


 アイクの言葉通りリュウガはフィールドの方に顔を向けた。リリスは最後の一人の状態を見て立ち竦まっていた。


「これは!」


 リリスの前に倒れている試験官の傷は既に治療した四人とは比べ物にならなかった。身体中に傷があり出ている血は血死量に近かった。


 流石におかしいと悟ったオレはアイクに問いただしてみた。


「おい!あの血の量どう考えてもおかしいだろ。あいつ本当は試験官じゃないな!」

「ほう、流石に気付いたか。察した通りあの者は試験官ではない既に死刑が決まっている罪人だ」


 あの倒れている男の正体は罪人だった。それを知った瞬間オレの表情は怒りを露わにしていた。

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