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魔人サイド:パーティーメンバー


一方その頃(2)

魔人サイドの能力説明回です。




/3人称視点/


 ――― 豪華な装飾が施された一室 ―――

 

 長テーブルには金銀の器皿が並び。

 盛りだくさんの料理が美しく盛り付けられている。


 上座に位置する龍人ボルカーは、優雅にワインを片手に持ち、饗宴(きょうえん)を楽しむかのように微笑んでいる。



 ボルカーは親善試合が終わり、配下を集め饗宴を開催したのだ。



「アドリアンくん。経過は順調かね?」

  ボルカーが問いかけると。


 食事を楽しむアドリアン・ウォルバクが元気よく答えた。

「問題ないのでありまする! 実験も順調で、まもなく量産化の段階に入る予定であります!」


「それは重畳だ」

 ボルカーは頷くと、さらに続ける。

「最近の進展について、もう少し教えてくれないか?」


「はい! 被検体478号が……」

 アドリアンは目を輝かせて話し始める。

 これまでの実験結果やそれがどのように軍務に役立つか、また自身が研究している生物兵器などを自慢するかのようにボルカーに語り聞かせた。


 ボルカーは満足げに頷き。

「それは素晴らしい。次の戦闘での実戦投入が楽しみだな」


「必ずや! なのでありまする。(はらわた)を突き破って『虫』が飛び出て、きっと戦場は大盛り上がりなのでありまする。それだけではありませぬ! 只今(ただいま)、人の胚にて魔物が受胎するか研究中なのでありまする!」


 ボルカーは頷く。

 笑みを浮かべたまま話題を切り替えた。

「ところで……セリーナくんから貸渡されていた本があったと思うのだが」


「あれはなくなったのである」

 アドリアンが無邪気に返答する。


「そうか……」

 ボルカーはにこやかな表情を保ちながら。

 目の奥には冷徹な炎が宿っている。

「あれは貴重な資料だから、ぜひとも回収したいと思うのだが」


「きっと雪山に落ちているのでありまする」

 アドリアンは軽口を叩く。


「……」

 その様子を見ていたセリーナ・アリエルは、思わず眉をひそめる。彼女はボルカーの恐ろしさを知っているため、アドリアンの軽い口調が逆に不安を煽るのだ。

 

 彼女の手元に握られたカップが震える。


 セリーナは強者である。

 雷の付与(エンチャント)魔術を使いこなす聖教会筆頭騎士であり距離(ディヴァイン)を超えた刺突(スラスト)を扱う。遠距離射程の刺突で、遠距離に位置する敵を貫く。

 

 そんな彼女が怯えていたのだ。


「ボルカー殿。ご歓談の所、申し訳ありませんが」

 セリーナの隣に座る品の良い老人が口を開いた。


 聖教会の現枢機卿、アレクシオン・フォルティスだ。


「なんだね?」


「間もなく宴も(たけなわ)となりますが、オルフェリオ殿とハインケル殿の姿が見当たりません」

 とアレクシオンは不安を口にした。


 アレクシオンは老いて死を恐れる権力者である。魔力適正の低い『人』や『人形』を操る傀儡術:『マリオネット・ドミネーション』の使い手である。システリッサの故郷『聖マグノリア』にて、貧者と共に暗躍し、内紛のきっかけを作り出した唾棄すべき魔術師の1人である。


「ハインケルは公務。オルフェリオは死んだようだ」


 ボルカーは冷たく告げる。


「「!?」」


 セリーナとアレクシオンは驚愕した。


「敵対勢力が紛れ込んでいるようだな」

 と、ボルカーは続けた。


「そ、そうですか。アークスの者ですか?」

 セリーナが不安を抱えつつ尋ねる。


「さて……どうかな」

 ボルカーは言葉を濁し、薄ら笑いを浮かべた。


 その時、扉が開き。


 黒い鎧を纏ったハインケルが入室した。

「遅くなり、申し訳ございません」


「遅かったな。もう食事は終わるぞ」

 ボルカーが言うと、ハインケルは不敵な笑みを浮かべた。


「おや、残念」

 ハインケルは肩を落とす。


「それで? ネズミは見つかったか?」


「はい。見つけ次第、跡形も無く消毒致しました」

 ハインケルは堂々と答える。


「では、よい」


 ハインケル・アイゼンリッターはガリア帝国騎士団長であり、魔人(ディモニック)(リヴァイヴ)を常時発動させる。


 魔人薬を自我を保ったまま適用させた唯一の『人魔』だ。

 

 彼の能力は、爆発の魔術を操ること。同時に魔剣のレプリカ装備である外骨格型武装(アイゼン・スカルド)を完璧に操ることができる。

 

 食事会の雰囲気は、緊張感と不穏な空気が漂いながらも、ボルカーの優雅な振る舞いにより表面的には穏やかに保たれていた。しかし、その裏には陰謀と計略が渦巻いているのだった。


 



初期設定 

アドリアン と セリーナ(変更あるかもです)

―――――――――


アドリアン・ウォルバク


能力詳細:

1. 触手弾 - 「リビング・ブレット」


アドリアン・ウォルバクの能力は、「触手弾」と呼ばれる特殊な弾丸を使った攻撃です。この弾丸はただの物理的な弾丸ではなく、着弾した瞬間に生物的な触手に変化し、敵を絡め取り、破壊します。


弾丸の発射:アドリアンは自身が開発した特殊な銃や錬金術的な道具を用いて、触手弾を撃ち出す。弾丸は極めて高い精度とスピードを持っており、通常の銃弾と見分けがつかない。


着弾時の変異:弾丸が標的に着弾すると、瞬時に弾丸が生物的な触手に変化し、敵や周囲に張り付く。触手は即座に分裂再生を繰り返し、標的を包み込むように増殖していく。標的が抵抗すると、その触手はさらに増殖し、より強く拘束する。


再生分裂:触手は驚異的な再生能力を持ち、切断されても瞬時に再生し、分裂して数を増やす。そのため、一度発生した触手は破壊が非常に難しく、標的にとって絶え間ない脅威となる。


触手の攻撃性:触手は捕獲するだけでなく、物理的に敵を引き裂いたり、体内に侵入して内部から破壊することも可能。触手はアドリアンの意志に従い、柔軟に攻撃や拘束の役割を果たす。


2. 狂気の錬金術師 - 「マッド・アルケミスト」


アドリアンは狂気に取り憑かれた錬金術師であり、彼の錬金術は常軌を逸しています。生物と機械の融合や、人間の精神を狂わせる異常な化学物質を作り出す能力を持っています。


異常な発明:アドリアンは錬金術によって、異常な兵器や道具を生み出している。触手弾だけでなく、敵を幻覚や錯乱状態に追い込むガス弾や、身体を変異させる薬物など、非人道的な発明を繰り返している。


触手弾の進化:アドリアンは常に触手弾を改良しており、敵の対策に応じて新たな能力を持たせることができる。たとえば、特定の魔法障壁を突破する触手や、対魔法反応型の触手弾など、状況に応じた攻撃手段を持つ。


狂気の影響:彼の錬金術はその狂気に基づいており、科学的・魔法的な理論に沿っているものの、予測不能な副作用が発生することがある。時折、自身の発明が自分をも脅かす存在となるが、彼はそれを恐れず、むしろ喜びを感じるほど狂気に囚われている。


3. 触手弾の応用

アドリアンは触手弾を戦術的に多彩に使いこなしており、直接的な戦闘だけでなく、トラップや妨害工作にも利用しています。


触手地雷:地面や壁に触手弾を埋め込み、敵が近づくと発動する罠として使える。触手が急速に成長し、範囲内の敵を絡め取る。


触手の盾:触手弾を利用して、自身を守るバリアとして使うことも可能。弾丸を自分の周囲に展開し、触手が敵の攻撃を吸収したり、弾き返す形で防御を行う。


制圧効果:触手弾が放たれたエリアは触手が支配する領域となり、敵の動きを封じることができる。触手は生き物のように動き回り、周囲のものを攻撃し続けるため、その場を制圧するには極めて有効。


戦術:

アドリアンは、触手弾を使って敵を遠距離から追い詰め、捕縛・破壊を行います。彼の戦い方は直接的な攻撃だけでなく、触手を利用して敵の行動を封じ込め、徐々に精神的にも肉体的にも追い詰める「狡猾で冷酷な戦術」を好みます。


―――――――――――――――――



聖教会筆頭騎士:セリーナ・アリエル


能力詳細:


1. 距離を超えた刺突 - 「ディヴァイン・スラスト」


セリーナの特筆すべき能力は、細剣を用いた「距離を超えた刺突」です。通常の刺突とは異なり、剣の射程に縛られることなく、遠距離にいる敵にも正確な攻撃を行うことができます。この技術は、彼女の高い集中力と魔術の融合によるものであり、物理的な距離を無視した攻撃が可能です。


無限射程の刺突:セリーナは、物理的な剣の長さに縛られず、何メートル、何十メートル離れていても、敵に刺突を届かせることができます。この「刺突」は、実際に剣が敵に到達するわけではなく、彼女の意思と細剣に宿った魔力によって放たれるエネルギーのようなものが、敵を貫きます。視界に捉えた敵であれば、遠距離にいても一撃で仕留めることが可能です。


貫通能力:セリーナの刺突は、敵の鎧や盾を容易に貫通し、内部を貫く。この能力は魔力によって強化されており、通常の防御手段では防ぎきれない。また、複数の敵を一撃で貫くことも可能です。


反射攻撃:セリーナは剣技を駆使して、一度放った刺突を軌道修正したり、壁や障害物に反射させて敵を奇襲することができる。これにより、複雑な地形でも柔軟な攻撃が可能になります。


2. 雷の魔術 - 「ライトニング・エンチャント」


セリーナは雷の魔術を扱うことにも長けており、細剣に雷を宿らせることで攻撃力をさらに高めています。雷の魔術は近接戦闘で威力を発揮するだけでなく、遠距離からの広範囲攻撃や、相手の動きを封じるためにも用いられます。


雷属性の付与:セリーナは細剣に雷の魔力を宿らせ、刺突の際に電撃を伴うダメージを与えます。これにより、敵は刺突による物理的な傷だけでなく、電撃による麻痺や内部損傷も受けることになります。特に金属製の鎧を着た相手には、雷撃が鎧を伝って全身にダメージを与えるため効果が高い。


電光石火のスピード:雷の魔術を利用することで、セリーナは自身のスピードをも加速させることが可能。雷の如く素早い動きで敵を撹乱し、反撃の隙を与えません。彼女の動きは閃光のように速く、相手が気づく前に攻撃を終えることもしばしば。


3. 細剣の技術


セリーナは卓越した細剣の使い手であり、その技術は雷の魔術や距離を超えた刺突と組み合わせて、極めて洗練されています。


一撃必殺の精度:彼女の剣技は無駄がなく、どの一撃も致命的なポイントを狙っている。長い訓練を積んだセリーナは、相手の弱点を瞬時に見抜き、最も効率的な一撃で仕留めます。


防御とカウンター:細剣の軽快さを活かし、敵の攻撃を最小限の動きでかわし、即座にカウンターを放つことができる。特に雷の魔術と組み合わせることで、カウンター攻撃に追加の電撃ダメージを付与できる。


戦術:

セリーナ・アリエルは、距離を問わず敵を正確に仕留める「精密刺突」と「雷の魔術」を組み合わせた攻撃が特徴です。遠距離からの射程無視の攻撃と、近距離での雷撃を駆使して、あらゆる距離に対応できる柔軟な戦闘スタイルを持ちます。


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