鐘の音を鳴らせ!① 親善試合のルール
4座の学園。
総勢80名による親善試合の内容は探索戦。
首都プライマの背にそびえる大霊峰セリュオンで行われる。
マホロの地にある仮想システムと同様、この霊峰にも特殊な結界術が施してあるようであった。つまり死ぬ事はないが、勝負で敗北すれば脱落する仕様。
試合のルールと勝利条件は単純であった。
勝利条件は『鐘を鳴らす』事。
ルールは3つ。
① 鐘を鳴らす聖堂は霊峰の峰にあり、金槌は霊峰の麓にある聖堂に配置されている。
② 72時間の制限時間内に霊峰の峰にある聖堂の鐘を、麓にあった金槌を使い鳴らす事。鳴らした瞬間に金槌を持っていたプレイヤーが所属する学園を勝者とする。
③ 金槌を持つプレイヤーは魔術・スキル・アーツの使用不可のペナルティを受ける。違反した場合は失格とする。(金槌を持つプレイヤーを抱える者も同様のルールを適用する)
これだけである。
つまり勝者は1校しか出てこない。
ちなみに……金槌は手で持てるほどの大きさとの事だ。
この試合、シーカー戦であるが。
かなり戦略性が求められる。
チーム戦としても個人戦としても上手く機能している。
ペナルティがある以上。
俺一人では絶対に攻略出来ない仕様になっている点も痛い。
このゲームの戦略はゲーマー俺が思い浮かぶだけでも。
①金槌の確保と防衛。
②霊峰の攻略。
③敵チームとの競り合い。
④時間制限。
⑤ペナルティの影響。
これだけある。
天才の翡翠に助言を求めれば、攻略本を用意してくれるだろうが、今回は組織の力は借りる気はない。マリアの挑戦を正々堂々と受けてやる為だ。
明日行われる親善試合。
「さて、どうしたものか」




