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ヘッジメイズ筆頭騎士


 ファントム。

 世間的には魔人エネは風音によって討伐されたと公表された。

 風音と一騎打ちをした後の出来事からは早かった。


 貧者を倒し一線を画す異次元の能力を獲得した風音。


 アイツが覚醒してから物語の進行スピードが飛躍的に加速したのだ。

 

 勇者パーティーは内乱の起きている軍事国家に攻め入るとあっさりマニアクスの1人。幻魔リリスを苦も無く討ち取ったのだ。アイツは内乱を治めた英雄として世間的にも称賛され始め、俺の技量を継承したアイツは剣聖とすら囁かれるようになっていた。


 俺がハリセンで風音の頭を引っ叩いたあの日からたった数日の出来事であった。

 

 ・

 ・

 ・


 秋特有のうろこ雲が空に浮かんでいた。 


 ボーっと眺めながら考え込む。

 残る魔人はあと一人:ボルカー。

 終末の騎士は残り2騎。


 終わりが見えてきたな。


 風音の強さなら、全ての攻略は可能かもしれない。

 少なくとも魔人の方は大丈夫だと思う。

 残りの終末は俺の仕込んだ核撃で葬り去ればゲームセットだ。

 

 俺の役目も同様に終わりが近づいている。

 今が10月の終わり。

  

「先輩。聞いてます?」


「え?」

 小町の奴との鍛錬。

 昼休憩の時分であった。

「なんだっけ?」


「いやぁ。だからですね! 男の子に戻って良かったですね!」


「え、ああ。そうだな」


「もっと喜んだらいいのに! テンション低いなぁ!」


「どうした小町。なんかいい事あったのか?」


「なんでもないです!」


「あっそ」


 いつもより機嫌のいい小町。

 今日は女の子の日じゃないようだ。


「どうしたんです。浮かない顔をして」


「ん? そうか?」


「そうです! そうです! そういや世間的にちょっと物騒な感じになってますけど、今年も開催されるようですよ」


「何が?」


「親善試合ですよ。4つの魔法学園の」


「ああ。それね」

 

 ゲームメガシュヴァの期間限定イベントだ。

 ストーリーの本筋には殆ど関わって来ない無視していいイベントである。


 この世界は現代風な世界観でありながら魔法による戦力重視なファンタジーテイストのある世界観である。魔法バトルが娯楽の一種になっているトンデモ時空。

 

 前世のオリンピックとか世界陸上とかそんな催し物に近い。

 

 形式的には親善試合だが。

 4つの学園の中から誰が一番強いのかを決める。

 非常にシンプルな代物。


「今回はヒノモトの開催が見送られて、ガリアの方で開催するらしいです。石造りで有名なカリアティード聖教会ですよ!」


 ガリアか。魔人:ボルカーが宰相を務める国。

 因果なモノだな。

 メガシュヴァでのイベントではマホロ開催だったけどなんかあったのか?


「へぇ~。なんで突然」

 

「ほら。トウキョウでのミサイルの事故があったじゃないですか。あれが原因らしいです。急遽開催地を変更したようです。すぐに受け入れ可能だったのがガリアだけだったようです」


 顔を引きつらせて。

「……そ、そうか」


 俺のせいだったわ。

 開催地変更は俺が原因だったわ。


「先輩も準備した方がいいんじゃないです? 今年のマホロは精鋭揃いですし」


「なんでだよ? 俺は出ないぞ。出る訳ないじゃん。マホロの上位勢から外れてるんだから」


「いやいや。何言ってるんですか。先輩はヘッジメイズの代表選手として出るんですよ。選ばれてますよ」


「え? まじ?」


「なんで私が冗談言うんですか?」 

 小町はスマホを取り出し、学園の広報誌を見せてきた。

「ほらね」


 4座の魔法学園の代表選手がずらずらと書き出されている。

 ヘッジメイズの筆頭には俺の名がデカデカと記されていた。


「がっは!?」


 そういや俺はマホロ学園生じゃなかった。

 マホロを退学になったヘッジメイズからの留学生。

 主席を取ってしまったヘッジメイズ所属の筆頭騎士だったわ。

 

 


3部 聖教会編 開始です。


 読者の皆様へお願い

 いつも温かいご支援、ありがとうございます。

 もし最後までこの物語にお付き合いいただける方がいらっしゃるのであれば、ぜひ「いいね」や感想欄に一言コメントをいただけると、非常に嬉しいです。

 勿論、ブクマや評価ポイントも歓迎です。


 皆様の反応が、私にとって何よりの励みとなります。

 どんな小さな声でも、私には大きな支えです。

 一緒にこの物語を最後まで紡いでいけることを、心より願っております。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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