プロローグ⑥ 真の強さとは心の強さだって? 鼻で笑うんだが。貴様ブラック企業の差し金だな?
俺は強さとは何なのか常に考えていた。
心の強さというのはなし。
あれは詭弁、妄言、イカレた発言だ。
あれは逃げだ。
精神論で片付ける奴はブラック企業特有の精神に蝕まれている。早く心療内科を受診した方がいい。
心の強さは役に立ちませんよ。現実はもっと非情なんだ。
やれノルマだ、やれ経費削減だ、を精神論では乗り越えられませんよ。
人間はもっと情動的で卑しい生き物なの。
精神論で何でも片付けようとするからブラック企業が蔓延るんだ。
【もっと賃金上げてこうぜ!】デモを活発に行うべきだ。
なんで個人に訳の分からん資産が集中してんだよ。
個人資産が兆は流石にやりすぎなんだよ。どんだけ強欲なんだ!? 俺は驚きだよ。
話を戻そうか。
強さとはなんだろうか?
力?
富?
名声?
見た目?
「あまりにも笑止」
笑止である。
愚か者の考える事はいつもこうだ。
ジョンの言っていた愚行権なるものは知ってるさ。
アホな選択をする愚か者をこき下ろす気はサラサラないが、へそで茶が沸くとはこの事だ。
力?
いや、捕まるから。ポリスメンに通報だよ。
力ってなんだよ。笑うんだが。いくら喧嘩が強くても意味ねぇから。暴力反対。暴力で何でも解決できると思うなよ。文明人なめんな。
では金?
富は……まぁ一理ある。いやもしかしたら百里あるかもしれない。認めてやろう。金と第一に言った者よ。
お前は俺と同じ俗物だ。マネーの重要性を知る者こそ俺の隣に立つ事を認めてやろう。だがこれも残念ながら違う。
名声?
客寄せパンダの事ね。以上。
見た目?
メスガキ共はこう言うだろう。「顔かなぁ~」って。
はぁ?
顔なんてものは記号だ。記号の一種でしかない。人間顔面の表皮を剥いだら全員同じだっつーの。全員しゃれこうべなんだよ。
結果発表をせねばならん。
「強さとは星の優劣で決まる」
フッ。どうだろう。
あまりにも模範解答。完璧ではないだろうか?
・
・
・
・
・
メガシュバのキャラには星によってレア度がある。
その星の枠組みの中でもTier1、Tier2と強さに優劣がある。
差が出てくるのは基礎ステータス、固有魔法、固有アーツ、固有スキル、専用装備。
まぁこんなところだろうか。
星とはレアリティ。つまりキャラクターのレア度だ。
マックスのレア度が5と仮定した場合、大抵ゲームの強キャラは星5である。
そこから星の数が減るごとにキャラクターの能力は減少していく。
つまり弱い傾向にある。
無論、すべてのキャラがそうであるわけではない。特に運営のお気に入りは星の優劣関係なく強い。
これはマジ。
星3キャラのレベル100と星5キャラのレベル50を戦わせればさすがに星3キャラに軍配が上がる。
しかし星5キャラレベル100と星3のレベル100キャラが単純に戦えば、ステータス差で星5キャラに軍配が上がる。
まぁ何が言いたいのかと言うと、星1つの差は大きい。
レアリティが一つ下がるだけで大きなステータス差が生まれる。
特にゲームにおいて攻略戦を仕掛ける場合、星5のキャラで固めるのが定石。
そりゃ当たり前だ。強いキャラでパーティを編成してボスを撃退するのが一番時間も金も掛からない。
だからこそ俺は今とてつもなくレベル上げに専念している。
悲しいかな。天内は星3のキャラクターである。
弱いキャラが行うべきは最低限レベルを上げ、スキルを豊富に習得しステータスつまり基礎能力の向上を行う事だ。