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救出という名の──  作者: 五月雨
第一章 -アルガント王国編-
8/21

第八話 神呪と通貨

※これ以降先は未改稿であるため、話が繋がりません。未読をお勧め致します。

「どうぞ」


 部屋の扉を開けて入ってきたのは神凪さんだった。マップで見えてたから知ってたけど。休憩中に他の人のステータスは覗いてるし、彼のステータスも序でに視ておこう。



────────────────────────

Lv.1/250(0/50)

名前:神凪(かんなぎ)智翅(しるは)

種族:人間

年齢:17

性別:男性

HP:14,905/14,905

MP:12,292/12,292

腕力:3,344 +1,337.6

防御:3,136 +1,254.4

魔力:3,701

抵抗:2,636

速度:3,776 +1,510.4

装備:なし

能力(スキル)神聖(ブレス)

   <天照(アマテラス)+0>

  :通常スキル

   <勇者Lv.1><剣術Lv.1><光魔法Lv.1><身体強化Lv.1><日本語Lv.1>

神呪(スペル):<未解放(ロック)

称号:<召喚者><異世界(アナザーワークス)の勇者>

────────────────────────



────────────────────────

<勇者>

<一一の勇者>の称号を持つ者に与えられる。

戦闘に関するあらゆる補正を受け、レベルが上がる毎にスキルを入手する。

Lv.1=<剣術Lv.1><光魔法Lv.1><身体強化Lv.1>


<剣術>

剣や刀の扱いに関するスキル。

レベルが高いほど補正率が上がる。


<光魔法>

光属性の初級魔法スキル。

Lv.MAXにすると中級光属性魔法<陽光魔法>が派生する。


<身体強化>

腕力・防御・速度のステータスに(スキルレベル×0.4)掛けた値をプラスし、五感の機能や動体視力を上昇させる。


<日本語>

言語スキル。

日本語を習得・上達させる。

────────────────────────



 ………………ちょっと見ちゃいけないものを見たような気がする。彼は勇者だからステータスが異常に高いのも<勇者>があるのも分かる。でもさ……何で、神呪(スペル)があるの? 先も言ったように、他の人のステータスはもう視てる。だから私以外の人に神呪(スペル)が無かったのも知ってる。ここで、本当はもっと早くに持たないといけない疑問が生まれた。

 神呪(スペル)って何?


[質問:神呪(スペル)とは?

 回答:才能ある者が己が欲を満たす為に開花させる、世界の理から外れた異能力。

    この世界での法則への影響力は以下の通り。

    神呪(スペル)>>>>>>神聖(ブレス)禁呪(カース)>>スキル>物理法則]


 ほう。ということは、神凪さんは才能がある者ってことなんだろうね。影響力を見る限り、神聖(ブレス)神呪(スペル)を両立してるって、この世界の中でかなり強くない? ていうか己が欲って、言い方よ……。

 私が神呪(スペル)の説明画面を眺めていると、神凪さんが徐ろに扉を閉め、話を始めた。


「ごめん、急に部屋に来ちゃって」

「……いえ、特に何もしていなかったので」

「そっか。早速本題に入るけど、単刀直入に聞くよ」

「?」


 そんな、初対面の人に改まって聞かれるようなことあったっけ? 彼の言葉に耳を傾ける。


「君も……戦うのかい?」


 彼は神妙な面持ちで、そう問うた。あー……そういうことね。あれだ、この人は過保護なんだ。仮にも勇者として召喚された(と思ってる)のにこんなに心配するのは、私がまだ一〇歳の少女だからだろうか。それにしてもその話か……。正直に言うと、まだ決め兼ねてる。理由は単純で、召喚された勇者がいきなり行方不明になったとかになったら大問題だからだ。私がすぐに蘇生法を探しに行けば、国総出で探しにくると思う。そうなると面倒だから、時が来るまでは待っていようかなと考えてる。けれどその反面、一刻も早く蘇生法を探し出す必要があると考える自分もいる。できるなら、これ以上両親を失ったままにはしておきたくないから。どうしたものか……。私が彼の問いに答えないでいると、答えが出ていないのを察したのか、彼は話を続けた。


「まだ答えられないのなら、僕はこう言うよ。君には戦いに出てほしくない。だって、君はまだ一〇歳だ。それなのに、死ぬかも知れない戦いに出すなんて……俺はそれを見過ごせない!」


 うん。そんなことだろうと思ってた。そんなこと言われても、私は蘇生法を探さなければいけない。これは何があっても覆らない。たった今、両親が生き返ったとしても、次が無いという保証は無いから。それに、私のステータスは勇者程ではないにしろ、さっきの貴族たちの二、三倍、年齢や性別も踏まえて考えると、五倍以上はあるのだし。実際、決めるのは私だから神凪さんにそんなこと言われても私が悩むだけなんだよね。国王のこともあるからできれば長居したくはない……けど、先も言った通り、勇者が行方不明になるのは体裁的にも、状況的にも悪い。それに、講義や訓練はこの世界で生活する上で、絶対とは言わないけれど必要だとは思うし……………………よし、決めた。


「戦いには出ます。けれどここの王があんななので、何かあればすぐに国を出ます。その時は戦いにも参加しません。自由にします」

「そうか……結局、君()戦うんだね」


 私の決断に、彼は異を唱える訳でもなく、ただ理解しただけで、それ以上は何も言うことは無かった。これからの行動は今言った通りだ。経験値やステータスが欲しいから戦いには出る。けれど、国王があのゴミだから、自分に害のある問題が起きたらすぐに国を出る。以上!


「それで、話はこれで終わりですか?」

「え? あ、うん」

「では、さようなら」

「……うん、またね」


 そう言って半ば強制的に、彼を部屋から追い出す。ふぅ……やっと休める。


 …

 ……

 ………


 それから数分程ベッドの上で横になり、体と精神を休めていた。やる気が戻ったところで、取り敢えず荷物を<無限収納(ストレージ)>に入れようか、と考える。そうして私は、バックパックに手を翳し、<次元跳躍(ワークスコネクト)>の権能<無限収納(ストレージ)>を強く意識した。すると、一瞬にしてバックパックとその中身が消えた。<無限収納(ストレージ)>の画面を確認してみると、そこにはしっかりとバックパックと、それに入れていた道具が全て映し出された。めっちゃ便利。しかも、<無限収納(ストレージ)>は収納した物を自動で並べ替えしてくれるらしく、現在は初期設定の五〇音順でしまわれていた。整理整頓が苦手な私には、とても嬉しい能力だ。次は収納物の取り出しが行えるかの確認だね。これで入れた物は取り出せません、とかいうクソ機能だったら私の荷物全部消えるけど、流石にそんな訳ないよね。そう考えながら、私は徐ろに虚空に向かって手を翳し、収納する時と同様に、<無限収納(ストレージ)>とそこから取り出す物の存在を強く意識した。すると、私の目の前には意識した通り、空のバックパックが出現した。良かった。しまった物は取り出せないようなクソ機能だったらどうしようかと思った。じゃあ、取り敢えずお腹空いたから、持ってきた鯖の味噌煮缶と割り箸を取り出そう。そう意識すると、私の手のひらには鯖の味噌煮缶一缶と割り箸一膳が現れた。早速缶を開け、割り箸を割って中身を食べ始める。今は丁度お昼過ぎくらいだから、言わないと食事は用意されないと思うので、極力人と話したくない私は自分で用意するしかない。量はそんなに多い訳ではなかったので、五分もせずに食事は終わった。

 次はこの国の通貨と相場の確認かな。てことで、取り敢えず城を出よう。


 …

 ……

 ………


 私は今、王都内の市場へと来ていた。王都(ここ)って何が売ってるんだろう? そういえば今更だけど、この国の人たちはなんで日本語が使えるの? もしかして日本語が公用語とか? ……まあ、その辺はまた今後にでも考えようか。今は相場確認が先決だ。物価を知らなければ、ぼったくられる可能性が上がるからね。後は国を出た時の収入源だけど、そこは問題ない。この世界には冒険者組合(ギルド)というものがあり、そこに所属して依頼(クエスト)を熟せば報酬が受け取れる、“冒険者”という職業がある。国を出たら取り敢えず冒険者登録をしようと思ってる。国を出るまでは、それまでに狩った魔物の魔石を売ることで生計を立てようかな。あ、魔石っていうのは魔物の核となる物質のことを言うらしい。移動している間に軽く調べておいた。

 と、話が一段落ついたところで、私は向かっていた八百屋に到着した。知らない物が売ってる可能性が高いから、食材や調味料は優先的に確認しなくてはならない。だが、売り物を覗くと、そこには見知った野菜や果物が一杯に積まれていた。何で? ……まあ、可能性が高いのは、過去の勇者が伝え遺した説だろうね。次が、元々そういう植物があった説だね。最後が、地球のように、それの元となる植物が自然や人の手によってこう進化した説。正直何でも良いけど。何にしろ、見知った食材が多いのは比較しやすい上に、味が分かるから適当に知らない物を選んで損をする可能性が低くなるから助かった。じゃあ、取り敢えず、目の前にある林檎でも買おうかな。店の売り物を眺めるだけ眺めて、買わない訳にはいかないからね。あ、お金は城を出る前に貰ってきたよ。


「これ下さい」

「おう、林檎二つ五六〇ゴールドだ!」


 “ゴールド”って、ゲームじゃないんだから。因みに、こっちの世界(国?)の貨幣の価値はこんな感じらしい。



────────────────────────

小銅貨:一ゴールド。一円程の価値。一円玉と同じくらいの大きさの円盤。

 銅貨:一〇ゴールド。一〇円程の価値。一〇円玉と同程度の大きさの円盤。

大銅貨:一〇〇ゴールド。一〇〇円程の価値。板チョコの一ピースと同程度の大きさと見た目。

 銀貨:一〇〇〇ゴールド。一〇〇〇円程の価値。銅貨の銀製版。

大銀貨:一万ゴールド。一万円程の価値。大銅貨の銀製版。

 金貨:一〇万ゴールド。一〇万円程の価値。銅貨・銀貨の金製版。

大金貨:一〇〇万ゴールド。一〇〇万円程の価値。大銅貨の金製版。

白金貨:一億ゴールド。一億円程の価値。銅貨・銀貨・金貨の白金製版。殆ど製造されていない。

────────────────────────



 今回は五六〇G(ゴールド)なので、大銅貨五枚と銅貨六枚を店主らしき人に差し出す。


「五六〇G(ゴールド)ぴったりだな。嬢ちゃん、袋は要るかい?」

「いえ、大丈夫です」


 そう言って林檎を二つ、直接受け取った。そのまま肉屋に行こうかな……っと、その前に林檎を<無限収納(ストレージ)>にしまっておこう。私は林檎をしまった後、肉屋に向かった。

 肉屋に並んでいる肉はほとんどが知っている物や部位だった。只、一つだけ気になることがある。何でオークの肉が売ってるの? この世界の人って魔物も食べるんだ……私はちょっと食べれなさそう……。味が良くても……ね、何か、こう、気持ち的な部分で不味く感じそう。だって、見るからに人型なんだもん……。食欲が失せた為、肉屋では何も買わずにそのまま道具屋に向かった。

 道具屋には主に冒険者向けの道具が置いてあった。HP・MP回復薬(ポーション)や煙玉、スタミナポーションなんて物もあった。そのどれもが少し高めで、毎回被害を受けて帰ってくる冒険者では生活費が稼げないだろうと思う程だった。

 結局その日は、林檎以外は特に買わずに城に戻ることとなった。

修正 2021/10/01

<剣術><勇者>の説明の変更

修正 2021/10/02

銅貨の下の価値の「小銅貨」を追加

<身体強化>の説明文の添削

修正 2021/10/10

魔法スキルの説明の変更

修正 2021/10/13

天照(アマテラス)>の表記ミスの修正

修正 2021/10/16

魔法スキルの説明の変更

修正 2021/10/20

神凪智翅のステータスに「服」を追加

修正 2021/10/25

誤字修正

修正 2021/11/05

本文内にて通貨の価値を明記

修正 2022/02/10

誤字修正

修正 2022/04/03

誤字修正

誤字修正

修正 2022/02/14

神凪智翅のステータス画面に経験値ゲージを追加

修正 2022/04/07

神凪智翅にスキルを追加

スキルの説明を追加

修正 2022/04/15

詳細画面(ステータス)神呪(スペル):<未解放>を神呪(スペル):<未解放(ロック)>に修正

修正 2022/05/05

文章の一部修正

修正 2022/05/27

文章の一部修正

修正 2022/05/28

誤字修正

修正 2022/06/05

文章の一部修正

修正 2022/07/01

レベル上限の明記

修正 2022/10/30

文章の一部修正

修正 2022/11/03

誤字修正

修正 2023/04/18

誤字修正

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