救出という名の──

※現在投稿済みの話を大きく改稿しているため、新話投稿は遥か先となります。予めご了承の程願います。（2025/01/16現在、第七話まで改稿完了しております）


　少女は一〇歳の誕生日を目前にして、最愛の親を喪う。彼女は嘆き、悲しみ、独り暗闇の中で絶望の刻だけをただ繰り返す。そして、またいつの日のように。日常の風景。ただそれだけを空想に思い描き、現実に希った。その願いが、彼女の辛苦を揺さぶるその想いが、秘めたる力を解放へと導く。
　ほんの僅かにでも希望の可能性があるのなら。その力に一縷の望みを懸け、少女は覚悟と意地を背負って飛び込んだ。そうして辿り着きしは、鬼が轟き、魔が跋扈する群雄割拠の別世界。
　そんな夢みたいな世界に降り立った。ここならば或いは──。

　これは、地球のある世界とはまた別のどこかで、集めた仲間と共に両親を生き返らせる術を手繰り、その旅の中で幼い心を体と共に成長させていく一人の少女の物語。