第三話 十傑という選択
MMORPGにおいてソロプレイヤーは
珍しくない
そして、どのゲームでも手練の猛者も多い
それぞれの考え方やプライドを持っている場合も
多く、ギルドを組まない理由も大体がそれらだ。
要するにトップランカー達は
他者との関わりを避けてる人達だと思っていた。
あの人と出会うまでは…
IAJ内
東京都新宿エリア
トーキョーギルド会館
俺はSランククエストの情報収集のため
トーキョーギルド会館に来ていた。
「 もしもーし
もしかしてキミ、ランカーのトウマ君?
だよね だよね
そうだよね? 」
職業シスター、レベル50の女の子に
話しかけられた。
俺はゲーム内で話しかけられる事が
中々ない為少し驚きながらこう答えた。
「 そうですが、あなたは? 」
「 私は伊知葉って言うんだー。
あっ 一応、私もランキング入ってるよ。
突然だけど斗真君、私達とクエスト行こう。
キミも困ってるんでしょー?
Sランククエストに行けなくて 」
元気が良く明るく最初は話すだけで
疲れてしまいそうになる人だなぁと思った。
「 Sランクは5人以上じゃないと受けられない
んじゃないんですか?
もうメンバーは集まっているんですか? 」
「 メンバーはねー、あのランキングの
上から10人に声かけてるんだ。
とりあえずキミで5人目。
まだ断られてないんだー誰にも。
で、最終的には10人でダブル・ルークで
戦おうと思ってるんだー。 」
「 ギ ギルドを組もうとしてるんですか?
まさかその10人で… 」
俺はこの人の考えている事にまた驚いてしまった。
「 まさかー、ギルドは組めないよ流石に
みんなそーゆーの嫌いな人達だもん
あっ私もね。
同盟みたいな クエストだけ一緒に戦う。
それならいいでしょ? 」
俺達トップランカーが直面していた問題の
答えがここにあった。
「 それは面白そうですね
俺も参加させてください。 」
俺は二つ返事で答えた。
そして、ギルドを組まない
ダブル•ルークのランカー集団は後に
数々のSランククエストをこなし
『十傑』と呼ばれIAJ内で名の知れた存在になった。