死神なんて知らない
「僕の名前はライ…死神さ」
その声に固まるクライネはダガーを取り出し、戦闘態勢にうつっていた
「それは本当なの?嘘って言って」
クライネは泣き出しそうな顔でこちらを見る
死神は色々な種類がいる、命の取り方も色々ある
それは一例として、ある死神はパーティに入り仲良くなってから、絶望したメンバーを嘲笑うといった事をする奴もいる
本当に様々なのだ
「あぁ、死神だ、自分もこんなのしたくないけどね、使命だし運命である」
クライネは僕の前にいるのにダガーを震える手から離した
「そうだよね、これも貴方の仕事だし会った私がね、しょうがないね」
僕は酷く心が痛む、死神としての使命があるなか人を殺したくないという矛盾から〈死神〉という名前も聞きたくない程に死神を嫌いである
「ごめん、優しいクライネだから…ごめん…僕は死神さ、。」
そういって、左手をつきあげた
死神の鎌が飛んでき、スポッと左手に鎌をもつ
「君に選択肢をあげよう、君は死神になることができますか?もしくはこのまま天国に生き何事も起きない穏やかな世界に行きますか?」
死神には2つ選択肢を挙げることを絶対としている
この選択肢で殆んどの人は天国を選ぶ
死神の選択は絶対に天国に行ける、その確証に死神を探し天国に行くという考えの人もいるほどだ
「私は、死神になりたいです」
クライネは泣きそうな声を響かせ僕に伝える
「本当に死神になりたいの?」
ライは、今まで30人ほどの人にあっている、しかしまだ一人も命を奪えていない
殺せないのだ。しかし死神になるといえば死にもせず苦しむことはない
クライネはコクリと頷き笑う
「死神ライよ、私を死神にしてくれませんか?」
クライネは両手を広げ天を仰いだ
ライは死神になるための呪文を唱えた
「あぁ、始祖の死神よ、我が友のクライネに死神の力と精神を与えください…」
この声と同時にクライネの周りに細かな光が集まり、フラッシュが起きた
「死神??」
ライは不思議に思った、死神になった人は必ず鎌を授かる
クライネは死神の鎌を持たず、死神になったのであった
「これは、死神の力を持ったんだけど??
じゃ、死神代行だね!!」
クライネは死神になったにも関わらずとても嬉しそうだった