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吾輩は猫である。

05/13/2215

誤字脱字報告ありがとうございます。

該当箇所の修正をしました。







 我が輩は猫である。マンチカンとして生を受けて三年。産まれてからすぐに母上と引き離されて、悲しみに暮れているとそれからしばらくして新しい母上と巡り会うことが出来た。そして新しい母上からふるもっふ太郎という名を賜ったのだ。どうだ、羨ましいだろう?


 我が輩、ふるもっふ太郎は今日もいつものように母上の平らな胸の上で寝ていると気がつけば知らないところにいた。辺りを見回しても母上の姿は無いどころか、知っている匂いが何一つなかった。もしかすると、我が輩は可愛さのあまりに誘拐されたのやもしれん。しかし、解せぬ。我が輩は母上の柔らかくも平らな胸の上で丸くなって寝ていたというのに。どこの誰が我が輩と母上のテリトリーに入り込んだのだ。


 とにかく、このままでは母上に心配をかけてしまう。母上の起床時間までに何とか母上の胸の上に帰らなければいけない。しかし、ここは一体どこなのだ? 何一つとして我が輩の知る匂いが無いでは無いか。


 土の匂い、草の匂い、知らない。我が輩はこんな匂いは知らない。我が輩はとりあえず身を隠せる場所はないかと辺りを探索しようと思い、歩み始めた。すると、目の前の草からガサガサと音がするでは無いか。我が輩は音がする方を注視し、いつでも逃げられる体勢に入った。音がどんどんと近づいてくる、すると、現れたのは犬だった。


 犬如きが生意気にも二足歩行で歩いていた。我が輩は二足歩行で歩く犬を前に、すくっと後ろ足で立ち上がり、前足を上に上げた。ふふん、犬に出来て誇り高きマンチカンである我が輩が立てぬ通りなどないわっ。我が輩はその体勢で犬に対して威嚇すると、ぐるぐる威嚇して返してきおった。生意気な犬ころ目が。我が輩より大きいぐらいで勝ったと思うな。


 我が輩は一度四足歩行の体勢に入ると、生意気にも立っている犬めの鼻っ面めがけて飛びかかってしがみつき、連続で引っ掻いた。犬はもちろん抵抗し、我が輩を振りほどこうと暴れ、殴られそうになるが、我が輩は地面へ着地し、犬は間抜けにも自分の鼻を殴ることになった。


 きゃいんっという悲鳴が犬の口から漏れてひるんだ隙を見て我が輩は逃げ出した。我が輩、勝てぬ相手に挑むほど間抜けでは無い。我が輩は、誇り高きマンチカンの雄ではあるが、マンチカンであるが故に手足は短く、身体も小さい。故に、あの二足歩行で歩いていた犬相手に対して我が輩は勝てぬ。勝てぬのであれば、逃げる隙を作り出して逃げるまでのこと。我が輩、母上にもう一度会うまで死ねわけにはいかぬのだ。


 我が輩は即座に木の上に登り、犬の様子をうかがい見る。やはり、あの犬は我が輩がどっちに逃げたのかわかっているらしく、我が輩が登った木の方へと走ってやってくる。ふん、我らが栄えある猫であればともかく、犬が木登りなど出来るはずも無い。


 そう思い安心していたのが悪かったのか、突然我が輩の登った木が揺れ始めた。下を見ると、犬めが木に何度も体当たりをしているではないか。これはまずいかもしれん。我が輩は木に必死になってしがみついていると、何かが我が輩の目の前で下で木に体当たりしている犬めがけて落ちた。


 それは一匹の小さな蜘蛛だった。蜘蛛は犬の鼻の上に落ちた。そして犬めは痙攣して倒れた。あの犬を一撃で倒すとは。中々あの蜘蛛はやりおるではないか。待て、あの蜘蛛は犬めを倒した次は我が輩を狙いにくるのではないだろうか? ありえる。もし、そうなったら我が輩は勝てるのか? いや、攻撃を躱されれば我が輩は勝てないだろう。あちらの攻撃は未知数で我が輩がソレを避けられるかどうかわからない。


 我が輩は意を決して、倒れた犬の腹の上に居る蜘蛛に対して強襲を仕掛けた。我が輩の爪は見事標的を貫き、ぴくぴくと震えていた蜘蛛もすぐに動かなくなった。我が輩は、どうやら死んでいるとおぼしき犬の毛皮で蜘蛛の体液で汚れた前足を何度も擦りつけ綺麗にする。


レベルアップしました。


 我が輩の知らぬ声が突然聞こえてきて、辺りを警戒する。が、何も匂いも音もしない。ならさっきの声は一体誰の声なのだろうか? さっき聞こえた声は人間の言葉だったと我が輩は思う。が、どうも人間では無い感じがした。我が輩が思い出せる記憶に一番近い声は、母上が我が輩をそっちのけでよく触っている板からする声に近い。我が輩、あの板は嫌いである。突然板が震えるわ、大きい音はするわ、母上ではない人間の声が時々する上、アレを触っている間は母上が我が輩と遊んでくれぬ上に、撫でてもくれぬのである。我が輩は誠に遺憾に思う。遺憾に思い、母上の手をカプリと噛んで母上に構えと目で訴えたこともある。結局あまり構って貰えなかったのであるが。


 まぁ、いい。母上の触っていた板がこの付近にあるのかもしれぬ。もし、それがこの付近にあるのであれば、そこにはきっと母上はいなかったとしても、少なくても人間はいるはずなのである。


 そう思い、耳を動かすがさっき聞こえてきたあの声はどこからも聞こえない。母上の触る板はもっと何度も同じ音がするのであるが。仕方ない、ここから動いて周囲を確認しよう。


 そして我が輩は母上を探して森の中を彷徨い歩き続けた。何度も襲撃され、この小さき我が輩のプリティなボディを甘く見た輩に打ち勝ち、何度かレベルアップしましたという声を聞く度に、身体が軽くなり、跳べる高さも高くなり、爪も硬くなっていった。我が輩、もしかすると強くなったのかもしれん。母上、我が輩ふるもっふ太郎は強くなって母上の元へ帰ります故、どうか、どうか待っていてくだされ。


「我が名はふるもっふ太郎! 誇り高きマンチカンであるっ!」


 そして森の主らしき巨体の猫に挑みかかり・・・・・・我が輩は、負けてしまった。相手の肉球が我が輩の小さき身体を押しつぶそうとした時、我が輩の大好きな母上の匂いがした。目を開けると母上が私を守るように立っていて、片手で母上よりもあきらかにでかい猫の一撃を受け止めていた。


「私の、私の可愛いふるもっふ太郎になにやってんのっ!」


 母上は巨大な猫の横っ面に蹴りをいれ、ものすごい音を立てながら敵は吹っ飛んでいった。母上、そんなに強かったのですか? 我が輩、母上を守れる強い雄になれると思っていたのだが、我が輩はまだ弱かったのですね。


「さぁ、ふるもっふ太郎帰るわよ。」


 そう言って母上は我が輩を優しく抱きしめて立ち上がり、次の瞬間何時もの我が輩のよく知る母上の匂いで溢れた住処へと帰ってきた。


「ふるもっふ太郎、もう危ないことしちゃ駄目よ。治せる程度の怪我だったからよかったけど。」


 母上の言葉に気がつく。我が輩、もう身体がどこも痛くない。すごい、母上はやっぱりすごい。我が輩も母上のように強く、たくましくなりたい。


「あら、貴方も強くなりたいの? そうね、今度は一緒に行きましょう。貴方があの世界に誘拐・・・・・・じゃなくて召喚したやつにお礼参りしないといけないし。」


 そういって、母上は笑う。


「にゃぁ~お。」


 我が輩はふるもっふ太郎。誇り高きマンチカンなり。

まず、最初に一言。続きません。

色々とごめんなさい。shiba先生のコボルト無双を読んでいて思い浮かんだネタを読み切りの形で書きました。うん、続きません。50pvいけばいいなぁ・・・

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