表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は絶対に世界を見ない。  作者: 灰羽 中也
2/4

1ー1 始まり

俺はカメラが嫌いだ。

レンズ全般嫌いだが、その中でもとりわけカメラが嫌いだ。

その理由は特段人に話すほどのものでもないが、

ここではあえて語ることにしようと思う。


カメラってのはまず一瞬を切り取る。こんな見る価値もない、汚いものだらけのこの世界をわざわざ切り取ってそして永遠にしてしまうなんて悪趣味がすぎると思わないか?


しかも、だ。

この目で見るよりもよっぽど色んな情報を写してしまう。

普段は見て見ないふりできるようなことがしっかり飛び込んでくるのだ。

こんな恐ろしいことはないだろう。


そもそも思い出というのは一瞬のことだから美しいのだ。

それがだんだん記憶の中で美化されていってよりよい思い出になるのが、正しい姿である。

それを時間を固定して、美化どころか色褪せさせてしまうなんてそれはもう冒涜である!大罪である!大いなる悪逆だ!


とまあ、流石に言いすぎたがこれで俺がどどれだけカメラが嫌いかはわかってもらえたと思う。


え?さっきから誰に向かって喋ってるんだって?


「そりゃあ俺がどんなにカメラ嫌いかということをだな・・・」


「はいはい。お前のカメラ嫌いの話はもう耳にタコができるほど聞いたって」


こいつは俺の単なるクラスメイトである、佐藤拓海だ。こいつには虚言癖があってよく嘘をついたり、話を盛ったりする。

何百回も、というのはもちろん嘘である。嘘ったら嘘なのだ。

嘘のはずだ、まだ百回くらいのはずだ。


「そういやカメラっていえば聞いたか?写真部の新しい部長・・・」


「おい、俺の前で写真部の話なんかするな!」


「・・・がすっげえ可愛いらしいぜ。いいよな〜うちの部活なんて男しかいねぇからなぁ」


「どんなに可愛くても写真部なんてなぁ」


そうたわいもない話をしているとなんだか教室の入り口の方がなんだか騒がしい。

そちらになんとはなしに視線を向けると


「あなたが藤堂望くんだよね?写真部に興味はない?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ