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鏡の君と僕。  作者: 真城夢歌
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-十年前の出来事ー

 -十年前ー


 『みんな、青信号になったから手を挙げてわたりましょうね。』

『はーい』


 幼稚園だか保育園だか知らないが…子供たちは先生の言う通り元気に手を挙げて交差点を渡っている。


 『いったあ!』

一人の女の子が声を上げた。どうやら転んでしまったようだ。そんなに大きい声でもなかったから、先生も他の子供たちも気づいていなかった。今にも泣きだしそうな顔をした女の子に寄ろうとした瞬間、一人の男の子が女の子に手を差し伸べて一言。

『大丈夫?一緒にいこっか!』

と笑顔で言った。

 それに対して女の子は『うん!ありがとう!!』と、さっきまでの泣き顔が嘘かのように笑顔になった。

 それを見ていた私たち通行人も、そのほほえましい光景に思わず顔が緩んでしまった。

 あの子たちのしょうらいがたのしみだな、って、ただの通行人ながら思ってしまった。

 その場を去ろうと、真逆の方向を向いた瞬間だった。

 何か大きなものがぶつかる音、タイヤのこすれたにおい、目の前に見えたのは血まみれの子供とその場に崩れ落ちた二十代前半くらいの車のドライバー、そしてほかの子供たちの泣き叫ぶ…地獄絵図のような光景だった。

 間もなく救急車とパトカーのサイレンが近づいて来ると同時に私の意識は途絶えたのであった。



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