エロ神教の終焉 エロ神反対派の拠点にて
時間は遡って朝。
哲平たちが、事件の捜査をすると決めてから、最初の休み時間。
班目がショタ君に神妙な顔つきで話しかける。
「ショタ君ちょっと」
「班目さん。なに?」
「絵とかマンガ壊されちゃたけど、これから二次元貧乳派の作品をどんどん作って出して行こうよ。私も手伝うから」
「いや、いいよ。僕一人で作るから」
「私も手伝いたいの。みんなの二次元貧乳派だよ」
「そこまで言うなら」
「実は場所も確保してあるの。とりあえず一緒に来て?」
「今から? いいけど……」
ショタ君と班目の会話中に外野から話しかけてくる声がした。
「ショタ君。ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかい。
二次元巨乳派の代表ってどこの誰か知ってる?」
ショタ君と班目が振り向くと哲平たち仲良し三人組だった。
「うん知ってるよ。隣の教室の豊瀬君だよ」
「ショタ君。豊瀬君って誰か分からないから出来れば紹介して欲しいんだけど……」
「済まない。今は班目さんと用事があるんだ」
哲平たちはその後、教室を出て行った。
「じゃあ行きましょう」
と班目が言い、
「うん」
とショタ君が応えて教室を出た。
着いた場所は女子更衣室の前だった。
そこには既に数名の女子がいた。
「えーと、班目さん? まさかここじゃないよね」
「大丈夫です。ここの一角にあるエロ神教反対派の場所が一番安全なのです」
「いや。でも、僕がここに入るのはマズいよね」
「もう分かっているとは思いますが、ここに集まっている女子は私の味方です」
「噂は聞いた事があるよ。班目さんがエロ神教反対派のリーダーだって。
でも、班目さんは二次元貧乳派と言っていたし噂は間違いだと思っていたのに……」
「お話は中で聞きましょう。とりあえず中へ入ってください」
「苦情はここで聞くから、女子更衣室に侵入させて変態扱いするのは止めて」
「私がショタ君にそんな酷い事する訳ないよ。本当に作品を作るだけだから、それに私が女子更衣室に連れ込んだって言って擁護するから」
「……本当に?」
班目はショタ君の目を見つめながら首を縦に振った。それに観念しショタ君も倣う。
班目は女子更衣室のドアを開けて入り、ショタ君も続く。
女子更衣室の一角。布で仕切られた場所へ入って行く。
何の変哲もないただの更衣室……いや、画板や画用紙などの画材と、何に使うか分からないが縄が置いてある。
チャイムが鳴る。授業が始まったらしい。
ショタ君は無駄と知りつつも班目に尋ねる。
「授業は……当然サボりだよね」
班目は無言のままだ。
「それにしてもエロ神教反対派ってなんだったの?」
「エロ神教反対派は隠れ蓑。本当はBL派。私たち腐ってるの」
「あの貼り紙は君たちだったのか」
「ショタ君に握りつぶされて、ショックだったんだから。
バカにされないくらい上手い絵を描きたい。もっと良い物を作りたい!」
班目は目に涙を浮かべてショタ君に訴えた。
「握りつぶした件についてはバカにした訳じゃないよ。とりあえず落ち着いて」
「だって目の前でショタ君に握りつぶされたんだよ」
涙は頬を伝って顎でフルフルと震える。
「アレはね、根も葉もない事を書いているからだよ。
僕や武冨君があらぬ疑いを掛けられる。人を不幸にする作品であってはならない。
僕はBLでも作品を尊敬する。どんなに下手な絵だろうと見る側がきちんと理解しようとするならば見れない作品はない。
だから、作品を作る上でのマナーを守ってくれさえすれば、握りつぶすなんて事はしなかったんだ。だから泣かないで」
「どうすれば良かったの?」
「フィクションとした上で、実名は使わず名前を変えてくれれば良かったんだよ」
「本当にそれだけで良かったの?」
「そうだよ」
「じゃあこれからはショタ君の言うとおりにするよ。だから許して」
「許すよ」
「それじゃ、お願い聞いてくれる?」
「いいけど、なに?」
「BL派で作品が作りたいの。絵の練習をしたいから、モデルになってくれる?」
「最初は絵を模写するのが一番なんだけど……まあいいか」
「縄で縛られた姿を描きたいんだけどいい?」
「えぇ、縄で縛るの!?」
「その方が連れ込まれた感があるし、ショタ君の保険にもなると思うんだけど……」
「えぇぇぇ。でも確かに、そういう方向性だもんね。
それに模写したくてもそういう絵は手に入れられないか」
「ついでで悪いんだけど裸になってくれる?」
「裸!?」
「そういう絵は手に入らないの。だから」
ショタ君は目を瞑り暫く考えた後、首を縦に振る。
一時間後、班目たち女子は描き上げた絵をショタ君に見せる。
絵は小学生の落書きの如く酷い有様だった。
「描くからにはしっかり描かなきゃ。
まずは、全体のバランスを取ってから描く事」
ショタ君はスイッチが入ったかの様に班目たちに絵の描き方を教え始めた。
ポーズを変えて何回か描いた為、班目たちの絵の技術はこの時大幅にレベルアップしていった。
「ねえたって」
班目はショタ君にポーズの注文をした。
ショタ君は頷き、手を縛られた状態ですくっと立ち上がった。
「そっちじゃなくて、こっち」
班目はショタの下半身を指差す。
「いや。勃ってといわれても」
「どういう時に勃つの?」
「女性の裸を見た時に勃った事はあるよ」
班目は立ち上がり制服を脱ぎ始める。
「ちょっと班目さん? 今は昼休み中だから時間的に危険だよ」
「いいよ」
下着まで脱いだ班目だったが、ショタ君の下半身が起き上がる事はなかった。
周りの女子が「班目さんは魅力的じゃないからよ」と冷やかし、脱ごうとする。
班目の目から涙が零れる。その涙を拭く為に、眼鏡を取った時、ショタ君の下半身が勃ち上がった。
「え。なんで?」と班目が言おうとした時だった。ドアの外で物音がした。
周囲が凍り付いた。
誰もが何事もなく過ぎ去って欲しいと思い、じっとしている。だが、その期待は裏切られ、ドアが開く音が聞する。
入ってきた誰かが大きく息を吸い、咽る。
それに驚いた班目が不用意に動いたたため、ロッカーに腕をぶつけてしまう。
そして近づく足音になすすべもなく、カーテンが開かれたのだった。
どうでもいい事かも知れないが、この日以降ショタ君は眼鏡っ娘に性的興奮をする様になった。




