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エロ神様が生まれた日 何かが透けて見える教室


 チャイムは既に鳴っており、授業が始まったはずだが、先生はまだ来ていない。

その為、生徒たちの会話で教室中が騒々しい。

 大きな声のモブ男子たちの会話が聞こえてくる。


「ヤバイ雨だな。ずぶ濡れだよ」

「フフフ。こんな事もあろうかとタオルを持ってきたのだよ」

「おー、オマエ準備がいいな」

「ところがだ、あろうことかそのタオルまでずぶ濡れなのだよ」

「役に立たねーな、オマエ」


 教室中を見渡せば、登校中に降った雨で多くの生徒がずぶ濡れだ。

 一番後ろの席にいる哲平からは後ろ姿しか見れないが、それでも10人近くの女子生徒は雨に濡れ、ブラジャーを晒している。


「絶景かな」

「ああ、実に絶景だな」


 哲平に返事をした美咲は、女子生徒以外の場所を見ていた。

哲平が美咲の視線を辿って行くと、そこには小学生高学年くらいの女の子……もとい、哲平たちの担任をしている鏡山麻衣かがみやま まい先生がいた。

 鏡山先生は白いブラウスを着ていた為、その下に付けている黒いレースのブラジャーが浮き出ている。

鏡山先生は小学生高学年くらいに見えるだけあって、背丈ばかりか胸もあまり大きくはないので、お子ちゃま下着の方が似合いそうだが、黒い下着も背伸びしている感じがあっていい。


「実に素晴らしい」


 教壇まで移動する先生。横から見える鏡山先生の胸にはあまり膨らみはないが、慎ましい体は一部の男子生徒には人気がある。


「何を騒いでいるんですか、早速授業を始めますよ。

 貴方たちはバカなんですから、真剣に勉強をしないと益々バカになりますよ」


 鏡山先生の慎ましさのカケラもない言葉が響く。とは言え、可愛らしい声の為、威圧的な感じはしない。また、罵倒される事が好きな一部の男子生徒には、鏡山先生のソレはとても人気がある。

だが、この程度の罵声で大人しくなる様な生徒は殆どいない。ここはドM……もとい、バカばかりが集まる学校だからだ。

 教室のあちらこちらから

「鏡山先生の姿が魅力的過ぎて勉強に集中できません」

や、

「制服が乾くまで授業は中止にしてください」

といった授業を妨害する声が上がる。

学級崩壊と言える状態だが、暴力などは起こっていない。バカだから授業が面白くなく、授業に集中できないだけだ。だが、鏡山先生も負ける訳にはいかないのだ。

 鏡山先生は持っていた教科書で机を叩き説教を始める……だが、先に言っておこう、鏡山先生の説教は読み飛ばす事を推奨すると。


「そんな事だから貴方たちはバカのままなのです。

いいですか勉強をしないで困るのは貴方たちなんですからね。

 良い会社に入って裕福な暮らしをするか、悪い会社に入って貧乏な暮らしをするかは勉強次第なんですよ。

 私の授業が面白くないなら本を読みなさい。私がおすすめすのは直接役に立つビジネス本ですが、貴方たちにそこまでは期待してません。貴方たちはまずラノベを理解するところから始めてください。

貴方たちにはラノベすら難しく、マンガやアニメにまでならないと理解できないのかも知れませんが、取扱説明書がマンガで描かれている事はないでしょう?

 文章での表現は生活をする上での最低条件なのです。

ラノベすら読めない様では取扱説明書も読むのは難しいでしょう。

 取扱説明書が読めなければ事故の元です。

命に関わる問題です。それなのに最近は取扱説明書も読まないで事故を起しているそうじゃないですか。読まないってどういうことですか。

……」

※以降、説教は完全に脱線してしまったので省略させて頂きます。


 美咲は頬杖をついて哲平の方を向く。鏡山先生の説教など聞き流しているのだ。

その哲平は瞬きもせずに鏡山先生の方を向いている。

 後ろの席で、かつ、先生が説教に集中している為、口を隠して小声で喋ればバレない事をいいことに美咲は哲平に話しかける。


「哲平、鏡山先生の下らない説教がそんなに面白いか?」

「いや。全然」

「なら、なんでそんな真剣に話を聞いているんだ?」

「話を聞いているんじゃない。鏡山先生を見ているんだ。

鏡山先生のブラジャーを網膜に焼き付ける機会は今しかない」

「ブラジャー如き一度見れば十分だと思うのだが?  パンツでも狙うって言うなら分からなくもないが」

「鏡山先生のパンツを狙うだって!! そんな事出来るのか!!」


 哲平は興奮の余り、小声で話さなければならない事を忘れて大声を出してしまった。それは当然、鏡山先生の耳に入ってしまい……。


「出来る訳あるか!! 西塔哲平は廊下に立ってろ!!」


 哲平が返事を返すより早く美咲が起立しながら

「鏡山先生、西塔君はもう勃っていると思うのだが……」

と言い哲平の下半身を指差す。


「田頭美咲。お前も一緒に廊下に立ってろ!!」


 哲平は膨らんだズボンを両手で抑え、美咲と一緒に教室を出て行った。

その後も鏡山先生の説教が続き授業は潰れてしまった。


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