派閥の分裂 全裸派の活動
週が改まり、来週にも学期末試験だ。
……というのにも拘らず、各派閥の勧誘活動は続いていた。
昼休みになると廊下を歩くメイド服を着た内尾の姿に心が癒されるが、勧誘行為であり、うるさいだけなので帳消しとなる。
その後に歩いてきたのは水着姿で勧誘を行っている連中だ。水着姿と言っても男しかいない為、うれしくもない。よく見るとそのうちの一人は武冨だ。誰かを勧誘している話声が聞こえてくる。
「君も全裸派に入らないか?」
「いえ。間に合ってます」
危険を察したのか武冨の周りから人がいなくなる。
教室内でくつろいでいる哲平たちと武冨の間に障害物がなくなった事で、武冨と目が合ってしまう。
武冨はずかずかと教室に入ってくる。
哲平は手を振って追い払おうとしているのだが、手招きと勘違いしているのか武冨は近づきつつ話しかけてくる。
「本来なら全裸で活動するべきだろうけど、まさか全裸で勧誘する訳にもいかないからな」
「男の水着姿を見てもうれしくはないよ。
内尾さんも武冨君も、よく先生に叱られないね」
「文化祭で水着喫茶をする為に今から着こなしていると言ったら許して貰えたよ」
「武冨君って確か、内尾さんと同じクラスだったんじゃない?
内尾さんはコスプレ喫茶をするとか言っていた様な……。
水着もコスプレの中に含まれれば全然問題はないって事?
いや違う。女子が水着になるかどうか。これは一大事だ。
内尾さんは賄賂を用意していたけど武冨君は対策はしているのかね。事は一大事だよ」
「俺も用意したさ」
武冨は写真を海パンの中から取り出し、哲平たちに見せる。が、誰も触ろうともしないし、心が見る事を拒否していてモザイクが掛かって見える。いやピントがズレているだけだ。
「俺の水着姿を写した写真だ。
でも受け取ってはもらえなかったよ。
だが先生からは『女子を説得できると良いですね』と励ましの言葉を貰えた。
だから御影先生、あ、俺たちの担任な、は間違いなく俺たちに期待しているはずなんだ!!」
主張して満足したのか、武冨は教室を出て行った。
晴奈は
「思想は過激だったけど、行動は常識をわきまえたものだったね」
と語ったが、哲平は
「そもそも文化祭って秋だし、その頃には大分涼しくなっていると思うのだけど、本当に水着でいいのだろうか?」
と疑問を語った。




