派閥の分裂 三次元派も分裂
学校内だというのにメイド服を着た女性がいる。
メイド服と言っても百均とかで売っている安物のコスプレグッズだが、それを着た女性が、弁当を食べ終わり他愛ない話をしている哲平たちの前まで歩いてきて止まる。
「今度、新しくコスチューム派を作る事にした内尾美衣奈です。
このメイド服をご神体にしますので、よろしくお願いします」
内尾の格好はクラスにいる全員の目をくぎ付けにする。
それもそのはず、短めのスカートで今にもパンツが見えそうだ。オーバーニーソックスのせいで肌の露出度は低いが、絶対領域はしっかりと確保されている。
哲平と美咲は同時に
「いいね」
と漏らす。それを聞き逃さなかった哲平は興奮気味に
「美咲さんもこういうのを着てみたいの?」
と聞くが
「いいえ。全く」
と素っ気ない。
晴奈は哲平に
「私は哲平君の為なら着れるよ」
と言うと、その話を聞き漏らさなかった内尾は晴奈の手を取る。
「興味があるのでしたら、是非、コスチューム派に入信を……」
「いえいえ。結構です」
「私、新しく派閥を作ったばかりで信者が少ないんですぅ。
人助けと思って信者になりませんか?」
晴奈に対して内尾がぶりっ子するが、哲平になら兎も角、晴奈に通用するはずもなく、晴奈は嫌な顔をする。
美咲は
「はっ!」
と声を上げ内尾に話しかける。
「ところであなたは、私たち三次元派から分裂するって事でいいの?」
「はい。そうですね。それが何か?」
「私たちは哲平を中心としたあなたの分裂元になる訳だけど、よくも平気な顔で勧誘出来るわね」
「え? そう言われましても、三次元派だから考えが近いのであって二次元派とは相いれませんし……」
「どうでもいいけど、勧誘なら他所でやってくれる?」
「はーい」
内尾がしゅんとして哲平たちの元から去っていく……。
と思いきや、ショタ君を見るなり肩を叩いて言う。
「君、メイド服着てみない?
ものすごく似合うと思うよ。
そして、コスチューム派に入ってよ」
クラス内のモブ女子が
「それ分かるー」
と言い、苦笑いを浮かべるショタ君。
一方では、晴奈が困った顔をして哲平を見る。
「ところで内尾さんの派閥名を三次元コスチューム派になるとするなら、私たちの派閥名はどうなるのかな?」
「元祖三次元か本家三次元かなぁ」
「ラーメン屋じゃないんだから」
美咲は
「別に三次元派のままでいいんじゃない?」
と言い、話に参加してくる。
晴奈は気に入らない顔を美咲に向ける。
「そんなもんなの?
だって、二次元の時は二次元巨乳派と二次元貧乳派になったじゃない」
「あの時は二次元巨乳派と名乗っりつつ、それまでの二次元派を貶めようとして貧乳を付けていた様だったけど、内尾さんはコスチューム派って名乗ってたから、私たちはそのまま三次元派でいいでしょ。そもそも真理の探究に呼び方なんてどうでもいいじゃない」
哲平は難しい顔をして俯き額に手を当てて
「呼び方よりもエロ神が広まってしまった事が問題だよ。どうしてこうなってしまったのか」
とぼやいた。




