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第二十二話 ホラー映画③

「これ見て」


 そう言い、なっちゃんに白い球が映った写真を見せた。

 ユラリを映そうと頑張った写真たちだ。


 岬の岩と海面と朝焼けの空が映った写真。

 待受にするか迷ったやつ。


「太陽の光じゃないの?」


 そう言いながら、今朝とったばかりのスマホに入った海の写真をなっちゃんはタプタプと指で画面を押して眺める。


「私、霊感ないけど、心霊写真が撮ってみたい」


「あんまり変なことはしない方がいいと思うわよ」


 興味なさげになっちゃんは海の写真を眺めている。

 自分のスマホを取り出して、心霊写真の撮り方で検索をかけ始めた。

 なっちゃんはなんだかんだ面倒見がいい。


「そうね、やっぱり草木も眠る丑三つ時、午前2時~3時位が映る確率が高いんじゃないかしら」


「夜かー」


 確かに、朝を迎えてお化けが諦めるなんて話は定番で、朝に不思議なものは映らないのかも知れない。


「あとは合わせ鏡を使うと霊感がない人でも見えるって言うわね」


「合わせ鏡?」


 なっちゃんがポーチの中から手鏡を出して、机の上にあった鏡と向かい合わせた。


「こうやると、鏡に映ったものが反射を繰り返すでしょ?」


「おー、ほんとだ」


「大きな姿見で合わせ鏡を作って、自分を映すと、13番目だか9番目だかに別世界の自分が映るらしいわよ」


「そうなんだ」


 別世界の自分は、あんまり興味ないな。

 あくまでこの世界でユラリの姿をカメラに収めたいのだ。


 多分私なら別世界でも今と似たような暮らしをしている気がするし。

 なっちゃんは私のスマホの写真を見て言った。


「白い球が映るのって縁起がいいらしいわよ」


「ほんと? やった」


「ええ、……あれ」


 なっちゃんがスマホを見て固まった。片手で持っていた私のスマホを両手に持ち直し写真を拡大している様だ。


「どうしたの?」


「ももか、これ心霊写真が撮れてると思うわよ」


 苦笑いをしながら私にスマホを返してくる。

 今朝最後にとったユラリとのツーショット(映っているのは私だけ)が画面に表示されている。


 その写真をよく見ると、私の後ろ、写ってはいないがユラリの肩に手を置き、カメラを興味津々に見る白い肌をした半透明な子供の顔が映っていた。


「ギャー!」


 気づいた私は映画を見たときよりも大きな声を出してスマホを放り投げた。


「ちょっと、危ないわね。心霊写真が撮りたかったんでしょう?」


 なっちゃんは放り投げられたスマホを避けながら言った。

 いやもっとリアクションは大きくてもいいと思う。

 冷静すぎないかな。


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